1.《ネタバレ》 村人から雇われて砦を作って戦うという点では黒澤明『七人の侍』の亜流と言ってもいいかも。でも戦うのはあくまで雇われた者たちであるという点、敵方が圧政を強いる権力者である点、そのうえその権力者が分かりやすいまでの大悪党であるという点においてやはり想起するのは工藤監督の『十三人の刺客』と『大殺陣』だ。主人公の賞金稼ぎが医者という表の顔をもっているところも同監督が多く監督したテレビ「必殺」シリーズを彷彿させるしメンバーになぜかくノ一がいるなんてのも『忍者秘帖・梟の城』を思い出したりした。面白い要素をとりあえずぶち込んだれ!みたいな映画。その時代に日本には絶対ないだろうガトリング銃まで登場。というかメインの武器だし。戦う理由は破綻しまくっており、ひたすら互いが殺し合うだけの映画であったのだと見終わった後に気付く。痛快なまでの娯楽映画でありながら後味の悪い苦味をしっかりと残すところがまたいかにも工藤監督らしい。