★6.《ネタバレ》
実際政治とはそんな簡単なものではなく、この時代の歴史背景も難解で、 特に2巻目はほとんどそのことで冒険的な面白さはありません。 正直たいくつだと感じていたあの長い長い砂漠の出会いや、 旅の場面が2巻目になると恋しくなるのに気づいた。 それはロレンスがイギリスに戻ると飼い猫のような変わりようで、 また砂漠にもどりたくないと言いつつ、 戻るのはアラブと決まっている。
主役の気持ちがなんだかわかるという、 最初の長いショットが忘れかけたころに生かされる映像の力。 1巻目にはこれでもかと大げさな音楽が雄大に流れる。 それがもっと戦いが大きくなった2巻目では、音楽はないに等しい。 もしかしてこれが現実なんだと知らされているような・・
誰しも自分の欲望はあるし志もある。国のため名誉のため自分のため。 一番自分に正直だったのは盗賊の頭だったのかもしれない。 政治の現実に嫌気がさし去っていくロレンスを、 最初に出逢ったアリが止めるがそれを諭した盗賊のアウダは、 こうなることも本能で知っていたのかもしれない。 アラブ人になろうとしてなれなかったイギリス人は、 どうみても滑稽だが笑えない苦悩がそこにはある。
助けた仲間を処刑し助けそこねた仲間を思い非情になっていく。 だが戦地から離れまたイギリスに帰れば称号はあれど雇われ兵だ。 アラブを独立させる神にもなれず、大英帝国の駒にされただけなのか。
ぶつ切りになったような終わり方も妙な余韻を残し、 さらにバイクとすれ違う幕切れはオープニングと繋がっているようで、 この主人公のその後にリンクさせているようで不気味な後味です。
気になって仕方なくなり、DVDを購入することにしました。 こういうタイムスリップ的な感覚の映画は気になるのです。 回想から繋げる手法が特にうまいですよね。 主役のピーター・オトゥールは昨年度のアカデミー賞の名誉賞を辞退、 最終的には周りの説得もあり授与されました。
【アルメイダ】さん [DVD(字幕)] 10点(2005-05-07 08:22:19) |
5.本当に長い。ぶっ続けで見てたら、もっと評価を下げたかもしれませんが、三回に分けて見るという邪道を使ったので、それほど気になりませんでした。静と動の使い方が逸品で、砂漠と戦争と砂漠の戦争を上手く表現されていると思います。しかし、後半になるにつれ、ロレンスが変わってしまって、最後は別れもさして描かれず(なかったのでしょうか?)にとても切ない終わり方でした。 【february8】さん [ビデオ(吹替)] 7点(2005-05-03 17:37:30) |
4.長い!確かに長い!!でも砂漠の絵はすごい!これだけはすばらしい!ストーリーはさして面白くもなく、この手の戦争の天才と呼ばれるような戦術家は、決して名政治家にはなれないというありふれた話。この当時の大作映画なのにロマンスもないので殺風景。この後の、この地域の歴史を思うとロレンスが政治能力に長けた人間であったならば、アラブの違った歴史があったのかもしれない。 【亜流派 十五郎】さん 4点(2004-11-04 18:48:09) |
3.確かに大作なのは認めます。映像も音楽も素晴らしい。しかし自分には話がおもしろくない上に長い長すぎる。後半はどうでもよくなってきた。「アラビアのロレンス」・アラビアのロレンス・・アラビアのロレンス・・・暇つぶしに何度つぶやいたろう。こんなことは「エリン・ブロコビッチ」以来久々だ。これなら100分くらいの映画を2本観たほうが良かったと後悔しつつラクダに3点差し上げます。 |
2.この作品では、とにかく砂漠の広大さが伝わってきます。俯瞰の画面で、人間がごく小さくポツンと描かれることがよくあります。また、人が画面のずっと奥から手前に向かってくるシーンで、初めは豆粒のように小さなものが、徐々に徐々に大きくなっていく。こういう映像は砂漠でのロケだからこそ撮影できたのでしょうが、だからこそその砂漠の広大さが実感できるのです。そして、戦闘シーンもCG全盛の今観ても充分迫力があります。スペクタクルな映画が好きな人は是非見るべきでしょう。音楽もとってもスペクタクルです。 【デューク】さん 10点(2004-06-02 19:40:38) |
1.スピルバーグはこの映画を観て映画監督になることを志したらしいです。おそらく、今このような大作を撮ろうとしたら、確実にCGが多用されるでしょう。この映画が作られた時にはCGなんてありませんから、全てが実写、本物です。だから、もしかするとこの映画がスケールの大きな大作としては、完全実写最後の作品なのかもしれません。 【あろえりーな】さん 8点(2004-03-10 01:55:13) |