6.《ネタバレ》 妻投稿■物凄く素朴な疑問として、こういう拷問で手に入れた情報って価値があるんだろうか…と思う。こういう取り調べてあげられた証言って、ここから出たいばかりに尋問兵士の「納得する答え」をそのとおりに言ってしまうものなんだから、こんなんでテロリストのアジトやメンバーなんてわからないような気がするんですけれど。■でもこれを見ていると、囚人たちの極限状態はもちろん、看守側の米兵たちの、強いては米国社会の声が聞こえてくるような気がする。「お前たちは悪い奴なんだから、楽な姿勢でいる権利はない」「隣の人に話しかける権利もない」。なんというか、アメリカとそれに追随する国や社会…そうじゃない社会もそうなんだけど、憎む相手を必要としているんですよね。そうして作り出した「悪い奴」の人間としてのおしゃべりや食事、排泄、宗教、運動を全部支配下においてしまう。看守の「テロリストの名前を言え」というのも「お前たちは俺たちが必要としている悪役なんだ」という言葉の倒錯なんじゃないかと思えてきちゃいます。■ただ冒頭のアフガンで捕まる場面は、無謀。危険地帯を行き当たりばったりで移動するのは、一番やってはいけない事です。 【はち-ご=】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-08-10 01:35:38) |
5.長期に渡って行われる拷問や、不当でアナログな取調べ。あのやり方では最後まで認めないことができる人なんていないだろうし、心身ともに疲弊させて発させた言葉を、事実として扱う軍に恐ろしさを感じる。 と同時に、危険な土地に行くときは、十分な予備知識を持ち常に警戒しておくぐらいじゃないといけないと学んだ。 【チートイ】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2010-02-12 12:07:11) |
4.前半はいつ捕まるのかな、いつ捕まるのかな、と見てたのに後半の米軍の拷問の実態は「今も変わらないのか・・」の一言です。リアルさをとことん追求した映像美はほんと、凄いです。冤罪を晴らすために2年以上も収容されて発狂しても自分自身を失わなかった彼らに拍手を送りましょう。 |
3.《ネタバレ》 前半はロードムービーのひたすら移動する映画。母国に戻ると下痢をしてしまうぐらいヨーロッパになじんでいたパキスタン系イギリス人の若者たちが、異国見物のようにめぐる祖国と隣国アフガンの光景。外からの客の視線で見ていたはずの戦争なのに、いつのまにかタリバンにリクルートされ、北部同盟に捕われ、アメリカに当事者アルカイダとして引き渡されていく展開の臨場感がすごい。で後半は捕虜としてひたすら運動を禁じられる世界。金網の監獄なので外からは常時見つめられるが、こちらが米兵を見ることは厳しく禁じられる。だからラスト釈放されたときに、移動するバスの窓からグアンタナモの街を、米兵の禁止を断固拒否して「異国見物」する主人公の姿が感動的だ。 【なんのかんの】さん [DVD(字幕)] 6点(2007-10-01 12:27:33) |
★2.実話を基にしたセミドキュメンタリーといっても良い作品だと思います。 911に端を発した対テロ戦争においては日本も当然この戦争を支持し、「こちら側」からの情報でしかこの戦争を知ることは出来ませんでしたが、皮肉にも英国市民が巻き込まれたことで、相対するアフガンの視点からこの戦争の一面をあぶり出すことになりました。正義と人権を重んじる先進国であるはずの米国は、アフガンの地で逃げまどう市民から見れば空から爆弾の雨を降らせる悪魔以外の何者でもありません。そしてもし彼らが囚われなかったら、これも皮肉ですがこの捕虜収容所の実態が暴露されることも無かったかも知れません。 戦争を扱う映画には必ずもう一つの、相対する敵側の視点を考慮しない限りは単なるマスターベーションかプロパガンダ映画になってしまう危険性があると思いますが、本作はそう言う意味では「西側世界」では聖戦とされてきた対テロ戦争の「向こう側からの視点」を見事にあぶり出していると思います。 【ロイ・ニアリー】さん [DVD(字幕)] 7点(2007-09-09 21:05:22) |
1.観てるこちらまで発狂しそうになりました。何かに似てるな~とか思いながら観てたんですが「それでもボクはやってない」と似た感覚かも。テロリストに脅え、正気の沙汰とは思えない行動をとるアメリカ軍と、それに巻き込まれた事によって恐怖を乗り越え強くなっていく若者の姿の対比が光ります。 |