5.本作のアラン・ドロンの演技は印象に残ります。「殺し屋」の内面を上手に表現したと思います。サングラスがよく似合ってすてきです。 【ジャッカルの目】さん [映画館(字幕)] 7点(2011-07-16 00:58:41) |
4.《ネタバレ》 それにしても「トロツキー暗殺事件」を題材にする映画なんて、後にも先にも本作だけでしょうね(実際、今の大学生でもトロツキーの名を知っているのがどれだけいるやら)。赤狩りでアメリカを追われた「四つの顔を持つ男」ジョセフ・ロージーが原点に立ち返った様なテーマです。 はっきり言って作品のテンポは冗長で最後まで盛り上がりに欠けるのですが、何を考えているのか不気味なアラン・ドロンが演じる暗殺者“ジャクソン”は彼のフィルモグラフィの中でも屈指の名演でしょう。ラストシーン、「お前は誰だ!」と問い詰められて「トロツキーの暗殺者」と答える表情がなんかとっても不気味で良かったです。でもホント、トロツキーって脇が甘いですねえ、あれじゃスターリンに負けちゃったのも無理ないです。 【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2010-07-23 20:33:03) |
3.《ネタバレ》 最初の方はやや退屈でしたけど、終盤の緊迫感・展開の鮮やかさは見事でした。
暗殺、しかも相手は世界中に知られており後世にもその名を残すレオン・トロツキー・・・そのプレッシャーの大きさに苦しみ悩む男の姿は非常に人間的ですが、しかし最終的に卑劣で残酷な手口で任務を遂行してしまうところに、追い詰められると本能的に勝手な自己肯定をしてしまう人間の弱さ・恐ろしさが出ていましたね。 【TM】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-11-23 10:52:58) |
2.赤狩りによって国外へ逃亡し、その後一度もアメリカへ戻らずに生涯を終えたジョセフ・ロージーが、裏切られた革命家レフ・トロツキーの最期を描くというフレーム外の凄みに対抗するように、豪華出演陣の熱演およびメキシコの鈍い大気がフレーム内でひしめいている。体感温度がどんどん上昇していく感じ。アラン・ドロン以上の存在感を出したトロツキー役のリチャード・バートンが良かったのはもちろんだが、妻役の人がこの映画では特に良かったように思う。トロツキーが自宅で自らの声明を録音している時に突然窓が開き、庭の風景と共にその窓を開けた妻が現れ、トロツキーは続けて妻への愛情を録音するという、おそらくこの映画で最も美しいシーンでも、慎ましやかに登場しながら笑顔で静かに画面から去っていくのだが、革命家の妻であるということへの絶望を背負いながらもそんな素振りを少しも見せずに良き妻であり続けるという姿勢が見事に表れていると思った。闘牛の衝撃的な死に様と政治状況を重ね合わせるような骨太演出もさることながら、上記で挙げたような繊細さや、他にもアラン・ドロンとロミー・シュナイダーが船の上で戯れるシーンの瑞々しさ等、本作は映画の誘惑で溢れており、アナーキスト:トロツキーの映画としてよりもむしろシネアスト:ジョセフ・ロージーの映画として見ることで記憶されるべき映画なんだろうと思う。 【Qfwfq】さん [DVD(字幕)] 9点(2006-08-20 03:10:50) |
★1. アラン・ドロンのこの作品は未見で期待していたのだが、いまひとつだった。闘牛でボロボロにされて口から血を吐いて死んだ牛が引きずり出されて解体されるシーンは、三人の子供を殺され亡命して、なおかつスターリンの意志によって殺されたトロッキーの最期を象徴しているように感じた。 |