171.《ネタバレ》 凄くシナリオがいいですよね。人生というもののある種の真実を端的に描いてる。よく、人が成功するにはその人のがんばりだとか、あるいは才能が大事だなどと言われますが、実はそれと同等、あるいはそれ以上に大事なのは「出会い」なんですよね。この「出会い」の善し悪しによって、人はいくらでものし上がるチャンスがあるし、いくらでも堕落する可能性がある。マーくんはあのラーメン屋でヤクザに出会わなかったら、彼はあの道に入る事はなかった。あのヤクザで親分に気に入られなかったら、彼は上にのしあがることは出来なかったし、若頭に嫌われていたが故に、結局落とされる事になる。シンジはマーくんのかつあげに付き合っていなかったらボクシングの道に入って才能を開花することはなかったし、そのジムのハヤシと付き合う事で結局その才能をフイにしてしまう。漫才師を目指した彼らもそうだし、ラブレターを書いていた彼もそう。全ての人々は、「出会い」によって左右されてる。北野武という人間だって、彼がビートきよしと出会ってなかったら世に出ることはなかっただろうし、深作欣二と出会ってなかったら映画監督としての彼の存在もなかったかもしれない。何がどう転ぶかわからない。北野監督は自分のこれまでの生き様や経験というのを、そのままシナリオに詰め込んで活かしてるんだと思う。 【あろえりーな】さん [DVD(邦画)] 8点(2008-08-17 00:29:21) (良:3票) |
170.北野武映画はほとんど見たことがなく、 内容にも偏見があったのだけど、これは面白かった。 エンターテイメントとしては少し弱いかもしれないが、 地味ながらもどの登場人物もしっかり描かれていて好印象。 やはり誘惑に負けず地道に努力し続けられる奴が最後に残るんだな、と思った。 【邦画好き】さん [DVD(邦画)] 7点(2008-07-21 09:47:45) |
169.《ネタバレ》 とってもよかったのです…サントラまで買ってしまいました。ラストは涙で画面が曇りましたが、何が?と聞かれるとうまく答えられません。展開がベタとか演技が硬いとかもありましたが、なぜか気になりませんでした。当方、彼らとは性別からして異なった人生を歩んでいると思うんですが、なんでこんなに切ないのだろうか…。懐かしいはずないのに。ヤンキーじゃなかったし、カツアゲもボクシングも無縁だし、そんな男子すら周囲にはいなかったし。なのに最後の二人の姿が焼きついて離れません。某生命保険のCMよりもよほど切ない望みがここに。なんだかうまく説明できませんが…ああ、感動した作品にレビューするのはほんとに難しい!! 【旅する仔猫】さん [DVD(邦画)] 10点(2008-02-10 23:31:49) |
168.テンションおさえめの青春群像です。恋愛などの甘酸っぱさは完全に排除されていて、クールで良いです。淡々としすぎて最後までなんか釈然としないけれども、こういうもんだよな、という現実を冷静にとらえた良作だと思います。 【すべから】さん [DVD(邦画)] 7点(2008-01-29 14:52:37) |
167.高校生の不良ってこんなだっけ??そもそも組にかかわるような不良は高校受験なんかしなかったような気がします。妙にウソくさい設定なのにストーリは娯楽っぽくなくて変です。 【紫電】さん [DVD(邦画)] 4点(2008-01-27 18:17:15) |
166.《ネタバレ》 映画としてはすごく良く出来た作品ですね。ストーリーバランスが絶妙。ですが、 いかんせん、ここに描かれている「ちゃらけた」「センスが悪い」「すぐ楽な方に逃げる」「軽薄」ようなキャラクターをワザワザ映画で見たくないのだなぁ。 現実でもこういう眉をひそめたくなるような人とは、なるべく関わらないようにしているので・・ 【ボロミ】さん [DVD(邦画)] 5点(2008-01-15 17:11:04) |
165.現実の厳しさがうまく描かれています。そしてあのラストシーン。明るい未来が見えなくても、それでも生きろってことだろうなあ。ところどころ笑えるところがあるのも良。 【すたーちゃいるど】さん [DVD(邦画)] 8点(2008-01-13 23:58:23) |
164.《ネタバレ》 新春最初の映画はずっと観たいと思いながら未見だった北野監督の「キッズ・リターン」である。地上波深夜枠、CM入りまくり、画質も悪いという悪環境での鑑賞であったけれども、静かな牽引力にひっぱられ、最後までダレることなく緊張状態のまま観た。この映画のすべての人々に救いがない。「俺たち、もう終わっちゃったのかなあ」「バカヤロー、まだ始まっちゃいねえよ」とうそぶく若い二人にも救いがない。おそらく北野監督の歩んできた人生のなかのほとんどの人々が「救いのない人々」であり、彼はそれを肌で知っているのである。世の中の多くの人たち、殆どの人たちに救いがないという事実、現実をこんなにもあたたかく、残酷に描いた映画が他にあるだろうか。今やアメリカンドリームに毒されたわれわれ日本人につきつけられた挑戦状のようにさえ思える。わたしはこの映画を観て自分もこちらの側に立ちたいと切実に思った。それも一種の幻想といわれればそれまでだけれども。 【はちかつぎひめ】さん [地上波(邦画)] 10点(2008-01-04 14:08:19) |
163.《ネタバレ》 ビート・たけしとして他の監督の作品に出演する映画は観た事がありましたが、北野作品はこれが始めてです。 率直な感想は思っていたより画が良いと思った。しかし、好きか嫌いかでは嫌いな方ですね。自分には。 興味はそそられて決してつまらなくは無い。でも、これは元々ボクシングとか、ヤクザとか、不良とか、人を追い越してゆくサクセスストーリーがそういう要素を持っているのだと思います。そこに北野武らしさの画が挟まる部分でいい感じになるのだと思った。これは監督の夢憧れと挫折なのかな?人々の実体験で共感できる部分はありそういう点での作り方は良いというかずるい。もう1つ何が言いたいのか伝わりづらいと思った。人生なんて真面目にやっててもこうなっちゃう?しかし、それはそれぞれが呼んだ因果だと思うので、それぞれが本当にやりたい事をしっかり見つけ出していれば、映画中の漫才師のように成功しているという事なのかな。どれも成功とは派手な到達点を良いと思っている価値観にとらわれているのが自分にはちょと違うように思える。 【森のpoohさん】さん [DVD(邦画)] 7点(2007-09-23 03:37:07) (良:1票) |
162.《ネタバレ》 ボクシングセンスのあるシンジが、先輩ハヤシとの付き合いで段々落ちこぼれて行く様が見ていて痛ましかった。 純粋がゆえ一心不乱に練習し上達してゆく反面、社会的な未熟さゆえ立場の上の人の意見を素直に受け入れてしまう・・・。 こういう風に若い才能が摘まれてゆくんですね。 【kapoera】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-09-14 09:02:24) |
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161.北野武監督の最高傑作! ラストシーン、二人の自転車をアクロバットにこぎながらの会話に身震いがした。 久石譲の音楽もカッコ良すぎ。 くじけそうになった時、実際に何かに敗北した時、この映画で力をもらいたい。 そういうパワーを持った作品。 【にじばぶ】さん [DVD(邦画)] 10点(2007-09-09 00:30:17) |
160.《ネタバレ》 冒頭、マーちゃんがふらっと現れるシーンがとにかく印象的。ふらっと、唐突に、まるで空中から現れたかのように、それこそ“幽霊”みたいに。そのまま舞台は主人公二人の高校時代へ。 その後展開する物語と、冒頭の雰囲気とを合わせると、悲劇的なラストを予想せずにはいられない、マーちゃんはいずれ、命を落とすのであろうと。しかし、この映画は、そんなお約束的な描き方はしない。私の安直な想像を嘲笑うかのように、ラストにおいて校庭の二人は、学校の窓から森本レオによって「実在のもの」として認識され、しっかり溜息をつかれちゃうのだ。過去というものの“苦味”をそのまま“苦味”として、ヤンチャに、肯定的に描く。さらには「不死身宣言」とも言うべきラストによって、カッコ悪かろうとなんだろうと、とにかく何度でもやり直してやるぜ!文句あるか!と言わんばかりのエネルギッシュな存在感を示した北野監督には、勇気づけられずにはいられない。迫真のボクシングシーンも文句無しで、作品のエネルギーを見事に体現し、映画を盛り上げる。 【鱗歌】さん [地上波(邦画)] 9点(2007-08-28 00:33:00) (良:3票) |
159.挫折?失敗?そんなの誰もが経験している。そんな時、心の中ではラストの言葉をつぶやいている。そしてあのテーマソングが鳴り響く。決して若くはない自分でも共感できる作品でした。(43歳) 【カスミン】さん [DVD(邦画)] 8点(2007-08-19 17:24:28) |
【なますて】さん [DVD(邦画)] 8点(2007-07-25 12:59:57) |
157.ぼくはいわゆる真面目な優等生タイプであるし、不良やチンピラ、ヤクザなどに共感できるところなど微塵もない。でもこの作品の主人公は、何というか分かる。…分かるっていうことは、どこかに共感してるのか!? うーむ。男が(女のことはわからない)ある時期に通過する一瞬を見事に切り取った傑作だと思う。正直ビートたけしを色物と思ってました。すみません。 【すらりん】さん [DVD(邦画)] 8点(2007-05-26 00:05:51) |
156.どうにかしようともがいてみてもどうしようもないことってやっぱあって、それに気付いて絶望すんだけどそこが終わりじゃなくて、実はそっから全てが始まるんです。 ってことを言ってました。 【魚】さん [DVD(邦画)] 7点(2007-04-20 03:01:37) |
【えいざっく】さん [DVD(邦画)] 5点(2007-03-26 11:16:42) |
154.《ネタバレ》 北野作品にしてはバイオレンスは若干控えめだったり、他の作品とは一味違う。青春の儚さがとても良く出ています。馬鹿な男は常に馬鹿ばかりして、親友は常にその友達に流される。友達が居なくなると、今度は悪い先輩に流されて、自分を持てずに実にフラフラとしている。しかしこのどうしようもないところが良い。脇の小さな話も様々な面からしっかりと映画を支えています。そしてやはり最期の台詞が良い。この台詞が膨らんで一本の映画が出来たのだと思わせてくれます。 【MARK25】さん [DVD(邦画)] 8点(2007-03-13 18:30:32) (良:1票) |
153.ラストシーンは自分に希望を与えてくれる。好きな青春映画。 【Michael.K】さん [ビデオ(邦画)] 7点(2007-01-19 01:32:17) |
152.悲痛、悲惨、残酷、無情。汚さにまみれても、それに粉々にされても、『まだ始まっちゃいない』という言葉が出てくるのはなぜだろう。二人は始まるのだろうか。徐々に徐々に走り出すエンドロール。これから先の物語は、一体どうなるんだろうか? 想像が尽きない。 |