17.《ネタバレ》 内田吐夢監督、宮本武蔵第1部。 内田監督は「飢餓海峡」しか観てなかったが、幸運なことに 近所にできた某レンタル屋に内田監督の宮本武蔵5部作ほとんどが揃ってることに気がついた。 (この第1部が別の店にあった。残りは全部、その某レンタル屋に揃ってたのだ!分かった時の歓喜ぶり!?) ついに内田吐夢版宮本武蔵とがっぷりよつを組むぞ! 漫画の「バガボンド」を途中まで読んでいるので、大筋は知っているが、 内田監督のは武蔵が人間としてどこまで成長できるかを描いているようだ。 もののふとはいたわること、と第1部ではタケゾーが言ってのけるが、 この後に血で血を争う争いが待ち受けてることを知ってるので、 これからどこまで自分との激しい闘いが待ち受けてるか、気の毒でもある。 ひょうひょうとした錦之助がむきだしの演技で迫るので、見ごたえある5部作だと思う。 【トント】さん [DVD(邦画)] 7点(2019-10-28 00:26:43) |
16.原作未読でNHKの大河ドラマくらしか観たことのない作品でしたが、シリーズ物の第1作目で、関ヶ原直後のどさくさ時代の結構面白い映画でした。暴れん坊だった頃の武蔵の話が主で、続編も観たくなります。 【ProPace】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2014-09-22 22:18:28) |
15.《ネタバレ》 5部作の「武蔵」。その第一作は、原作的にもこれといった見どころのないストーリーだけど、このプロローグを丁寧に作り込むことで後の展開を期待させる作品になっていると思います。キャストに関しては、天然ボケが入っているようなお通さんに違和感を覚えました。常人離れしてボーっとしている感じです。凶悪なタケゾーとの対照という意味では際立っていますが、個人的には魅力薄。タケゾーが宮本村の住人達を殴り殺す辺りを、もう少し生々しく描いても良かったんじゃないかと思いました。ちょっとオブラートに包んだ感じです。この第一作の主人公はタケゾーではなく沢庵坊ですね。三国連太郎、すごい存在感でした。この監督とのコンビが後の「飢餓海峡」に繋がって行くのも納得です。 【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2014-01-27 00:40:15) |
14.こういう映画は、評価が難しいんですよね。1本だけでどう扱っていいのか困ります。とりあえずは、単体でも面白く鑑賞できました。やはり沢庵和尚ですね。飄々としていながら武蔵に人間らしさを説く。三國連太郎おみごとです。暴れん坊の武蔵は、人間の小ささがよく出ていました。ただ、デビューしたばかりの入江若葉には辟易しました。いくら有名女優の娘だからといっても、もっと小さな役で出せばいいものを。 【アングロファイル】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2013-08-17 16:57:10) |
13.《ネタバレ》 吉川英治の武蔵は今では青空文庫に収録されている。それほどの古典かと少し驚きを禁じ得なかったりする。で、小説の方でもこの映画でも、武蔵前武蔵後というか、たけぞうが宮本武蔵に昇華する瞬間にいたる倦怠感と期待感は内圧と応力を知らぬうちに密封して、その爆ぜる様の大きさと激しさを読み手が試されるような緊張感がある。 そう言う巧妙さがあって、どこまでも宮本武蔵だった。満足。 【黒猫クック】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2013-06-09 20:42:15) |
12.昭和36年は、もう戦後とも言えなくなってきたときだが、すごく戦後が重なって見える。敗れた者の望郷と、故郷の敷居の高さ、女たちの活力、その中でヤケになっているアプレ青年としてのタケゾーと、女と他国で生活を始める未帰還兵の又八、などなど。原作は間違いなく戦前のベストセラーで、千恵蔵がもうその時代に演じているのだが、映画化するにあたり、上映する時代にふさわしいピックアップがなされるのだろう(吉川英治は本シリーズ第2部完成前に亡くなった)。戦争終わって16年たっていても、人々の心には「戦いの後」のイメージがまだ濃く残されていて、シナリオを編むとき、どうしても背景に立ってきてしまうのだろう。冒頭武蔵が這い進むぬかるみは、昭和の戦争の戦場のぬかるみでもあり、また後の一乗寺の泥田にまで続くぬかるみだ。シリーズの一作目は、主要登場人物紹介を兼ね、それぞれの配置を観客の頭に刻みつける役割りもある。役者があちこちにスタンバイしていく開幕前の緊張のような、ドラマとは別種のワクワクがある。 【なんのかんの】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2013-06-09 09:23:47) |
11.子どもの頃に三船敏郎の宮本武蔵を見ていたので、すんなりと見ることができた。それどころか、以前筋がわからなかったところも手に取るようにわかった。 この映画は東映時代劇スター中村錦之助が主役をつとめているのでまったく申し分がない。また度量の大きさとともに生臭さも感じられる三国連太郎の沢庵坊主も光る。 この映画はまた、入江たか子の娘入江若葉のデビュー作でもある。八千草薫の可憐なお通とはたどたどしいのは残念ではあるが・・・。 DVDで三船敏郎と錦之助を並べて見ることができるようになった今日、比較することは可能になったが、それぞれの持ち味があり無意味とも思う。しかし、映画はたしかにスケールが大きくなった。 【ESPERANZA】さん [映画館(邦画)] 6点(2011-11-03 06:34:38) |
10.'10.10/6鑑賞。何年振りの鑑賞だろう?。若い頃読んだ吉川英治「宮本武蔵」の原作に忠実だった記憶がある。吉川文学のよさが感じられる。でも盛り上がりに欠ける。 【ご自由さん】さん [DVD(邦画)] 6点(2010-10-09 16:33:36) |
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9.タイトルは『宮本武蔵』だけどサブタイトルが無いのがつまり、言わばトッピング無しのプレーン状態な訳で。吉岡一門も出てこなければ小次郎も出てこない、そもそもムサシのムの字も登場しない、彼がタケゾー時代のオハナシ。まるで、「ついにデロリアンが完成したぞ!」とドクが叫んだところでBKTFの第1作が終わってしまうようなもんですね。しかし本作、何と言ってもすごいのが錦之助。持ち前のキンキン声をキンキンと響かせながら、走り回るわ、木に吊るされるわ、まさに大暴れ。特に、姉の姿を求めて崖を駆け降りるシーンはまさに圧巻。それにしても、映画のかなりの時間、主人公が木に吊され続けるというのも、かなり主人公扱いの悪い映画でありますが、飄々としたタクアン和尚とのやりとりがオモシロい。そしてラストのタケゾーの鋭い眼光に、続編への期待が高まります。 【鱗歌】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2009-06-11 22:18:49) |
8.内田吐夢監督の代表的シリーズ作品。 そして、日本映画を代表するシリーズ大作。 それだけに、不満。 これなら、まだ溝口健二の撮った『宮本武蔵』の方が良い。 シリーズ大作って、『仁義なき戦い』シリーズにしてもそうだけど、評価が高い割に、自分的にはそれほどではないと感じるものが多く、本シリーズもその例にもれないんじゃないかと、ちと不安になった。 次回作以降に期待。 不安だが期待したい。 【にじばぶ】さん [CS・衛星(邦画)] 3点(2009-05-08 22:06:08) |
7.三国連太郎を沢庵和尚にキャスティングしたセンスに8点献上します。この人の演技は本当にすばらしい。今の俳優さんで三国連太郎に匹敵する老獪さをだせる人は皆無だろう。ためしに藤木直人の沢庵和尚を想像してみたが、まったく緊張感がなかった。やはり宮本武蔵をめるぐストーリーは少年漫画にはなりえても、少女漫画にはなりえないのだ。 |
6.吉川英治の原作「宮本武蔵」に関する話は映画、その他テレビドラマでも幾つか作られているが、この作品が一番だと思う。何しろ役者が良い。中村錦之助に三国連太郎、2人の演技の素晴らしさ、存在感、そんな作品を重厚な作品に仕上げた内田吐夢監督の演出も見事!内田監督によるこのシリーズ、残りの四本、全部観たくなりました。 【青観】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2005-08-10 22:15:46) (良:1票) |
★5.《ネタバレ》 内田吐夢監督の晩年のライフワークとも言える五部作の一作目。長い物語のほんの序盤ということもあってストーリー的な盛り上がりはそれほどないものの、内田監督の骨太で重厚な演出とそれに応える錦之助、三國連太郎といった出演者の演技の素晴らしさによって見ごたえのある映画になっていて、やはり見ていて引き込まれるし、昔にもこの五部作は見ているが、(いちばん最初に見た武蔵映画がコレだった。)稲垣浩監督の東宝版や加藤泰監督の松竹版も見たあとになって改めて見るとこの1作目から武蔵の人間としての成長と人生を丁寧に描くという作品としての風格も出ている。今回は武蔵(むさし)が武蔵(たけぞう)と呼ばれていた暴れん坊だったころを描いているわけだが、錦之助の演技はそんな武蔵の荒々しさと弱さを見事に表していて、その中に人間臭さとでも言おうか、そういうものをも感じさせているのがやっぱりいいなと思う。そんな武蔵を諭し、導く存在である沢庵和尚を演じる三國連太郎も飄々としている中にも重みのある存在感で素晴らしく、映画に深みを与えていて、この配役が本作の肝だったとも言っていいだろう。千年杉に吊るされた武蔵と沢庵のやりとりがとても印象深い。そして、幽閉された武蔵がこれまでとは全く違う鋭く重厚な表情を見せるラストは、これから武蔵を待ち受ける運命を予感させていて、まさに壮大な物語の幕開けといった感じである。(2021年2月14日更新) 【イニシャルK】さん [DVD(邦画)] 8点(2005-05-15 23:22:34) |
4.中盤での沢庵坊が青木丹左衛門を馬鹿にするシーンが大好きなボビーです。あのシーンの爽快感は、例えて言うなら自転車で急な坂道を猛スピードで走っている時の不安と興奮の入り混じった感情だと言えます。他にも山ほど見所はありますが、僕は一番あの場面をお勧めします。 【ボビー】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-04-01 17:31:52) |
3.吉川英治の原作はまだ読んだことがないのだが、井上雄彦「バガボンド」のファンの者としては、まさにその映像化である映画世界として興味深かった。今作は、武蔵(たけぞう)が宮本武蔵へと目覚めるまでのくだりを描いており、武蔵の狂おしいまでの猛々しさが鮮烈に映し出される。個人的には、精神面のディティールで「バガボンド」の方が優れているという感は否めなかったが、中村錦之助演じる武蔵像はワイルドさと弱さを併せ持ち良かった。 【鉄腕麗人】さん 7点(2004-05-01 13:06:18) |
2.錦之助の暴れん坊ぶりはちとオーバーな気もするが、以降の作品の対比として考えれば納得? 壮大なドラマの幕開け。 |
1.吉川英治原作の「宮本武蔵」を五部作という壮大なスケールで映画化。第一部ということで、「ロード・オブ・ザ・リング」でいうと旅の仲間が集まるところ。物語はまだまだこれからだが、今後の展開に大いに期待を持たせてくれる立ち上がり。武蔵は声を張り上げ、無鉄砲で荒々しい。 【紅蓮天国】さん 8点(2003-10-15 16:04:18) |