139.《ネタバレ》 この作品では「死」というものをとても丁寧に扱っていると思いました。
「死とはこういうものだ」ではなく、それについて考えさせられるところが良いです。
それは、哀しくて暗い部分ばかりではなく、美しくて僅かに希望を持たせる(といったら変ですが)、そういうものを感じました。
「死」とちゃんと向き合って描いたときに、はじめて「生」をちゃんと描けるのかと思いました。
人が死ぬとはどういうことなのか?人は死んだらどこへ行くのか?ということを考えさせてくれる作品の一つです。
主人公もっくんが、死後2週間のおばさんの遺体を見たときにはじめて強烈な「死」というものに直面したのだと思います。
その恐怖からか、奥さんの広末涼子にすがり、彼女の生肌の匂いをかぎ、「生」にしがみついた場面は印象的でした。
このときに思ったのが「エロ」こそが「生」の絶大なエネルギーだということです(愛といったほうが良いのでしょうか?)。
しかし、広末涼子が奥さんとは良いですね。羨ましいかぎりです。
雪景色に白い肌でセーターを着ている姿というのは、僕の理想とするところであります。
本当にファンの頃には、彼女の下着が見れるなんて夢にも思わなかったのですが、、、時間の流れってのは何が起こるか分かりませんね。
ただ、彼女の笑い方は作り笑いっぽいところが僅かに気になりました。
この作品がアカデミー賞をとったのも、何となく分かるような気もします。
どっかの野蛮大国の映画では「死」というものが非常に使い捨てで粗雑に描かれています。自分たちのヒロイックさを象徴するためにです。
それを、ここまで丁寧に「死」を美しく儚く繊細に描いている映画を観て、考えさせられる部分もあったのかもしれません。
それに「葬式」という儀式に、日本の美しさというものが非常に良く表れていたのではないでしょうか?
《追加》あと、どなたかが書かれているとおりですが、モックンが丘の上でチェロ弾きですが、そりゃ「千の風になって」か~っ!、、、とも思いました。