10.《ネタバレ》 今更ながら思うが、初めのラドカンパニーの緑色のロゴから、エンドロールでヴァンゲリスのテーマが終わるまで117分が全てパーフェクトな作品。これを見返すと最近のSFがいかに頑張ってないかが分かる。レプリ側の心情で観ると本当にやるせないし、彼等の反乱は同情にも値すると思うし、命の恩人でもあるレーチェルに恋するデッカードもまた、ブレードランナーという職業に反乱を起こした事実を仕方ないと思えてしまう。タイレル社長の殺される時の流血、夢の中のユニコーン等、残して欲しい所は全てあったし、25年経って名作は伝説になったのだなと実感した。何より映像が物凄く綺麗になっていて、美術や特撮を行ったスタッフも本当に報われている。どことなく機械的な動きをするハリソン・フォードも実はレプリだったデッカードを熱演。その他ルドガー・ハウアー、ショーン・ヤング、ダリル・ハンナも素晴らしい。スシマスターのロバート岡崎の「分かってくださいよー」の逆ギレ具合も何度観てもご愛嬌。ワークプリントで観る事ができる盛り付けの黒海老は、ボリュームがあって確かに2つで十分だが「ブレードランナー」という壮大なSFオペラは何百回見返しても新たな感動があり、これで十分という天井が無い。15,000円出す価値はあります。 【まさかずきゅーぶりっく】さん [DVD(字幕)] 9点(2008-01-06 18:10:15) (良:1票) |
9.92年のディレクターズ・カットは劇場で観ましたが、こちらは初見。去年暮れに発売された待望の4枚組購入しちゃいました。デジタル処理のおかげか随分と細部まで綺麗になっていたのに驚嘆。 この作品にはかなり思い入れがあります。元来SF映画自体が大好きなジャンルなのですが、この作品はテーマもさることながら、ヴァンゲリスの重厚かつ繊細な音楽、設定細部まで拘った未来世界のどれをとっても素晴らしいですよね。リドリー・スコット御大のイマジネーションと巧みな演出が如何なく発揮され、そしてシド特有な美術センスが見事に融合。まさに至高のSF映画だと思ってます。 クオリティー高いCG全盛期の今と比べちゃ野暮ってもの。他のSFと違うのは、この作品には言い知れない「わび、さび」という点を感じられる事。そうした雰囲気を堪能できる唯一無二の作品です。 己は何なのか?希望或いは絶望か?自問自答し、心の葛藤に苛まれるデッカード。そしてルトガー・ハウアー演じる人類に反旗を翻した哀愁のレプリカント・ロイ・バッティの圧倒的な存在感。命の儚さ、尊さを教えてくれる、雨にうたれ静かに永眠する姿に感服しました。 「1回で十分だよ」とは言わないで下さいね。リピートすればするほど味わい深い名作。 【シネマブルク】さん [DVD(字幕)] 10点(2008-01-05 12:06:16) (良:1票) |
8.やはり劇場はいい。印象に残ったのは、多くのシーンが”絵”として非常に凝っていて、非常に詳細で、情報が密で、そしてそのなんと綺麗なこと!(マニアが生まれるのももっとも)そしてやはりテーマ!ぼくは結局はレプリカントというのは”人間などの生き物”のことだと。”感情”というシステムを持たせた生体。それなら、レプリカントが、自らの寿命を知ることと、ヒトが病気などで自らの寿命を知ることになんら変わりはない。我々、この世の生命は、有限だと考えられてます。レプは死にたくないよ!寿命が知りたいよ!自分の寿命を知ると、寿命を延ばせ!と”創造主”に反抗、殺害してしまう。われわれ生命を持つものすべてが持つ、死に対する、死後に対する、想像を絶する、恐怖感、そして定め。いずれ消えてなくなる生命なのなら、どうしてわざわざ誕生させたのか!!? というあまりにも理不尽な”創造主への激しい怒り。 しかし、その不条理、疑問の回答というか”代償”として、すばらしいラストを用意してくれますね。最後、死期の迫ったロイが有名なセリフをいいますね。自らの経験し観た、この世の壮大な営みのことを。どこかの惑星でオーロラをみたり、ヒトがみていない光景を見てきたと。そう。われわれ”生命”が生きているとき、さまざまな経験をする。あらゆる場所に行き、あらゆる生命と出会い、五感を使って、あらゆる経験をする。生命のその一瞬、永遠壮大で、輝かしくも、はかない”全生命の確実に生きた証”ですね。 でも、足りない。経験し足りない!もっと!欲望は果てしない。そして、”生誕”と同様に、”死期”とは常に”個人”のものだ。自らの生命がいままさに消え行こうとしている時にも自分以外の生命は行き続ける!その圧倒的、絶望的な孤独感。悲しい。寂しい。。。。 わたくしは芸術が好きだ!なぜならば、ルールがないからだ。何でもアリだからだ。このラストのシークエンスは本当にすごい芸術だ。。。お前たち人間には信じられない光景を俺は見てきた オリオン座の肩の近くで炎を上げる戦闘艦・・ 暗黒に沈むタンホイザーゲートのそばで瞬くCビーム… そんな記憶もみな、時とともに消えてしまう 雨の中の涙のように・・・。タンホイザーゲート?なんだかよくわからないが、このような奇跡の瞬間を誕生させる!表現するということ!体感すること!ただ、そのためだけに、わたしは無為な日々を生きている 【男ザンパノ】さん [映画館(字幕)] 8点(2007-12-05 01:28:17) (良:1票) |
7.《ネタバレ》 本邦初公開のとき封切り間もないきれいなフィルムで見たが、その後の鳴り物入りだったナレーション無しユニコーンの夢のDC版は、ニュープリントではなく傷あり色あせてがっくりしたものだ。本作の評価はデジタル技術と映画館のバルト9と、それによって再認識したショーン・ヤングの美しさに3分の1は捧げる。前のみなさんも書いている通りの豊かな階調の画面、音響。スーパーの文字の端々までしまっている。ブレードランナーのVFX部分はダグラス・トランブルによる通常以上の高精細度の撮影をされていたのが何らかの事情でお蔵入りになってしまったらしい。それを使用したのか、デジタルでのブラッシュアップのみかはわからない。また、最大限残されていると見える残酷描写も際立つ。細かな修正にもあれっと気づくが大半は気にはならない。バッティの手から鳩が飛び立つシーンの画像が統一されて雨空になっている。そこで当方は旧バージョンでも違和感がなかったことに気づく。ここはすでに一種の心象風景であり、深い青の空に飛び立つ鳩はレプリカントの魂を託されていると見えたからだ。限りなく修正の効くデジタルの意味って…(それを言い出すと、どうせなら「ゴルフ月品」を「用品」にしてほしかった。なぜ歓楽街に『烏口』なのか? ときりがない…)そんなこんなを含めていろいろ考えさせるし、また頭を空にして見る快楽に身をゆだねることもできる。新作よりももう一度見に行きたい… 【hatoya】さん [映画館(字幕)] 10点(2007-11-29 16:00:21) |
★6.本作を劇場で鑑賞するのは初代オリジナル版が公開された1982年以来です。 25年を経た今、同じ新宿で「ファイナル・カット」を鑑賞できるとは感慨深いものがあります。 映画の内容については余りに語り尽くされているので申しますまい。 今回何よりの収穫だったのはDLP方式での上映であったことです。 名前は聞いていましたが、実際この方式で映画を観るのは初めてでした。 ひと言で言って驚愕の映像、音響です。 本作のあとに「続・三丁目の夕日」を別の劇場で、通常のフィルム上映方式で観たのですが、こちらが最新作にもかかわらずあまりの品質の差に驚きました。 DLP方式で観るブレードランナーは、画面揺れゼロ、ゴミ、傷がひとつもない、フィルム粒子一粒一粒まで認識できるほどの解像度、暗部の豊かな階調、クリアでダイナミックな音響、これが25年前の作品とは到底思えない品質です。 そうして体験する2019年のロサンゼルス。画面のあちこちに新たな発見をすることになります。「もう何十回も観たよ」という人ほどあらためて劇場で観た方が良いと強くお勧めしておきます。 【ロイ・ニアリー】さん [映画館(字幕)] 10点(2007-11-29 01:35:14) |
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5.バージョンごとに細部でどこが変更されたか分からない程度のファンでありますが、15年前にディレクターズカットを新宿東急で観た時、この作品を劇場で観る価値を知った。そして今回のDLP上映の美しさ。古さは全く感じられない。映画館で映画を観る喜びをこれほど堪能したのは久しぶりだ。少なくとも、あと25年この作品は古びず、生き残るであろう。しかしそれは過去の作品を超えられない映画界の危機を意味しているかもしれない。 【どっぐす】さん [映画館(字幕)] 10点(2007-11-27 01:21:49) |
4.今更何も言うことがないでしょう。死ぬ前に劇場スクリーンの大音量で、しかもデジタルで鑑賞できたことが心から嬉しい、こんな作品ない。 2019年のカオス化したL.A.、リック・デッカードとロイのハードボイルドさはまったく古くない。ヴァンゲリスが素晴らしい。 ナレーション付きのバージョンみても訳がわからなかった新宿での25年前の小学生時代から15年前のディレクターズカット版での感動、ビデオ、DVDと今まで何百回とみてきた家庭の環境とは、この年齢になって今回の想い入れはまったく違います。 できれば様々なたくさんの若い人にこのホンモノを生で見て欲しいですね。公開終了まで可能な限りバルト9に足を運びます。目と耳と心に焼き付けておきたい作品。 【★ピカリン★】さん [映画館(字幕)] 10点(2007-11-26 13:14:17) |
3.《ネタバレ》 まずは映画館のスクリーンで鑑賞できた事に感謝。酸性雨の降りしきるロサンゼルスはやはり映画館の暗闇の中でこそ生える。ヴァンゲリスの音楽も効果的。監督リドリー・スコットの望んでいた「SFのハードボイルド」は十分表現出来ている。そしてこれはデッカードではなく、レプリカント=ロイの話。まぁこの映画から影響を受けた作品が漫画やアニメ、文学に限らずどれだけ溢れていることか。ちなみに私、モノローグの入る最初のバージョンも好きです。 【Nbu2】さん [映画館(字幕)] 8点(2007-11-25 21:42:31) |
2.本日観て参りました。 スタッフロールを最後まで、この映画が大好きな皆でじっくり鑑賞したという感じでした。こんなに観客に一体感があった映画は始めて。若干2名ほどが席を立った以外、誰もスタッフロールで動かないのは感動でした! 大きな変更点はなく細かい手直しだったのは、昨今のリメイク作で感じる違和感がゼロで嬉しかったです。 リドリー・スコット大好き。 【kiryu】さん [映画館(字幕)] 10点(2007-11-24 23:31:32) |
1.今までにビデオ、DVDで何度も観てきた映画なので、内容については何も言う事はありません。この映画を劇場で観るチャンスが出来た事にただただ感謝致します。DLPでしたので、音響や映像も素晴らしく、この映画に秘められた重く悲しいテーマと共に体に響いてきて、映画終了後しばらく席を立つことが出来ませんでした。他の観客の皆さんもおそらく同じ思いだったのでは?3連休の真っ只中で劇場も大変混んでいたのですが、エンドロールで帰る人がまったくいませんでしたね。これも初めての体験でした。ロイの最期のセリフが頭から離れないです。25年前に作られたことが本当にスゴイとしか言いようが無いですね。 【三毛たま】さん [映画館(字幕)] 10点(2007-11-24 21:35:16) (良:2票) |