4.《ネタバレ》 話は全然好きじゃない。暗殺じゃない!スポーツだ!という言い分は作品世界の全てを台無しにするほどひどいよ!冷徹なラチス党員は残虐な政治に夢中で民主主義国家の英雄、みんなのあこがれ、モデルケースはスポーツマンシップに満ち溢れている……というレッテル貼りのための設定なんだけど、いくら何でも酷すぎる。対比できてない。ジョーン・ベネットの男勝りな性格とウォルター・ピジョンと別れては再会を繰り返して愛を深めていく過程とか、2人の運命が決定づけられる矢のアクセサリーを買うシーンの演出の巧さ、尋問を受けるウォルター・ピジョンに襲いかかるような2つのシルエットなど、ラングらしい映像の素晴らしさはある。台詞ではなく映像に語らせることが相変わらず上手い。でも、話はつまんないし無理があるよ。 【カニばさみ】さん [DVD(字幕)] 5点(2016-12-11 03:13:55) |
★3. 《ネタバレ》 冒頭のシーンに仰天。以後、ラストまでナチスの陰湿な執念深さが作品を支配し、監督特有の光と影の映像がその恐ろしさを際立たせています。ラストの一騎打ちはヒリヒリした緊張感で手に汗握るものでした。サスペンスを堪能しました。 |
2.《ネタバレ》 ライフルの照準器に映し出されるヒットラーという衝撃的な画から始まり、のっけから緊張感が漲ります。まずはドイツでの瀕死の逃亡劇、ここは怖さよりも逃亡劇としての面白さが勝つ。迫り来る軍用犬の吼え声や森の中を逃げる男と追うナチスの距離感が絶妙。なんとかロンドン行きの船に潜り込み善意の少年が登場するのだが、結果から言うと無事ロンドンに辿り着くんだけど、いやーな空気が充満してて居心地の悪い怖さがこの辺から漂い始める。こっちとしてはロンドンに着けばこっちのもん、と思って見てるもんだから何か起こるとしたら船だと思ってるもんで。そのへんのじらし方がいやらしい。で、ロンドン。ジョーン・ベネット登場。おや?と思う。どこかロマンスコメディの様相に。その後は逃亡劇、スパイ・サスペンスってこともあってヒッチコックっぽくもある。ドイツの森同様にロンドンの地下鉄での逃亡劇なんか「うまさ」が目だって、やはり怖さより面白さが勝ってくる。ベレー帽の矢の形の飾りを印象的に出してくるあたりもやっぱりうまいんだけど、まさかこれが怖さへと繋がってゆくとは!作品のカラーが一気に変わる。こういうのってもしかして散漫って言うのかもしれないが、それほどに恐怖は突如襲ってきた。ナチスの恐怖を描くのにこれ以上ない展開。この後味の悪さだけで全体が暗い映画のような印象を持ってしまいがちだが、実はこれに続く『死刑執行人もまた死す』よりもずっと単純なストーリーでずっと単純な面白さを持った作品であることは間違いないと思います。 【R&A】さん [DVD(字幕)] 8点(2010-10-01 18:40:07) |
1.《ネタバレ》 第二次大戦中のプロパガンダ映画だから仕方ないけど、反ナチの動機付けのためにああいうストーリーじゃ、折角ジョーン・ベネットが可愛かったのに何だか可哀想だなあ。でも割とテンポ良く話が進むし、映像は随所で「おっ、さすがラング」って思わせるし、結構楽しめる作品である。 【パキちゃん】さん 8点(2004-02-27 02:24:54) |