79.《ネタバレ》 良い映画だとは思うが、グレゴリー・ペックのアティカスはできすぎ。1930年代の米国南部では、黒人差別は相当なもので人権無視は当たり前であった。映画の裁判シーンでもわかるように、判事や弁護士をはじめ陪審員に至るまですべて白人、黒人は傍聴すら2階席という有様だった。そういう裁判では初めから黒人に有利な判決は考えられなかったのである。 アラバマ州において、黒人の人権運動が起こるのは1955年のバスボイコット事件(黒人女性が白人に座席を譲らなかったために逮捕されたことによる)であり、有名な若きキング牧師の抗議活動もこれから始まったのである。 映画ではグレゴリー・ペックの弁護士が正義で、黒人差別をする側が異端のように描かれているが、当時の状況ではまったく逆であったろうと思われる。であるから、良い映画ではあるが、でっち上げや事実をねじ曲げる米国の正義というものも感じられる。 気になるのは題名、日本名の「アラバマ物語」は何の差し障りもないが、原題の「To Kill A Mockingbird」(モノマネ鳥を殺すには)のMockingbirdは何を指しているのだろうか。何となく不気味なものを感じる。 【ESPERANZA】さん [DVD(字幕)] 5点(2011-04-22 20:02:45) |
78.序盤から子供がピーチクパーチクうるさく、正直言って引いたうえに退屈でしたが、話が進むにつれ徐々に惹きこまれました。 特に、唐突とも思えるラストの展開はある意味衝撃的でした。 全体として表現が"ど"ストレートゆえに非常にわかりやすいのですが、同時に古臭さを感じたのも事実です。 教訓的な作品で心に訴えかけてくるものがある一方、後味は良くないですし、けして面白い話ではないと思います。 言ってみれば観ている者に媚びないといいますか・・・そんな所が本作品の主人公にも通ずるところがあると思いました。 【午の若丸】さん [DVD(字幕)] 6点(2010-10-22 04:31:11) |
77.いわゆる“イケメン”“良夫”というイデア。当時は存在自体がそれを体現していたグレゴリー・ペックだからこそ生まれた名作でしょう。 【j-hitch】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-08-17 21:51:04) |
76.《ネタバレ》 1930年代のアメリカの南部を知るには、面白い教材となっている。 当時の田舎町での暮らしぶり・子ども達の遊び、当時の黒人に対する偏見、当時の法廷の在り方など、興味を引かれる。 それらを子どもの視点から捉えられている点も面白いところであり、本作の個性となっている。 近所への冒険、黒人や貧困に対する偏見や考え方、父親に対する見方、正義と法など、子ども目線で捉えられているため、非常に分かりやすく、感じ取りやすい。 正義のため、そして子ども達ときちんと向き合うために、誰にも何事にも屈せずに戦う父親の姿は、普通の視点から描くよりも、より光ってみえる。 黒人のメイドに対して父親が紳士的に接し、黒人のメイドが自分の娘でもないのに、普通のことを厳しく教育しているところも、この一家の教育方針が見て取れる。 父親のいない少年に対する息子の態度、貧乏人の息子を自宅の夕食に招待する息子の姿、父親と共に黒人の家を訪ねようとする息子の決意からも、父親からの影響が強く感じられるようになっている。 しかしながら、子どもの視点からまとめ上げているためか、全体的にややまとまりを欠いたような気もするが、個性であることを踏まえれば目をつぶれるところではあるか。 当時には“正義”だけでは越えられない壁があったというのも、現実を色濃く反映されており、映画というフィクションとは異なる一面も垣間見える。 「単純に正義が勝ってよかった」という作り物の世界とは異なり、正しいことが素直にまかり通ることのできない世の中の不条理感などを表している。 【六本木ソルジャー】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-08-14 15:31:16) |
75.《ネタバレ》 ○正義とは、真実とは、いろいろ考えさせられる映画である。ただ、グレゴリー・ペックの法廷モノという意識があったため、有罪になってからの展開や前半の展開は意外ではあった。○ブーがロバート・デュヴァルであるとは全然分からなかった。だって毛があるんですもん(笑) 【TOSHI】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-08-17 12:03:09) |
74.人と人が理解し合うのは困難だが、理解し合えたときにはそれ相応の素晴らしいものがある、などと感じてしまいました。いい映画ですが、グレゴリー・ペックのお父さんは格好よすぎるかも。 それにしても、昨今では一見すると罪がないような人間が、とんでもない犯罪事件を起こしたりするわけで、この映画のような理想は実現しがたい。見るからに「狂犬」みたいな人間って、そんなにいるわけないよね。 【アングロファイル】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2009-07-29 19:48:37) |
73.偏見が真実を曇らせてしまうね。主人公の父親の子供への姿勢はすばらしい。 【ホットチョコレート】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-07-09 20:41:37) |
72.少女の目を通しているだけあって父親の偉大さが強調されていますが、なんか話がきれいすぎるなぁと思ったり。多少は美化されていますよねぇ。 【色鉛筆】さん [地上波(字幕)] 6点(2009-06-21 11:06:40) |
★71.《ネタバレ》 あのような判決がまかり通る事に、文明国家の秩序は法によって守られ、法は正義に基づくものであり、正義は万民に共通するものであるはずが、人間の持つ弱者への偏見、損得勘定、不正直によって正しくない結論が導かれるのだと思い知らされます。狂犬以下の父親の死に対して、誰も裁かれないという結末は、自業自得であるという感情が湧き上がると共に、神が下す天罰を人間が下すこと、法に妥協しても目には目を、やられたらやり返すアメリカという国の考え方が見え、すっきりしない後味が残りました。 |
70.まあまあ。あんな裁判子供に見せていいのか?ハムの仮装は笑った。 【すたーちゃいるど】さん [DVD(字幕)] 6点(2008-11-03 02:24:13) |
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69.素晴らしい映画でした。 ゲレゴリーペック演じるアティカスの勇敢な姿は理想の父親像ですねぇー。 【A.O.D】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-05-30 15:55:42) |
68.とても素晴らしい作品に出会えて感謝しています。親と子、子供の冒険、人種差別、陪審制、精神病等いろいろな要素が丁寧に描かれていて素直に感動出来ました。特に子供の冒険シーンの雰囲気が大好きです。法廷シーンが少し長すぎる気もしますが、その減点を補っても余りある内容でした。 それにしてもこのセンスのかけらもない邦題がこの映画の知名度を下げている気がしてなりません。 【くろゆり】さん [CS・衛星(字幕)] 10点(2008-03-05 00:40:38) |
67.この作品のおかげで、ハゲてないデュバルを初めて見れました。 【ケンジ】さん [DVD(字幕)] 6点(2007-12-30 10:59:34) |
66.《ネタバレ》 グレゴリー・ペック扮する弁護士アティカスが理想の父親像・人間像を示してくれています。常に正義を貫き、周りの人に親切に接する。私もこういう人間を少しでも見習わなくてはなぁと感じます。物語の途中で、アティカスが学校に行きたくないと言ってきかない娘に対し、「妥協も必要だ」というようなことを言いますが、それが伏線となって、最後のシーンにつながっているような気もします。正義や真実だけを追いすぎて、善人を傷つけることはしてはいけない…、良い音色を奏でるMockingbirdは決して殺してはならない…、娘の「保安官の言うとおり」という言葉は、まさに正義や真実とあるべき現実との妥協を示しているのでしょう。 【まいった】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-12-17 00:28:20) |
65.2回目鑑賞。若い青年時代のとき何故観てなかったのだろう? 考えさせられることの多きこと。親子、隣人、周囲との関わり。 【ご自由さん】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-05-05 13:13:03) |
64.何とも言えない余韻が残りなかなか見応えがありました。正義漢のアティカス弁護士は威厳があり尊敬出来る父親像でした。グレゴリー・ペックが上手く演じていたように思います。ブーを演じた若きロバート・デュヴァルも存在感がありました。印象に残る役柄でした。 【ギニュー】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2007-02-05 00:18:18) |
63.「正義の味方の弁護士の話」だと思ってました。間違いではないですが、主人公は娘だったんですね。少女が大人の汚い部分を知り、同時に人としての清い部分に気付かされたふた夏の出来事、といったところでしょうか。ミステリーチックな作りになっているので、見ている間はそのことに気が付きませんでした。良い出来だと思いますが、逸話ごとの繋がりがあまりないので、短いドラマをくっつけたかのようです。 【shoukan】さん [DVD(字幕)] 7点(2007-02-04 18:37:52) |
62.意外に裁判関連部分のウェイトが少なかったのに拍子抜け。前半の近所遊びの部分なんて、かなりどうでもいいと思うのですが・・・。ただし、子供の視点を通して、手を広げすぎずに身近なところを確実に押さえているのが、作品に現実感を与え、見た後の印象を良くしている。 【Olias】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2007-01-15 02:24:02) |
61.映画ヒーローNo1という事で期待して見たのだが、ちょっと拍子抜け。悪くは無いんだけど、これがNo1に選ばれるほど米社会は未だに病んでいるのか???私には父親として当たり前の事をしているとしか思えないのだが。まあその当たり前が中々できないんだろうけどね。私もコノ世が完全だと信じるほど理想家ではないし、社会の醜さや汚さを知ってるつもりだけど、でも映画の台詞で「それをいっちゃあ、おしまいよ」なんじゃないだろうか? |
60.《ネタバレ》 この物語はさまざまな出来事が子供の目を通して語られる。大人を理解すること、公正さとは何か、差別とは何か、妥協とは何か、そしてそれらの思念の中で彼女らの誠実さの行方がそのイノセンスによって赤裸々に綴られている。そして、その語られる中に、アメリカという国の「正義」、その形が見え隠れする。 「ぼくはね、いまはっきりわかったよ。世の中には四種類の人間がいるってことだよ。ぼくたちや近所の人たちのようなのがふつうの種類、森のなかからでてくるカニンガムのような種類に、ごみ捨て場にいるユーイルのような種類、最後はニグロだ」 無実の黒人を死に追いやり、子供達を襲ったユーイルは思わぬ援護者によって逆に刺殺されてしまうのであるが、結局、ユーイルは事故死の扱いで処理される。そのまともな裁判もない事故死の扱いがこの作品を貫く正義の報いであり、この作品がアメリカ人の良心であるところのアメリカの正義なのだと思う。 この物語を思う時、僕は名作映画『十二人の怒れる男』を同時に思い出す。この作品もアメリカの陪審員制度における「正義」を扱ったものであるが、ここでの十二人は皆が顔の見える人間として自らの歴史を語り合い、納得するまで議論を尽くして、一旦は有罪と決まりかけた少年を無罪へと導く。但し、ここに『アラバマ物語』で差別の主題ともなる黒人と女性はいないし、ユーイルもいない。アメリカの正義というのは単純なものではないのだ。『アラバマ物語』は1930年代が舞台となっているが、まだそれから70年しか経っていない。当時、黒人は人間ではなく、学校教育も受けられず、当然まともな仕事にも就けなかった。何かあれば簡単に吊るされた、そんな時代からたったの70年しか経っていないのだ。黒人のみならず、森の中で自給生活をする人々、ゴミを漁って生活をする最下層の白人などが歴然と存在していた時代からほんの少ししか経っていない。差別は人々の意識に根付くものだ。アメリカという国はそんな差別を乗り越えようとして、結局は乗り越えられず、それがアメリカの正義を形づくってきた。その正義は微妙に歪んだ形を維持しながら、それを柔らかい衣に包んだまま何十年も受け継がれてきたような気がする。この問題はとても深い。それはアメリカ人の意識に深く根付き、彼らの正義を確実に規定しているのである。 【onomichi】さん [DVD(字幕)] 10点(2006-10-21 01:33:13) (良:1票) |