221.《ネタバレ》 一番気に入っているのが第2の犠牲者のシーンの映像美。
署長中心にカメラは回りますがどの角度からでも少年のゴムボートが確認できます。
大きい男で海の向こうが見えなくて見ようとする、話しかける女性に愛想をしながら海を見る。
やるせない表情で沖を見る署長の時間が過ぎ行くのが前を行く人の脚でわかります。
惨殺される瞬間の映像はグロくも残酷でもなく怖いほどの映像美です。
久しぶりに見て気づいたこと。
船の羅針盤?には、「ロレンス」
サメ違いの捕獲サメの腹の中から「007」のナンバープレート。
あと、ロバート・ショウが食われる前の夜に流れ星をふたつ発見しましたが・・
特にR・ドレイファスの酔った表情がいいです。
コメディとしても優秀、署長がサメに急接近しておびえているのに、
学者は必死で写真を撮るのです(大きさを測りたい)って!
タルがひとつづつ持っていかれるアイディアはなかなかで、
その後のセリフが「船が小さい」これはもう完璧ですね。
3人が酔いつぶれ酒盛りするシーンもいいです。
漁師と学者が傷の比べあい自慢をしもりあがるも、
おとなしい署長は加われず傷を探す(盲腸の)これはいいです~
漁師の過去の話で広島が出てきますがこんなに前から日本ネタだったんです。
軍の秘密でSOSができない・・そのセリフはその後無線をぶっ壊す行動に。
そして救命胴衣や酸素ボンベネタ、登場人物にその後を語らせる手法です。
終わりはタルに(本当に小道具の使い方がうまい)つかまり泳いでゆくふたり・・
血を見て別のサメが追いかけてきたらどうするんだ?と思いませんか??
スカッとした「地獄に落ちろ化け物」のあとでこのなごやかな意味深なシーン、
これは完璧な映画ですから見飽きたからといって10点以下はありえません。
ジョン・ウィリアムスの単調でいてサメ登場の恐怖を盛り上げる音楽、
これもすばらしいです。
この仕掛けにはトリックがあり、パブロフの犬と化した観客はスコアが流れるとサメと思い込む。
流れたあとにサメが登場しないシーンもあるのです。
逆に流れないから現れないというお約束を作りながら、
急に現れたシーンもありまして(署長がエサをまく後ろ)この後なぜか笑えます。