3.《ネタバレ》 まるで中身の無い映画ですね。ここには傾聴すべき物語も、人間の成長も、真実らしき愛も何ひとつ存在しません。加えて、極めておバカな映画です(おバカ、で片付けるには少し深刻に過ぎる気もしますが)。ステレオタイプを更に煮詰めた様なクセの強いキャラクター達に共通する点は唯一つ「非常識」であることです。そんな彼らの愚かしい有様と、そして時折登場する「常識的」なモブキャラが彼らに冷徹に叩き込む控えめに言って致命傷なツッコミ(と、それがもたらす暫しの耐え難い静寂)に率直に爆笑できてしまう私は、やはりどちらかと言えば「非常識」側の人間なのだろうなあ、と思います。
単純に映画としても、前半1時間にも渡ってカッ飛ばしたハイテンポに比して、予定調和な後半は確実にスローダウンしている尻切れトンボ加減も決して褒められたモノではありません。ただし、俳優陣は揃ってかなり頑張っています。特に印象に残ったのは、アラフィフとは思えないキレの有る美貌(+前述通りのバカみたいなハイテンション芝居)を遺憾なく発揮していたサルマ・ハエックですね。ブロスナンも(あくまで個人的には)決して悪くなかったと思います(これもやはり、笑えるかどうかは人による、としか言えませんが)。