2.悲しい物語だった。母親から愛情をもらえない子供の悲痛の話。私は「大人」と呼ばれる人間であるけれど、自分では「子供」だと思っている(この世の中に本当は大人など存在しないと思っているので…)からなのか、アンジェラのある種の妄想も祈りもひしひしと伝わってくる。親子の間でなくとも、恋人同士とか夫婦とか人間関係がある限り、誰しもなり得る。心に寂しさや不安が込み上げた時、こういった儀式もしくは誰かにすがりたくなるのは「大人」と呼ばれる人間だって絶対的にある。アンジェラは結局、心救われぬまま衝撃的な最期を迎えてしまった。観終わって、自分の周りに私の孤独を救ってくれる存在があることに感謝すると共に、果たして「大人」と呼ばれる自分は本当に誰かを救える存在である(または、なれる)のか、考えてしまった。