★5.久しぶりに、点数を付けるのに躊躇した作品です。映画のストーリーを考えると、あまり魅力を感じるものではないです。主役は冴えないオヤジ(もちろんそれが狙いだとわかっていても)。唯一、僕が心惹かれるような美しい少女・ナターシャは、ゲンズブールが最後に起用したとしても、それまでの彼のロリータへの仕事からすれば上手く調教できたかは疑問が残ります。それに、ナターシャがスタンに対して淡い恋心(?)を抱くところも、自己満足の世界を脱しているとは思えません。それでも高得点をつけてしまうのは、蒼いフィルターをかけた映像と、美しい音楽の包み込む世界を創り上げたゲンズブールの力量でしょうか。妙な例えを挙げるとすれば、オコゼかアンコウを食べた気分です。友人役のリシャール・ボーランジェ、そして囚人役のシェル・ロバンがいい役を演じていました。僕は、この映画を友人に薦める事はないだろうと思うのですが、薦められるような友人が出来ればいいなと思いました。 【fero】さん 8点(2004-01-19 00:44:16) |
4.せつない映画でした。ロリコンだって何だって恋する気持ちは誰も同じ。スタン先生は最高にかわいい。電車の中でエロ週刊誌を読みすてにするサラリーマン(ちょっと限定しすぎかな?)よりよっぽど素敵。彼が犬を連れて嬉しそうに女学生を待つシーン、彼の妻がエロディをなじるシーンに涙が出ました。エロディも綺麗だけど奥さんの洗練された美しさに見とれてしまいます。ゲンズブールの作品の中で、いえ今まで見た映画の中で一番好きです。登場人物がみんな大人でいいなあと思います。映像的にも、文学的にもべたなところが全くない、本当にすばらしい作品でした。 【ぴのりん】さん 10点(2003-05-30 01:39:04) |
3.美しい。きれい。そんな言葉で片づけたら失礼な逸品。エロディ・ブーシェにももれなくイチコロされます。露出狂・スタン先生のぼかしが気になるところですが(ぼかされると逆に後ろめたい)、あの、コートちらちらアクションは秀逸。真似してはいけません。 【クー】さん 7点(2003-03-23 08:55:21) |
2.ミニシアター単館上映で7回も足を運んだのはこの作品だけです。まったくもって無駄のない作り、芸術映画としては至高の一作。たけしブルーの原点はここにあるのではないか、そう思わせるほど青が美しい。はっきり言ってコレの良さが分からない人は、ハリウッドのアクション映画でも見てなさいって感じ。スカトロジーダンディズムを記した彼ならでは、映画史に残る名作であり珠玉のくだらなさを合わせ持つ。音楽もシンプルかつ美しく、同じ旋律がシーンによって様々な表情を浮かべる。心が洗われるようなイノセンス、そしてデカダン。かならず見るべし。 |
1.セルジュ・ゲンスブールお得意のロリータ・エロ部門です。醜く老いてしまった英語教師のオヤジが目を掛けていたナターシャ(だったっけナ?)の魅力にハマってしまうという内容。これといってエロエロってことは無いんですが、カメラワークにロリータコンプレックスをひしひしと感じさせてくれます。正直主役のオヤジさんのマントをひらひらさせて見せる裸体には失笑と吐き気を催しますがその滑稽な姿に哀愁を感じずにはいられませんでした。冷め切った夫婦関係に、言う事を聞かない生徒、そして生きる目的も無い。その悲しさが全編ブルーのバックに表現されています。エロディ・ブーシェ(エロディって名前からしてエッチ)の小悪魔的な魅力を出したいのでしょうが(特にオープニング!)、ストーリーに関わるほど何をするでもなくイマイチ彼女の良さが伝わって来ません。そしてどうも全編漂うムンムンとした雰囲気は苦手です....ホント、監督の趣味で撮りよった作品です。劇中主人公が言っていた通り「男は拳銃で自殺し、女は睡眠薬で自殺」。おそらく冷め切った夫婦も実は冷めたのではなく、ただお互い愛情表現が苦手だったのでしょう。 【さかQ】さん 5点(2002-04-16 05:31:14) |