12.ラストの悪魔の微笑みがなんともいえない恐ろしさ。こうまでなれるってある意味すごい。 【ほとはら】さん [DVD(字幕)] 7点(2018-06-30 17:02:52) |
11.なかなか良い映画だと思います。 確かに非情な主人公ですが、多少極端なだけで、親やパートナーからの非難に対して「みんなやってることでしょ」と言う主人公はこの「自由社会」の象徴とも言える人物に思います。 搾取した人たちに暴力を振るわれるのは、力の応酬、権利の奪い合いであり、ある意味「競争」の一環であり、原初的な見本例でしょうか。 万人の万人に対する闘争状態を抜け出すために考え出されたはずの「法」は、弁護士の費用すら出せない者には何の意味もない。彼らに頼れるのは己の腕力のみということでしょうか。 |
★10.《ネタバレ》 最後まで改心することなく守銭奴の度合いが増してゆくアンジー。どれだけ恥知らずで薄汚い行為も大義名分をつけてやってのける事の「自由」さを見せられ、そうまでして溜めこんだお金が愛息の幸せにつながらない光景が思い浮かび、暗澹とさせられます。 |
9.重かったです。自分に当てはめてみるのも怖いくらいですがやはり欲ばりがすぎるのはよくないかなとか、考えちゃいますね。子供とひとつ上の階級を求めたいあまり、というところでしょうか。でも今日もどこかでアンジーは斡旋しているのでしょうかね。。 【HRM36】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2012-01-27 17:17:19) |
8.《ネタバレ》 いわゆる新自由主義社会の負の部分を取り上げた作品で、その負の流れが理解しやすくまた現実的なテーマなので見応えがありました。行動的ではあるが普通の感覚を持っていたアンジーがどんどん視野が狭くなっていく様子は恐ろしく、不法滞在者を自分の利のためだけの理由で通報したところは特にゾッとしました。最後により貧しいウクライナに目を向けたところに搾取の深みを見た気がして自由のあり方を考えさせられます。 【さわき】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2011-07-14 22:22:20) |
7.《ネタバレ》 このリアルタイムの社会問題に着目し、しかも主人公を必ずしも善人としていなかった設定のセンスは優れていると思うが、描写そのものはややストレートにすぎ、主人公の内省だけで話が終わってしまった感がある。ところで、日本でも派遣問題や低賃金問題は存在するのだが、切り込もうという映画人はいないのかな。 【Olias】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-06-05 23:17:50) (良:1票) |
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6.《ネタバレ》 ケン・ローチ監督の作品はかなりリベラルよりの視点のものが多く、あまり肌に合わないなと感じることが多いのだが、この映画については、割と偏った感じがしなくて観やすかった。ただ環境と時代に流されていく女主人公の強さや弱さはリアリティがあったし、子供や親との関わり方もよく世相を反映していると感じた。ちょっと甘いラストには不満も残るが、観てよかったと思える作品だった。 【枕流】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-10-23 19:11:43) |
5.《ネタバレ》 よくこんな脚本で賞が取れたなって思う。冒頭、若いイケメンを体目当てに仕事を斡旋する主人公が、セクハラ行為を受けた翌日クビになる展開はよかったが、33歳、シングルマザー、カード地獄という設定の割には、バイク、車、パソコン、事務所、そして起業まで、全てがトントン拍子で運んでいく展開に生活の匂いを感じることができない。 「人材派遣」なんてものは、言い換えれば、ピンはね業で、そんな稼ぎ方をしている人間に「愛」を語る資格なんてあるのだろうか? 観賞中、そこが、この映画の要だと思っていた。そんな、人を人とも思わない経営者が、どういう経緯で価値観を変えていくのか。気まぐれでイラン人の家族を囲ってみたり、どこかで聞いたような親子関係のシークエンスは目を瞑っても、主人公の価値観が終始変化しないのだから、これはもう「ドラマ」と呼ぶことはできない。 衛星放送で似たようなドキュメントを頻繁に観ている私にとっては、こんな上っ面だけ描いた作品は不愉快極まりない。映画にした意図が全くわからない。 2015年11月4日変更 あまりに素晴らしい映画だったのでレビューを書こうと思ったら、自分が上記のような感想を既に書いていたことにビックリ。 この6年の間に私自身の中に何があったんだろうと思った。 主人公の心理にゾクゾクっと来ながら鑑賞した。 初回のレビューでは1点だったが、改めて万点を送りたい。 ケン・ローチ、恐るべし。 【クロエ】さん [CS・衛星(字幕)] 10点(2009-10-11 05:58:06) |
4.主人公の女性は強烈な意思で自らの人生を切り開いていこうとします。そのエネルギーの大きさに圧倒されます。日本人にはとても真似のできない人生です。同時に描かれる海外からの移住労働者の現状や彼らの怒りは将来の日本が抱える問題でもあります。避けがたい事態ではありますが、これをグローバリゼーションの否定的な一面として捉えず、むしろ相互理解への一歩として捉えてほしいと私は願っています。 【きのう来た人】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-09-15 06:30:01) |
3.《ネタバレ》 この人の映画のいいところは、スルッと社会問題の内部に入り込んでいくうまさ。不法移民就労問題なんて、日本のニュースだと、強制送還されてかわいそう、という面と、斡旋業者がさも極悪人のように逮捕されていく場面といった、外部から眺める視点しか持てない。それがちょっと内側から眺めると、複雑な力があちこちからぶつかり絡まりあっている現代の一局面として浮き上がってくる。同情と金儲けで揺れるヒロイン、金儲けと言ったって解雇されたばかりの33歳の彼女にとっては、人生最後の賭けのような気合いが入っている。金持ちのギャンブルとは違う。こういう正解のない問題を、できるだけ解に近づけようと小数点以下二桁ぐらいまで割り続けていくのがローチ作品の偉大さだった。ただ本作は、やや問題を整理し過ぎたきらいがあり、いつもに比べると小数点以下一桁ぐらいで止めてしまった感じもある。自分の手持ちの労働者のために不法移民排除を企てる、ってのは、ローチのストーリーとしては、ちょっと分かりやす過ぎる展開になってなかったか。 【なんのかんの】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-07-28 11:58:45) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 この映画で取り上げられている、移民労働者・派遣労働者の問題は英国だけではなく日本においても問題となっているテーマですので、非常に興味深く観ることができました。とてもストーリーが良く出来ていますので、この手の問題に興味のある方は是非観てもらいたいですね。 自由は素晴らしいものであることは間違いないのですが、それ故に自由を悪用する輩が多いのも事実なんですよね・・・・・。 【TM】さん [映画館(字幕)] 8点(2008-09-11 14:01:13) |
1.《ネタバレ》 社会の歪みの元凶は利潤追求にあるとでも言うように、他人を顧みない金儲け主義の人々の悪行が描き出されています。階級が低くなれば低くなるほど割りを食う残酷社会の中で主人公のアンジーもバイクにまたがりよく働きますが、彼女はケン・ローチ監督がたびたび描く労働者階級ではなく、成上がりであっても一段上で労働者たちを食い物にする搾取する側なのです。そんなアンジーも仕方なしと感じさせてはいますが彼女の表情というものはくすんで見え、それに対するようにポーランド人の移民青年は謝礼も受け取らず、物質的に貧しくも実に爽やかで自然体に見え生き生きと描かれているのです。というところからも本作は、視点が変わっただけでやっぱりどうして労働者たちの映画なのだと思います。無事丸く収まって運営しているように見える〝自由な世界〟ロンドンの裏には、寄るところの無い移民労働者の人々がたくさんいて、彼らは無視できない社会の大きな歯車の一つだという現実を強く訴えているのです。その証拠にラストショットは、再び労働者の斡旋を始めた主人公アンジーの表情で彼女の是非を問うのではなく、冒頭と同じく一移民労働者の不安と期待の入り混じった表情をとらえているのです。 【ミスター・グレイ】さん [映画館(字幕)] 7点(2008-08-25 18:21:59) |