10.《ネタバレ》 凄い!ここまで1時間50分を(良い意味でも悪い意味でも)短いと思った事は未だかつてない。もう何から語って良いのか分かんないけど、あえて書くならばストーリーの面白さに尽きる。男たちの宿命と憎悪と裏切りと復讐と罠。それらの要素が脚本に非常に巧みに練りこまれ、見ている間は画面に食いつくように見ていました。そしてそれらの要素をさらに掻き立てるあの哀愁漂う雰囲気、そして映像!これがもうたまらない。単に銃でバン!で終わらない点は安直なハリウッド映画との違いを見せつけられたようで非常に良かったし、何よりラストで意外な形でドニが殺される展開には舌を巻きました。主演二人の演技も良かった。ダニエル・オートゥイユはとにかく渋さがたまらないし、ジェラール・ドパルデューは意地汚い悪役をまさに完璧な演技で演じていたのではないかと。少し欲を言うならば、もう少し主人公二人の過去に関して言及して欲しかった。特にかつて二人が親友だったという筋書きに関しては全く描かれていなかったのでそこはいかがなものかと思いました。とは言え、久々にハリウッド映画以外で素晴らしいと思える作品に出会えたような気がしますね。今までフランス映画は『TAXi』シリーズしか見たことがなくあのコミカルなイメージしかありませんでしたが、本作はフランス映画を見直すきっかけになったのではと思います。最後に邦題に関してですが、粋とは言わないまでも未見の人が興味をそそられる邦題だとは思いますよ、俺は。 |
9.雰囲気のいい映画でした。これはこれで良かったのですが、ハリウッドのリメイクが楽しみ。 【SAS30】さん [DVD(吹替)] 7点(2007-07-24 10:38:43) |
★8.《ネタバレ》 激しい復讐と憎悪の輪廻。14発(だっけ?)の銃弾を置いて断ち切ることが出来たのは他人を愛でる心を失わなかったからであり、すなわち妻が救い切れなかった男を娘への愛が救ったわけだ。それを持つことができなかったドニは「立派な警官」にはなれなかったわけだが、決して蔑めるものでもあるまい。その悲哀はまるで自分の事のようで怖い。 【ぷりんぐるしゅ】さん [映画館(字幕)] 6点(2007-07-20 04:22:42) |
【kaneko】さん [映画館(字幕)] 5点(2007-06-14 21:26:16) |
6.相変わらずというかいつも通りというか、映画館であんまり画は観ない。代わりに音楽を聴く。 本作では冒頭の音楽のミスリードぶりにヤラレて、最初の1時間はほとんど音楽のみに集中してしまった(まあ主演二人の鼻は別として)。この映画の音は甘い。とてつもなく甘い。普通この手の作品でリズムを刻まない音楽を入れないわけがないのだ。なのに、こんな甘いメロディに耳を委ねる心地よさが、フランスらしいドライで残酷な物語を中和させ、観る者の心を最後まで引っ張って行ってくれる。本作はストーリーや宣伝のターゲットと違って、女性の観客にもオススメだろう。劇伴としてとてもいい仕事だと思う。 というワケで、宣言したい。 この作品は『東京ゾンビ』と志を同じくした音楽哲学で綴られている! …あっそこ石投げない! 【エスねこ】さん [映画館(字幕)] 7点(2007-05-23 18:30:18) |
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5.《ネタバレ》 すごいですね。主役の2人の演技にみんな引きずられるように、出演者全員が素晴らしい演技でした。レオがいろんな目に会う度に「いつ復讐するんだろ?どうやって復讐するんだろ?」って思ってみてましたが、ああなりますか・・・。ハリウッド的なわざとらしい暴力シーンも、胸のすくようなハッピーエンドもありませんが、フランス映画らしくてとても良かったと思います。ローラがいつも「一人にしないで」って言う度に泣けそうになりますが、最後のシーンは胸が暖かくなりました。ただ、イロイロなものを詰め込みすぎで、私はなぜか、すごく力んで見てたみたいで、見終わった後、ヘトヘトに疲れました・・・。久々に邦題が映画と合ったカッコイイ題名だと思いますが、DVDになったら、また変わっちゃうんでしょうね。とっても残念だけど・・・。 【さら】さん [映画館(字幕)] 7点(2007-03-08 11:13:16) |
4.ダニエル・オートゥイユ、なんでここまで耐えなければいけないの!と思わず言いたくなりました。それにしてもジェラール・ドパルデュー、めちゃくちゃ嫌なやつです。そう思いながら見ていたということは、映画を楽しんでいた証拠かなと思います。ダークなハードボイルド好き必見です。 【omut】さん [試写会(字幕)] 7点(2007-03-07 01:08:29) |
3.久しぶりに映画館で観た映画。警察組織の中の2人の男の戦い、思わず息を呑んだ。ハッピーエンドにはならないと思ったが、少し・・・。しかしそれも淡々としたこの映画の雰囲気。のし上がってきた2人の、皺だらけの顔が印象的。 【よーこ】さん [映画館(字幕)] 5点(2007-01-15 18:00:43) |
2.デ・ニーロ主演でハリウッドリメイク決定という情報を耳にした後映画を観たので、主役ダニエル・オートゥイユの顔が、段々とデ・ニーロと二重写しに見えて仕方なかったです。いかにもデ・ニーロが演じたくなるような役柄ですね、この役は。女性や子供に迎合した映画がマーケットのほとんどを占めている昨今、こんな中年のオッサン臭さ充満のクライムムービーを見たのは久しぶり。「女子供の甘っちょろい観客なんてハナっから相手にしてねえぜ!」とでも言いたげな作者の開き直りが、逆に自分には爽快で思わず快哉を叫びたくなりました。たぶん女性の方が観たら、あまりに女性への暴力過多のこの映画、良い印象は決して持たれないはず。初盤での展開で、誰が悪党で誰がヒーローなのかよくわかりずらい点も、いつも見慣れてる明快ハリウッド映画と違い含蓄があるようなないような、なんだか自分の映画の鑑識眼を試されているような気分でしたね。全身から哀愁漂わすオッサン二人がとにかく巧い巧い!ドパルデューなんて、前作「ルビー&カンタン」のコメディ演技を見た目には、同一人物とは到底思えない憎々しげな悪役っぷり。骨太な作りのフランス映画の佳作、酸いも甘いも噛み分けた(←自分はどっちも噛み分けてないすが・・・)大人の三十代以降男性におすすめ! 【放浪紳士チャーリー】さん [映画館(字幕)] 7点(2007-01-12 12:31:58) |
1.渋いです。めちゃくちゃ渋いです。懐かしき白黒映画の頃に戻ったような渋さです。それもこれも主演二人のすばらしい演技のおかげ。脚本は実話を基にして書いているので警察内部の隠蔽工作が恐ろしく見えます。周りに車が一台も通ってないなんか不自然な現金輸送車襲撃シーンや序盤に裸のシーンがなぜか多かったし、ラストがちょっと物足りなかったのを除けば、フランス製ノワール映画復活か!?と言ったところでしょうか。 |