3.《ネタバレ》 三作目も前作と同様に脱走したが再び他の部隊に見つかって何とか潜り込むことで軍隊生活になってしまった大宮と有田、しかし今回は開幕十五分余りで部隊を脱走、そこからは天津の街に紛れ込んでゆくという新しい展開です。ここでは女郎屋でこき使われた挙句女郎を引き連れて逃亡、なんとその女郎たちとともに新規に女郎屋を始めるという予想外な展開。本作では藤岡琢也=豊後一等兵や玉川良一=坊主上がりの上州一等兵といったゲストキャラが登場しますが、彼らが良い味出しているんです。大宮と有田の関係も、それぞれの出自が違うところから来る対立もありながらも、友情・信頼関係がより深まってゆくところが丁寧に描かれています。二人が同性愛的な心情を持っている観方もありますが、これはさもありなんという感じです。後半から登場する成田三樹夫=青柳憲兵伍長がまた彼にマッチした悪辣なキャラで、まるで憲兵隊のラインハルト・ハイドリヒという風情すら感じてしまいました。大宮と嵯峨三智子=桃子が結婚してしまう展開もびっくりですが、後のシリーズでは桃子という役は登場しないみたいなので、この結婚の先行きが心配です(笑)。 本作は軍隊映画というよりもヤクザ・マフィア映画に分類したくなるテイストでしたが、ここまでのシリーズ三作中ではもっとも痛快でした。ラストが大暴れしたあと何か乗り物を分捕って銃撃を浴びながら脱走するというのはいつもの展開ですが、むき出しのサイドカーに乗って突破するというのはさすがに無理ゲーでしょう、ほんと二人には一発も弾が当らないんだから(笑)。