1.偵察隊のメンバーが単発で狙撃されていく際の簡潔であっけない音響が逆に怖い。
隊員達の間で交わされる対話は、故郷の家族のことであったり、
マレーシアの思い出であったり、12時間後に祖国英国を照らすだろう月の
美しさであったりするが、それらの回想場面は一切入ってはこない。
映画はひたすら現地現在進行形で進み、観客は俳優の表情や語りから
その会話内容に思いを馳すことになる。
が、この人数でこの尺ではやはり無理があったか。
隊員個々のプロフィール描写も淡白にならざるを得ない。
砂漠に立てられた6本のサーベルの墓標も、欲をいえば逆光で撮って欲しかったところ。
やはり相応の尺を獲得してこそ、『七人の侍』の墓標は強烈な
イメージとなったのだろう。