4.《ネタバレ》 南部のどろりとした世界に沈んでいく民主党議員候補の青年弁護士ジェームズ・スペイダー、ただ全部がもつれ合って沈澱していくんじゃなくて、主人公は最後は正義の人になっちゃうのがつまんない。せっかくJ・スペイダーがやってんのに。パイパー・ローリーは不気味だが、ジェイソン・ロバーズの演技が明確すぎて、おそらく作者が狙ったものと合ってなかったんじゃないか。この監督は『ツイン・ピークス』をプロデュースした人だそう。こういう雰囲気としてのミステリーが、流行りだしたころ。もちろん小説で一番イキる謎解きのミステリー映画はつまらないわけで、ちゃんとした映画人なら映画ならではのミステリーってのを模索してると思うんだが、才能が追いつかないと雰囲気だけが先行してる環境ビデオみたいなものに堕してしまう危険もあるわけだ。