15.良品。 主人公の田端に共感することはほぼ無いが、全体としてはそれなりに良く出来ている。 もう少し盛り上がってもいいかな、と思う映画でもある。でも惹きつけられて最後まで観たい感情は消えない。 【simple】さん [インターネット(邦画)] 7点(2023-01-07 15:36:25) |
14.《ネタバレ》 役者の演技とか構成とか、素晴らしいモノでした。青春映画がそんなに好きじゃない僕でも、この世界にドップリです。僕はダメ人間なんで、主人公の心の動きが痛いほどよくわかり、この映画に深くエグられました。勝手に相手を自分の理想像にあてはめ、最初から相手は何も変わってないのに、勝手に傷つき、それを全て相手のセイにしたりする。まさに「気持ちワル」です。しかし、この映画の素晴らしい所は主人公だけでなくヒロインである秋好の青さと痛さもちゃんと描かれている所だとも感じました。世界をよりよくしたい、争いをなくしたい、これは恐らく、多くの人が願っていることだと思います。でも、心のどっかでそれは理想だと諦めてしまっているのですが、秋吉はそれを本当に信じている強さがあります。だからかたくなに人との距離感をとっていた主人公も惹かれていきました。しかし、そんな彼女でも、思わず言ってしまうのです。「気持ちワル」ってゆう禁断の悪口を。争いを本気でなくすためには、どんな人間であろうと、認めてあげなければ、それはやっぱり理想でしかありません。気持ちワルと切って捨てれば、それは単なる排他主義でしかなく、言葉は人の心に突き刺ささります。悪口には争いをなく効果はないのです。そして、言い放った言葉は自分に跳ね返り最後は何も言えなくなります。矛盾が生じてしまったから。ここでの言い争いは実に絶妙でした。主人公も言い返すうちに徐々に自分の中の矛盾に気づいてる感があります。でも相手を言い負かす事は止まらない。そーゆう喧嘩の経験ないすか?ただ彼女は、そんな自分の脆さをすぐに認めちゃうんですよね。普通はできないですよ。あんな言い争いの後には。相手に腹立つ気持ちが勝っちゃうでしょ。ところが彼女の理想は本気だから、みんなの前で、サークルの成り立ちの頃の本心をちゃんと語れるのです。あのころ、2人で立ち上げた時、どれだけ、そこが楽しく、自分にとって大切なモノだったかを淡々と。これをやられると、さすがに心がひねくれた主人公でも、気づいちゃいます。自分のやってしまった過ちに。本当はもっと理想の自分がいて、なりたい自分がいて、でもなれなかった愚かさに後悔しちゃいます。結末の展開も素晴らしく、最初のシーンをなぞったモノになっていて、主人公はちゃんと傷つくために、最初の出会いとは逆に今度は自分から彼女へ近づきます。これで、少しだけ成長、したのかな。僕は、恐らく、この後、2人は良い関係になれると思ってます。そんな希望が見えます。争いをなくす世界へちょっと近づけたんじゃないかなー。なんて、理想論ですかね? 【なにわ君】さん [インターネット(邦画)] 10点(2022-03-29 05:47:49) (良:1票) |
13.レンタル店でサスペンスのところに入っていたのですが、普通のドラマでした。ところどころサスペンスっぽい演出もありますが 、そもそも話の内容(原作?)がペチャとしたドラマなので空回りしています。 【紫電】さん [ブルーレイ(邦画)] 3点(2022-01-09 07:59:13) |
12.《ネタバレ》 「自分の取るあらゆる行動には人を不快にさせる可能性がある。不用意に人に近づかない、人を否定しない。そうすれば誰も傷つけないし、傷つけてしまった誰かから自分が傷つけられることもない。」 パラパラ漫画とかのセリフから映画は始まります。あらすじとしては、冒頭の台詞のような信念を持つ男子大学生の楓が、それと真逆の性質を持った女の子に話しかけられ、モアイというサークル活動を始めるに至り、惹かれるも、肥大化したモアイの中に居場所を見つけられず、想いを寄せていた彼女が自分のいないサークルで楽しそうに活動していることに歪んだ嫉妬をして、モアイや彼女に攻撃するというお話。こう書くと、すごく暗い歪んだ話だと思いますが、実際すごく暗い歪んだ男の話です。 でも自分も内に籠って勝手に壁を作るタイプだからあんまり偉そうには言えません。こんな攻撃をしたりはしませんが、わりと彼の気持ちはわかったりする。好きな人が違う誰かと仲良くしてたりしたら普通に嫉妬するし、それを見てるのも嫌になる気持ちは普通にある。わからないのは、衝動的に部屋を飛び出して彼女を探したり、遠くに見つけた彼女を見つけて走って話しかけに行ったりしたこと。いやそんなエネルギーやモチベーションで動けるならそもそもこういう人間になってないでしょう。映画なので、そこは物語っぽく作る必要があったのだろうけど、そこの動きだけ彼の設定とは、真逆の動きをしたことに戸惑ってしまった。 まあ、全く同じではないまでも、自分の内面を他人に見せられた気持ちがした、なんだか複雑な気持ちになった映画でした。 【TANTO】さん [インターネット(邦画)] 7点(2022-01-07 23:31:24) |
11.《ネタバレ》 究極の「お前だー!」シリーズ。 炎上させてやろうと、やっきになっていたのは自身の嫉妬の炎だったのね。 あけすけないことこの上なし。 恐ろしい作品だ。 【ろにまさ】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2021-12-22 04:45:06) |
10.《ネタバレ》 秋好みたいな人物は不用意に心の中に入ってきては勝手に出て行く。 主人公の様なコミュ障な上に依存体質な性格の人は、 秋好の様な人を疎ましく思いながら眩しくも思うだろう。 今回も秋好にとっては楓は大学生活のとっかかりだったと思う。 そしてモアイの活動についてもちゃんと楓にも確認していた。 でも依存体質の楓は既に秋好のそばにいたい口実となっていた。 嫉妬に発展した今回のケースは世間でもよくある話だと思う。 家族、兄弟、友達、同僚、様々な場所で。 人は憧れる人物はずっと上にいて欲しいが、 裏切った(と思う)奴や認めたくない人物はすぐさま下に見たがる。 私は主人公側のキャラなので同じく青くて痛くて脆い。 楓の事は痛いほど理解できてしまった。あそこまではやらないけどね。 【movie海馬】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2021-07-18 00:16:15) |
9.コミュ障の大学生が逆恨みしてネット炎上で色々ぶち壊す、 という救いようがない負の感情の映画。 杉咲花の言い放った「気持ち悪っ」に全力で同意。 演技に熱が入ってるのは良かったけれど、 そのおかげで気持ち悪さも倍増という…。 悪い意味で「青くて痛くて脆い」映画でした。 【愛野弾丸】さん [CS・衛星(邦画)] 4点(2021-06-02 19:21:01) |
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8.《ネタバレ》 人を傷付けまいとして、距離をとっていたせいで、人との距離感がよく分からない人。まるで私のようです。つきあってた彼女に最後の最後に「気持ちわる」って、言われたことあります。見ているこっちをグサグサ傷付けにくる映画です。 【木村一号】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2021-05-30 17:42:08) |
7.《ネタバレ》 原作未読. オープニングの「質問です.この世の中に暴力は要らないと思います.」ってのは,単なる意見だよね? オープニングから違和感を感じてしまった. ついでに言えば,2020年の日本において本人の同意なしの個人情報を買う企業なんてないでしょと思ってしまった(少なくとも大学生が就職するような企業で) 登場人物のほとんどが,青いか,痛いか,脆いかのどれかですね. 【あきぴー@武蔵国】さん [DVD(邦画)] 4点(2021-05-22 20:33:36) |
6.《ネタバレ》 ドンデン返しの部類だと思いますが、個人的には最初から主人公にあまりしっくりきてなかったので(とにかく吉沢亮の、目付きから雰囲気からナニからナニまでにへばり付くネガティブ感情のドス黒さに辟易してた、というか)、どちらかと言えば「ほ~れみろ、やっぱりな!」的な感じではありましたね。二つ、少し分からなかったことがあります。田端の秋好に対する感情は、単純な恋愛感情だと解釈する方が正しいのでしょうか(それとも、自分が唯一無二だと思っている秋好が、自分を唯一無二だと思ってくれなかった、という、もう少し広範な意味での人間関係の不均衡が彼の憎悪の源泉なのでしょうか)。もう一つ、タイトルの『痛い』というのは、主人公の苦痛なのか、それとも主人公の残念さなのか、どちらを主として表しているのか(無難にダブルミーニングだと捉えておく、で問題なさげでもありますが)。 かなり稀に見るイタくて幼稚な主人公ですが(ソレをこんなイケメンが演じてるというのも逆に面白い)、そんな彼への感情移入の取っ掛かりを探すとすれば、可愛い可愛い秋好ちゃんについて、そんなコトしたら男は勘違いしちゃうもんよ?という部分には「隙」とでもいうものが在った、と言えるかとも思います(だからと言って彼の行状に対する酌量の余地は無いのですし、大学入りたての若い彼女にそんなコトを言うのも少し酷ですが、彼女だってゆくゆくは身に付けてゆくべき「距離感の取り方」だとも思いますし)。 正直、いったん彼が目的を果たして「勝利」する場面に至っては私の方までメンタルボロボロでした(率直に、観たのは失敗だったか…と思いかけました)。ただ、その直後の田端と秋好の対決は演技の仕事としてとても面白く観れるものでしたし、いちおう彼はその後は絶望と共に反省し、ある意味で少しだけ前に進むのですよね。その意味ではこれも「人が成長してゆく」ことがテーマな物語だと言えますし、つまりは私の大好物な部類の映画だと言って間違いもないのです(その意味では、少し甘めの評点だなあと思ってます)。 ただな~前述どおりあの痛恨の一撃が重すぎる…メンタルダメージは前提として、しっかり構えて観て貰えれば… 【Yuki2Invy】さん [DVD(邦画)] 7点(2021-05-15 23:07:05) |
5.《ネタバレ》 割と好きですねぇこういうの。全く予備知識なしで見たのが良かったのかなと思います。 序盤の展開から、モアイをぶっ壊すと決意する流れ、そこからの実は〜の展開に驚き。 あぁぁそういう映画だったのかぁと。この展開の裏切りがとても上手いと感じました。 そして、ある種の変態的な話になっていくわけですが、それもまた個人的には好みでした(笑)。 まさしく、タイトル通りの「青くて痛くて脆い」内容でありました。 でもそういうのを包み隠さず見せつけてくる映画は好きです。 【あろえりーな】さん [ブルーレイ(邦画)] 8点(2021-04-26 16:26:56) |
4.《ネタバレ》 「暴力はいらない」というのは、その人の意見、感想の類であって、質問ではないだろう。人に語る理想としてもお粗末過ぎる。 何だか頭の悪そうな映画だなと思いながら見ていったが、主人公がなぜそこまで復讐にこだわるのか、その気持ちが伝わってこない。人との触れ合いを避けているような奴が友達つかって、一所懸命努力するなんてちょっと変だよ。 あと、昨今は個人情報の扱いには非常に厳しい目が向けられていますから、名簿を故意に流すのは金銭授受抜きにしても大問題ですね。実行した学生には厳しい処分が下されるでしょうし、その温床となったサークルが解散させられるのは当然すぎるくらい当然でしょう。主人公は悪事を暴いて世界を良くしたのです。悪事をゆるした秋好には良い薬になったでしょう。 【駆けてゆく雲】さん [インターネット(邦画)] 3点(2021-02-04 17:30:58) |
★3.《ネタバレ》 かなりアンフェアなミスリードよね。真実が明らかになるまではサスペンス映画のごとく見せてゆくものだから、ずーっと不安感と緊張感に支配された状態が続くのだけれど、明らかになった瞬間にタイトルの意味が判って、思っていたような映画じゃないことが判って、あー、そういうコト・・・って肩透かし、脱力感に襲われて。 キモチは判る、理解できるのだけど、その極端な行動は一貫して「なんなのよ?」ってカンジ。でもあの瞬間からカレの見え方がガラリと変化してしまうっていうのは面白かったわ。
大量に配された登場人物の、でも多くがそんなに物語に対して有機的に機能している存在には思えなくて、世界を構成する要素です、くらいな。この映画の知識が全然ないままに見たので「あ、松本穂香出てる、森七菜も出てる」みたいな楽しみ方はあったけれど。にしても森七菜の学校の先生に対して物語として特に何もしないカンジなのはモヤるわね。
ラストの選べなかったルート、生きられなかったルートは切なくて、だけど最後にヤツに与えられたチャンスはそれでも甘すぎやしませんか?と思ってしまったり。いや、若ければ人生はまだまだ選べる道はあるのでしょうけれど、でも、ヤツには壊してしまったものの大きさに対する自覚はあんまりないような気がしてしまうわ。 失ったもの、失われた時間の大きさ、その痛みをガッツリ描く、ってほどに残酷にはなれないでしょうけどね。 【あにやん🌈】さん [映画館(邦画)] 6点(2020-09-14 21:58:25) |
2.《ネタバレ》 この作品のテーマとしては、理想を実現することの難しさと、人との距離感についてだと思う。とにかく陰キャである主人公の痛々しいまでの生態が描かれている。即ちタイトルの“青くて痛くて脆い“とは吉沢亮演じる主人公の事である。 杉咲花演じる秋吉が彼に向けて放った一言「気持ちわるっ」が全てを表している。 初めて会った秋吉をヤバい奴だと言っていたが、実は一番ヤバい奴は主人公だったという意外性こそが面白い。 少々残念だったのはせっかく決定的な“証拠“を掴むシーンが原作に比べてあっさりしていた点と、張本人が何もペナルティ無いってのがスッキリしなかった。ていうか横流しという絶対悪に対してちゃんと追求していない所が駄目。 また、原作にはない部分として、主人公のifの世界、もし主人公が素直な奴だったらというパラレルワールドが描かれていた点は良かった。 これこそが本当は主人公の望んでいた世界なんだなぁと思うとなんか切なくなってしまった。 【ヴレア】さん [映画館(邦画)] 7点(2020-09-14 12:35:03) |
1.《ネタバレ》 原作者のファンとして、制作発表以来待ち望んでいた作品。序盤からほぼ原作に忠実に描かれていて、主役の二人も自分なりに描いていたイメージどおりだったので、原作ファンとして、映画化作品に失望したことが過去多々ある身にとって安心して鑑賞出来る作品でした。ただ、肝心の終盤からラストシーンにかけては、少なからずサスペンス志向の演出となっていて、部分的にやや原作を離れた展開もあり、観る者の印象や解釈を一つの方向にリードしてしまう感じがしました。楓と秋好、そして他の登場人物たちに内在する思いを、もっと自由に想像できた方が、心理ドラマとしてこの作品を堪能出来るのではないかと。とは言え、原作の良さを損なうことなく、特に主役の二人のキャラクターが忠実に表現されていて全編を支えているのは、二人の演技の素晴らしさは勿論のこと、流石人気ドラマを数多く手掛けて来た監督さんですね。原作未読の方にとっても、一抹の寂しさを感じてしまったとしても、爽やかな後味の青春ドラマとして楽しめることと思います。 【タコ太(ぺいぺい)】さん [映画館(邦画)] 8点(2020-09-14 11:14:59) (良:1票) |