8.《ネタバレ》 モンドが如何に人々にとって意味のある存在であったかという事を考えると、最後の終わり方は物哀しいものですね。結局目の前のモノが無くなってしまっても人間はいつしかその欠けた光景に慣れてしまう。 もう少し映画らしくエンターテイメント性が欲しかった気がします。 【民朗】さん [地上波(字幕)] 5点(2009-02-07 20:22:45) |
7.《ネタバレ》 詩的な絵本のようなシンプルな作品ではありますが、人の温かさや美しい景色、音楽が本当に心地よく非常に心が癒される映画でした。 観ていて、モンド少年は「あらゆるものを受け入れることのできる寛容さ」の象徴であるように感じました。それだけに、終盤の展開なんかは現代社会の不寛容さを批判しているようにも取れますね。 【TM】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2008-06-10 19:18:13) |
6.《ネタバレ》 文字通りの「犬の生活」か、フランス版「誰も知らない」といった風情。私としてはそのまま、野良犬をストリート・チルドレンに見立てた(決してその逆ではない)ファンタジーとして受け取りました。見た目の可愛い野良犬が歩いてれば、頭を撫でる人も餌を与える人もいる。しかし、その存在に危険を感じる人もいる。どっちが良い悪いじゃありません。むしろ前者は無責任な人で、後者は社会的責任を感じてる人とも言えるでしょう。これが現実。モンドは可愛い無垢な少年の姿をしてるからいいですけど、小汚い中年のホームレス姿だったらどう感じるでしょうか? 5点献上。 【sayzin】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2005-12-17 00:02:20) |
5.多国籍のような無国籍、ここはどこでもない国ですね。モンドが眠るシーンが好きです。夢の感覚が蘇ってとても大きなものに呑まれます。 【ジマイマ】さん [ビデオ(字幕)] 10点(2004-04-04 01:11:15) |
4.《ネタバレ》 何処に居ても誰と居ても、自分が「よそ者(アウトサイダー・はみ出し者)」と感じてしまう種類の人間が居る。人間嫌いでも協調性が無い訳でもないにも関わらず、周囲に溶け込み、馴染む事が出来ない。彼もしくは彼女にとって「居心地の良さ」は居心地の悪いもので、むしろ「居心地の悪さ」に居心地の良さを感じてしまう。そういう人間が一般的な意味で社会の成功者(いわゆる“勝ち組”―何とも嫌な響きの言葉だ)になる事は難しい。本作の主人公モンドはそういう類の人間のファンタジックな具現化である。とある街にフラリとやって来てそのまま居着いてしまう、というシチュエイションは、あたかもミヒャエル・エンデの「モモ」の様だが、エンデの創造した、モモを温かく迎え入れる古き良き街に比べ、モンドがやって来る街はいかにも現代的だ(人々が雑踏を足早に歩いていくシーンで不協和音めいた音楽が流れるのが象徴的)。モンドに優しい態度で接するのは主に浮浪者や大道芸人、ベトナム生まれの老婦人など、マイノリティ(すなわち自己も“よそ者”である者達)だ。いわゆるマジョリティにとって、モンドの存在は目に入らないか、入ったとしても異質な、排除されるべき(もしくは“保護”の名目で収容されるべき)存在に映る。かくして、人々の優しさに触れながらも、いつも「ここではないどこか」を夢想していた少年モンドは街から消えてしまう。そして街の人々は初めて、自分が失ってしまったものに気付くのである。さしずめモンドは「時間どろぼう」が時間を盗み終えてしまった後、遅れてやって来てしまった「モモ」なのかもしれない。 【ぐるぐる】さん 8点(2004-02-19 16:26:45) (良:2票) |
3.淡々としすぎて物足りないような気もしたが、悪くないと思う。 【洟垂れ】さん 6点(2004-01-16 00:19:01) |
★2.好きです。映画館で観られてよかった。でも家でひとりで観たほうがほほえましい気持ちになれるかもしれない。私はモンドはみんなに愛されたかわいい犬だったのかなーとふんわりした気持ちになった。でも子供でも犬でもどっちでもいいなと思う。こんなふんわりした気持ちで映画館を出たのは久しぶり。ほんとなんつーか優しい気持ちっていうとちょっと変だけど、ほんわか。ふんわり。ほんわかのほうがいいかも。 【らいぜん】さん 8点(2003-11-30 06:53:30) |
1.どこからやってきたのか、南仏の小さな街に現れた子犬のようなジプシーの男の子が、人々の孤独な心を癒し、ふたたびどこへともなく消えていく。ただそれだけのストーリーなのに、全編を繊細で美しい詩的イメージが包み込み、一度見たらいつまでも忘れられない余韻を与えてくれる珠玉の作品です。ともすれば、この少年を「天使」的存在として描くところなのに、あくまで「子犬のようなひとりのジプシーの男の子」であるのがいいんですよね。と言うか、彼は本当に「子犬」だったんじゃないかと思わせるフシがある(何故なら、この男の子が最も恐れるのが、野犬狩りの男たちだから…)。そう考えると、その人なつこさといい、孤独な心を優しくなぐさめる姿といい、納得がいくところがあるし。ともあれ、いつしか見ているぼくたちをも癒してくれる、慎ましいけれど実に豊かな包容力にあふれたファンタジーですね。そう言えば、あのフランス文壇の大家であるル・クレジオも、この映画を心から絶賛していたっけ。だからと言うんじゃないけど、ぜひ多くの人にみていただきたい1本であります。 【やましんの巻】さん 10点(2003-11-27 15:39:16) (良:1票) |