66.《ネタバレ》 期待して見たのですが・・・
まず原作を知り、粋なサスペンス的映画&哲学的な人間の本性の
映画化を期待し、MISTYで失敗し(でも5点つけた)この有名な
羅生門でなら思ったとおりの世界かと期待しすぎたのかも。
だから可もなく不可もなく厳しい点になりました。
原作がとても私の中でウェイトを占めていたので、解釈から外れるとこうなります。
描こうとしている世界はとてもわかるのですが、かなり美化されているラスト。
映画としては大成功、でもぞっとするような原作のラストの謎がない。
爽やかすぎる・・天国と地獄のときのような終わって放心状態になり、
考え込むことがない。木こりや羅生門や赤ん坊など、あとから足したものが
なければこの映画はこんなに評価されていたか。だから原作をも超えたのでしょう。
でももうひとつ、京マチ子が怖いだけで色気や妖艶さが伝わらない。
うるさいし濃いです。もっと切れたところとさめざめしたところがあると
期待したのですが・・それと三船さんが軽い。聞き取りにくいセリフ。
音楽と映像と(森の中は白黒で大正解)脚本はよい。何が特に気に入らなかったか。
結局まるめこまれてしまったと、見ていてしらけてしまったということ。
羅生門のしたでの3人のうちひとり、本音を言い続ける男のいうことが一番。
洋画のサスペンスであまり好きではないですが、将軍の娘エリザベス・キャンドル、
ああいうタイプの問題作のほうか、閉ざされた森みたいなのを期待してたんですが。
結局でもこのふたつは、羅生門のオマージュですよね。
ということはすごい作品なんだろうなあ・・・