★9.映画というのは人物や事柄を深く掘り下げてリアルに描くものと絵的な美しさやイメージ、スターの魅力で見せるものなどいろいろありますね。この作品は絵的な美しさ、スカーレット・ヨハンソンの魅力が大きい作品ではないかと思います。スカーレットの真っ白できめ細かな肌とポテっとした赤いくちびる。かなりエロチックです。私が最初に感じたのは「品よく官能的な作品」です。正直言うと贔屓のコリン・ファースのセクシーな仏頂面が堪能できますのでそれだけで点が甘くなってしまうのですけどね。フェルメールとグリートのからみのシーンは全てラブシーンのよう。どなたかも仰っていますが、髪を見せるシーンと耳に穴を開けるシーンが象徴的ですね。そしてピーターに身を任せるグリート。もちろん彼女はフェルメールのことを想いながら、だったのよね。彼女は自分で意識しなくてもわりと罪作りな子で、一部の女から疎ましがられるのでしょう。唯一人物がよく描かれていると思ったのはフェルメールの奥さん。子どもが6人、7人目も懐妊中というのにしっかりオンナでしたねえ。そうそう私もピーターと、これまた贔屓のジョニー・デップが重なり気味でございました。そして小悪魔的なフェルメールの娘には「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」の時のキルスティン・ダンストを思い出させられました。あの子は「アザーズ」でニコールの娘役だったわね。大人になってもそのミステリアスな雰囲気をなくさないことを願うわ。ホワ~ンと優雅な気分に浸れた作品でした。 【envy】さん 7点(2004-05-26 12:06:09) (良:1票) |
8.貧乏な家の少女がある芸術家の家に奉公に出る。その出自故、差別され、いびられはするが、やがて、その芸術家に才能を見いだされる。そんな二人に嫉妬し、周囲の目はさらに厳しくなるのだが…。■というわけで、この映画、実に真っ当なメロドラマ、昼メロ、通俗、大映テレビでキョンキョンがピアノ引いてたの、「エースをねらえ」、なのだが、この演出家はどうも妙な野心があって、ゲージツに仕立て上げようと、すかした演出を施します。■そのあげく、物語の細部はよくわかんないし、泣かせどころとおぼしきシーンでも泣けないし、かといって芸術映画になるには、その才能も技量もない上、ゴダールの「パッション」を一度でも見ていたら、こんな演出しないよなぁ、こんな映画恥ずかしくて撮れないよなぁ、と「映画」センスも皆無。■と、実に中途半端な映画なのだが、お話は通俗メロドラマなので私はとても楽しめた。プロデューサー、あるいは脚本家は、こーゆーチンピラ監督に演出を頼むのではなく、増村保造、川島雄三あたりに演出を依頼すべきで、あ、亡くなってるか、じゃ、極東のアルチザン、澤井信一郎に演出させるべきなのだ、こーゆーのは、きっと。 【まぶぜたろう】さん 1点(2004-05-17 22:45:33) |
7.《ネタバレ》 髪を見せないというのがこんなにセクシーなことだとは!!スカーレット・ヨハンソンの半開きの口に合わせて自分もずっと半開きだった。彼女の画家について知りたい気持ちには激しく共感してしまう。知るは楽しみなりと申します。これだけ説得力のあるフィクションならベストセラーになるのもうなづける。でもなんで真珠が必要なのか?何度か見ないとわからないのかな。それにしてもピアス痛そう。。ブルブル。。奥さんがあまりにも不細工なので「なぜ私じゃないの!!!」と言われた時、返事がのどまででかかってしまった。 |
6.グリートにとって髪を見られるのは裸体を見られることであり、耳に穴を空けられることは処女を奪われることである。となると唇をなめさせられるのは、いわばオナーニを強要させられているようでハアハアw..(失礼)。 彼女にとってピーターはフェルメールの代替品でしかなかった。キリアン・マーフィーはジョニー・デップを意識した演技をしているが、それが全然決まっていないばかりか逆にキモい印象を与えてしまっている。 貧乏家庭に6人の子供では生活が大変である。コーネリアは早くもグレ始め、矢口真里にそっくりな顔と性格になってしまっていた。将来が不安である。 「髪結いの亭主」のエドゥアルド・セラの撮影は今回も色調にこだわった。光と影に固執し、全体的に落ち着いた色彩の中で、唯一デフォルメされたラピスの青がとても眩しく印象的だった。 【デヘデヘ】さん [映画館(字幕)] 8点(2004-05-06 17:50:17) (良:1票)(笑:3票) |
5.フェルメールの絵画の雰囲気が要所要所に出ていて凝った映像の映画だ。フェルメール役は寡黙だが周りを威圧する雰囲気があり、役作りが良く出来ている。ストーリー的にはテーマがはっきりしていないので少々退屈かもしれない。もっとストーリー中に真珠の耳飾りを登場させ、ご主人と女中という超えられない壁を真珠の耳飾りが貫くというテーマを設定した方が話が締まると思う。 |
4.《ネタバレ》 オイオイ、いろんな映画情報で高得点だし期待したのがまずかったね。。。メイドの彼女はとても美しく最高の素材。それを観るだけで満足だけどさ、、面白くもないなら、もう少し古典絵画のお勉強になるようなこと入れてくださいよ。 【レンジ】さん 5点(2004-05-01 00:11:44) |
3.セリフの少ない絵画のような映像から静謐なエロチシズムといった雰囲気が漂い息を詰めて見入ってしまった。ロケーション場面を含めまるで絵を見ているように美しい。映像から17世紀のオランダにタイムスリップしたような気分になり、スカーレット・ヨハンソンはまるで絵から抜け出てきたように違和感がない。名作とまでは言わないが佳作だとは思うし、私としては絵にまつわるこんな美しいフィクションを見られただけでも満足。物語の後で 本物の絵の中の少女の瞳と半ば開いた唇を見ると何か語りたげに見えてくる。 【キリコ】さん 7点(2004-04-28 18:56:19) |
2.17世紀オランダ、美術や衣装、光と影、実に絵画的でお美しいんです。雑誌のレビューでも映像美の評価が高いですねー。しかし、私はカメラワークがどうしても気に入りません。手元のアップや人物のバストアップが多いし、ワンカットの中でのフォーカス移動やらなんやらかんやらやたらカメラが動きます。この作品の静謐感、官能性を感じるためにもっと引きのショット、落ち着いた映像が見たかったです。しかし、嫁よりも姑よりも、あの子供、こわー。 【彦馬】さん 6点(2004-04-25 19:25:43) |
1.とてもストレートでその時代が良く表現されているんだけれど、ストレート過ぎてひねりがない感じ。ストーリーに引き込まれるだけのおもしろさはあるけれどもう少し何か欲しかった。ただ、セリフではない表現性が強く、表情やしぐさによる表現が素晴らしかったと思う。絵画を見るときにこういう背景があって描かれたのかもなぁ…と思いながら見ると新しい絵画の魅力に出会えるなと思いました。 【とむ】さん 5点(2004-04-11 01:22:14) |