22.イアン・マッケランがリアル同性愛者というのは鑑賞後に知りました。ブレンダン・フレイザーに対する目つきは「あっ、この人は」直ぐ分かるもので、流石の名優ぶりですが、演技か素か、個人的に嫌な感じがしました。傑作「透明人間」「フランケンシュタイン」のジェームズ・ホエール監督の老いの苦しみが描かれていますが湿度の高さに辟易させられた作品です。 |
21.《ネタバレ》 「〝フランケンシュタイン〟は死を扱ったコメディだ」とホエールは言います。 だから、映画を見たら笑ってほしかったのだそうだ。 〝ヒトの死〟は尊厳あるものとされているので、ホエールのバックグラウンドを知らなければ単に掟破りなやりすぎマンということになる。 が、〝ヒトの死〟を戯画化しなければやっていけないような経験が彼にはあって、それはもう、そんな経験をしてしまったら冗談でも言わなければ発狂してしまうよ、というような凄惨なものだった。ヒトは精神的に追い詰められると、冗談で回避しようとする生き物なのかな。 金網に引っかかったまま腐っていく戦友から、〝フランケンシュタイン〟が生まれた。 凄まじいなあ。 全体的に「収束の美学」みたいなものを感じました。「拡大」の時期がとうに過ぎ、人生の終わりのほうで、風呂敷を畳んで、大事な荷物を捨てて、去る時期が来たことを知ったとき。どのように去っていくか。どのように去りたいか。 ホエールは脳卒中による幻覚に悩まされるようにならなければ、もっと別の去り方をしたかもしれない。 コントロールできない幻覚の内容は、彼にとって耐えられないものばかりだったので、どんなに辛かったかと思う。思い出したくない過去のシーンを、いつなんどき見せられるかわからない状態は、拷問であろう。 庭師とホエールの関係がいったいなんであったのか、ラストの映画中映画シーンで示される。感動的…といえるかもしれない。 しつこくエンドロールを見ていたら、ホエール作の絵画(の本物)をジョエル・コーエンに借りたと書いてありました。…なんでそんなもの持っているんだ。アトリエにあった絵画の何点かはホエールが書いた本物ということです。 【パブロン中毒】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2011-02-18 13:52:57) |
20.《ネタバレ》 自分にはその気はないのですが、ゲイが絡む映画には心を揺さぶられる傑作が多いから困っちゃいます。引退したホモの映画監督ホエール、若いムキムキだけど頭はカラッポの庭師、ホエールに15年仕えているが彼の性癖は嫌悪している信心深い老家政婦、この三人でほとんど物語は進行してゆくので舞台劇を観ているみたいな感覚です。リアル・ホモのイアン・マッケランは複雑な人格のホエールを繊細に演じきっていて見事です。「神」と「怪物」は『フランケンシュタインの花嫁』からの引用なのですが、実はどちらもホエールの内面を表すキーワードなのでした。つまり“ゴッド=モンスター”というわけなのですが、戦争で心に傷を負った過去の回想も交えて、観ていてほんと切ない気持になる素晴らしい脚本だと思います。そして家政婦を演じるリン・レッドグレーブの演技も実にいい。彼女は昨年亡くなりましたが、父マイケル・レッドグレーブもホモだったそうで、「父は罪深い人だった」とインタビューに答えています。まあ実人生のリアルな経験が映画の役柄に直結していたわけで、彼女の生涯最高の名演に役立つとは何とも皮肉なもんですね。タイトル・バックはフランケンシュタインの怪物の影絵の様なアニメーションですが、ラストにこの怪物の正体が判って「なるほど!」と唸らされました。 【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 10点(2011-02-11 20:30:27) |
19.いろんな人間模様や人生の深さなどをたっぷり味わわせてくれる作品かと期待していたのですが、予想に反して、ボソボソした平坦な会話がほとんど最初から最後まで続けられるだけの内容でした。イアン・マッケランの存在感だけでもっているような作品。彼に5点。 【Olias】さん [DVD(字幕)] 5点(2007-09-26 23:51:54) |
【H.S】さん [ビデオ(字幕)] 4点(2005-12-22 21:26:22) |
17.《ネタバレ》 観終わったあと何とも言い知れぬ感情を覚えた。ありふれた感動とも異なる表現しにくい感情を覚えた。この映画の本質を捉えるのは難しいかもしれないが、非常に「味」のある映画ではないだろうか。 解釈は人によって異なるとは思うが、自分が感じたことを色々と書きたい。 まず、なぜジミーは自殺したのかという点。 「ジミーは脳に障害を持ち正気を保てなくなる前に死を望んだ」という動機は誰でも理解できる。ただ、なぜ睡眠薬一気飲みをためらったのにプールで水死したのか。 それはジミーが「孤独な怪物」のままで死にたくなかったのではないかという気がする。クレイとのやり取りの仲で芽生えた「友情」と言ってよいのか分からない「二人の奇妙な関係」があり、また、自分のために裸になってくれる友、自分のために服を脱がせてくれる友ができ、「孤独な怪物」では「一人の人間」として死ねるからこそ、「死」という選択ができたのではないか。クレイが第一ボタンを外したあとのセリフ「あとは自分でやる」というのは、残りのボタンのことではなく「死」に関してのセリフと受け取った。 また、プールには色々と思い出が詰まっていたからなのだろう。 そしてジミーとクレイの関係。 個人的には、ジミーもクレイも「孤独な怪物」と感じた。その「孤独な怪物」を救ったのもクレイとジミーという「人間」だったようにも映った。孤独な人生から、死という救いへ導いたのはクレイであり、真っ当な人生を送れるように家族を作ろうという気にさせたのはジミーである。二人は互いに互いの人生を変えることができた。映画での二人の関係は非常に興味深い描き方がされている。 この映画の勿体無いところは、「同性愛」という面が目立ってしまうためにやや本質が捉えにくいのかもしれない。テーマとしては、友情、家族、反戦、尊厳死、人生、生き方など実に多くのことを詰め込まれた深い映画だと思う。 ジミーを演じるイアンマッケランがガチンコの同性愛者であり、それゆえ演技が抜群であることが映画に微妙な効果を与えている。 演出も相当に凝っており、他の役者の細かい演技や細かい部分(クレイには本当に盲腸らしき後がある)、音楽も素晴らしい。まさにプロの仕事だと思う。 【六本木ソルジャー】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-08-20 12:36:04) |
16.おもしろい映画だった。老人自身がフランケンシュタインだったのだろう。同性愛者より戦争被害者であったことが悲劇であり、そこから逃れられないにもかかわらず生きていくことの辛さを描いた作品だと思う。脚本も良いし、映像もきれい、名作だと思う。 【ぼぎー】さん 8点(2004-05-08 18:17:38) |
15.老人になってもここまで貪欲で過去に縛られるものかと思った。 ビデオがホラーのコーナーに置いてあった。(ビデオ) 【zero828】さん 8点(2004-03-04 22:00:15) |
14.タイトルの「ゴッドアンドモンスター」は人間の二面性を表しているんでしょうか?とにかく映像が良かったです。ラストシーンの映像美には感涙しました。おススメはしにくいですが、ヨーロッパ系の映画が好きな人には好いかもしれません。ついでに「フランケンシュタイン」を見てみたのですが、とても哲学的で面白かったです。こちらも併せておススメします。 |
★13.映画界の内情ぶっちゃけ話とか戦地の話が興味深かったです。 ほんと服を脱いででも聞きたくなるくらいに(笑) 実際にいろんな御老人に昔話を聞きたくなってしまいました。 【コチョレ】さん 8点(2004-03-02 06:34:17) |
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12.ブレンダン・フレイザーってハムナプトラでしか見たことなかったから意外な感じだった。まるで「フィラデルフィア」のバンデラスのような感じだった。ストーリーはちょっと退屈な感じあるけど色々考えさせられる感じ。ラストシーンがちょっといい感じ。 【バカ王子】さん 5点(2004-02-03 03:29:24) |
11.メイド役のリン・レッドグレーブが好演。御しにくい孤独な老人はこういうふうに対応してあげなくちゃね。家政婦協会の人に見て欲しいよ。 【mimi】さん 6点(2004-02-01 16:53:42) |
10.《ネタバレ》 年取って孤独は寂しいな。あの時もしブレンダンフレイザーが受け入れてたら自殺しなかったのかな?振られたから前の恋人が恋しくなって旅立ったのかな?う~ん・・・ 【まおあむ】さん 5点(2004-01-29 20:09:39) |
9.ホラーって書いてあったから、ホラーのつもりで身構えてみてたんだけど、これはホラーじゃないですよね?先日サスペンスだと思ってみた「メキシカン」って映画がやっぱりずっこけたんだけど。。これは、ドラマです。実話みたいですね。そのずっこけをなかったことにすれば、イアン・マッケランが本当に脳に異常がありそうで良かったです。(X-MENのマグニートーでファンなので)実際ホモだということで、リアリティありました。男の人はブレンダンに感情移入すると襲われそうで怖いのか?(ホラーなのか?)と夫に聞いてみましたが、怖くなかったそうです。アカデミー賞もとった映画に低い点つけるのは、芸術的センスがないのを認めるようで気が引けるのですが、人に勧める気分にはなれないので6点(すみません) 【kithy】さん 6点(2003-12-15 17:06:40) |
8.作品を味わえば、タイトルの真意は良く伝わってくる。しかし、タイトルに惹かれて観た場合は肩すかしを喰らうのではないだろうか。そう考えると、このタイトルは失敗のような気がする。出来としては、マッケランの苦悩が痛いほど伝わり、ラストは切なくなる。プロットにも迷いがなく、運びが自然でよい。 【恭人】さん 7点(2003-11-26 17:26:47) |
7.じっくり見ると最高です!ただえさえ切ない作品なのに、音楽がさらになんとも言えない切なさを際だてます。ホモの件については、ただ庭師を挑発するためのタネだと思った方がいいと思います(ストーリーにはあまり関わらない)。ラストシーンで解釈によっては泣けますよ。 【だいすけ】さん 10点(2003-06-20 21:36:20) |
6.ゲイの気持ちはよ~解からん。映画もイマイチ入り込めず。だけどイアン・マッケランの顔がしばらく頭から離れんかった・・・。 【代打、八木!!】さん 5点(2003-04-19 09:39:16) |
5.イアン・マッケランがすっっっばらしー!演技がどうとかってあんまりわからない私でさえもスゴさが良くわかる。老いていく孤独な老人の心の中を悲しく綴った物語で、彼の思いが痛いほど伝わってくる。ラストでクレイが“老人の願うモンスターになれなかった自分”や老人の事をやさしく思い出して、雨の中をモンスターの真似ごとをしてふざけるシーンが全体の暗さをやわらかくしていてホッとする。何度見てもあきさせない映画だ。 【チョリリ】さん 10点(2002-10-20 02:51:33) |
4.ちょっとこの手の映画の真髄って今一つ見えてこない面が正直言ってあるんだけど、この映画はよく出来ていると思う。実生活でもそうなためにイアン・マッケランの芝居が特に秀逸で、エネルギー溢れる青年をブレンダン・フレーザーが大熱演。この2人の演技合戦を観るだけでも価値があると思うし、第一、一つ一つのシーンがキレイだ。殊にラストシーン直前のプールのショットの美しさときたら、この上ない至福の瞬間です。 【チャーリー】さん 7点(2002-01-20 19:01:50) |
3.そうだ、この雰囲気は「ドレッサー」のような感じなんだ(暫くして思い出した)。舞台の二人芝居を観ているよう。戦争の傷跡と異端な才能、そして自らの性(さが)に苦しむ孤高の老人が、生を具現したような若者に救いを求める。ブレンダン・フレイザーって「ハムナプトラ」の前にこんな映画に出てたんだ。因みに、この映画の主題はゲイではなくって「生」です。派手じゃないけどすごく良くできた映画なので、7点献上。 【sayzin】さん 7点(2001-08-13 00:15:09) |