12.《ネタバレ》 小さな子供が金に執着する姿を見せる冒頭から、荷車に括り付けられ引っ立てられるラストまでピカレスクの雰囲気がぷんぷんとしていました。主役の勝新太郎が全然役を演じてる風でないのがすごいですね。希望を一つ挙げるなら、検校へ登りつめてから、もう一発大きい悪さをかまして欲しかったです。 【次郎丸三郎】さん [DVD(邦画)] 7点(2015-09-10 12:30:07) |
11.《ネタバレ》 盲や障害者の人たちは善人だという根拠の無い思い込みを、これだけ豪快にぶっ飛ばしてくれると、清々しくもある。そして、その悪行ぶりも目の見えない事を理由にしておらず、純粋な悪意として描かれており、勝新の演技の生々しさと相まって、実に憎々しい悪党ぶりだ。 最後に自ら仕掛けた罠に、返り討ちに会うように身を滅ぼすのも気持ちイイ! 【Tolbie】さん [DVD(邦画)] 7点(2013-06-22 22:14:58) (良:1票) |
10.殺人、強盗、強姦、脅迫なんでもござれな極悪按摩を演じるは、座頭市以前の勝新。流石、圧倒的ないやらしさ、恐ろしさである。立ち回りはなくとも、外面の良さと狡猾さでガシガシ成り上がっていくストーリーも面白い! 【すべから】さん [DVD(邦画)] 8点(2012-05-09 22:53:28) |
9.ピカレスクロマンの傑作。よくあるようなニヒルで痛快でカッコ良い悪ではなく、本物のワルというか、弱者を苛めぬいてそれを踏み台にする、云わば弩Sの悪漢物。特におはんを絞め殺すシーンは映像的にも秀逸。ただ検校に登り詰めてからは普通の悪代官クラスになってしまった感も。 【Q兵衛】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2011-12-14 09:24:34) |
★8.それまで二枚目風の役柄を演じていた勝新が、初めてダーティーな汚れ役を演じ、のちの自身の代表作である「座頭市」シリーズにもつながることになる時代劇。ここで勝新は座頭市と同じく、盲目の按摩を演じているのだが、この主人公・杉の市の悪人ぶりが凄まじく、同じような風貌でありながら座頭市とはキャラクターからうける印象が全く違う。しかしこんなひどい悪人なのにこうも魅力を感じるのはやはり演じる勝新の存在感、この俳優の独特なオーラと杉の市のキャラクター性が見事に合致しているためだろう。勝新はやっぱりこういう役柄の方が二枚目風のキャラクターより断然あっているし、この映画を見るとこの杉の市のキャラクターが座頭市の原型になったというのもよく分かる話で、この杉の市も座頭市同様に勝新でなければ表現できないような凄さを感じずにはいられない。この映画での共演がきっかけで勝新と結婚することになる中村玉緒はこの頃のほかの出演作同様にとても可愛らしい。勝新との共演は「悪名」、「続悪名」などで見ているが、この映画が初の本格的な共演なのかな。そういえばこの二人の共演って座頭市シリーズでは一本もないような気がするのだが、原型となるこの映画で共演してたのか。でも一度でいいからこの二人の共演を座頭市シリーズの一篇で見たかったなあ。 【イニシャルK】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2009-12-22 14:06:30) |
7.立身出世を目指し、勝新演じる盲目の男が、ひたすら悪知恵と非道の限りを尽くす。出世のためには悪を辞さない。出世さえすれば、悪は悪で無くなる。その狡猾さたるや、高木彬光の『白昼の死角』に匹敵、いやそれを凌駕するほど。「盲目」を表現せんとする勝新の芸の細かさ、細か過ぎるまでの細かさが、主人公のヤな感じをますます醸し出し、見事なまでの“得体の知れなさ”を表現しておりますな(最早、「得体が知れない」のは、主人公なのか、勝新なのか、区別がつかない)。この主人公、いつかはしっぺ返しを食らって没滅して欲しい、だけどその「いつか」ってのはもっと後でいい。主人公が危機を乗り切るたびに、ええい畜生、と思いつつも、どこかホッとしたりもする。主人公の成功は、ひとつの“夢”ではあるけれど、主人公の没落は・・・結局は、次の「悪」が現れるだけなのであって、所詮我々は、常に現れ続ける「彼ら」に利用され踏み台にされ続けるしかないという“現実”。時々は良心ぶって、狂ったように「彼ら」に石を投げつけてみるしかない、という“現実”。 【鱗歌】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2009-11-15 08:35:47) |
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6.これは「座頭市」の元のような勝新演じる盲目の按摩の凄まじいほどの悪人ぶり、金の為ならどんな悪事でも平気でやるその凄さ、同じ盲目でもこの悪人ぶりの凄さ、勝新という俳優にしか出せないような不思議なオーラが作品全体に漂っていて、他の人が演じていたらここまで見ることは出来ない。そのぐらい勝新の悪人ぶりが素晴らしい。ところで中村玉緒はやはりこの頃はどれを観ても本当に可愛い。それともう一人、今回、気になる女優がいる。近藤美恵子という女優の色気にはめまいがしそうなぐらいクラクラしてしまうものがある。勝新と中村玉緒がこの映画での共演がきっかけで結婚した作品として有名らしいけど、なるほどね。これを観れば解るような気がする。演技しながらも演技を超えた愛のようなものをも感じられる。とにかく勝新「座頭市」ファンは観ておいて損のない。いや、一度は観るべき映画だと思います。 【青観】さん [DVD(邦画)] 8点(2009-08-28 21:53:40) |
5.《ネタバレ》 勝新のヌルヌルヌラヌラした感じが最高に発揮されている。子どものときから自分の盲目をネタに言いがかりをつける悪いヤツ。世間は征服する対象としてのみ存在している。障害者のピカレスクが凄味を持つのは、世間との対立感覚がより際立つからであろう。差別かもしれないが、でもここには世間の側が持つ疚しさも関わっているから、見ているこちらにもジャリジャリと引っかかってくるのだ。しかしけっきょく女の心は得られず、自分の罪を他に転嫁しようとした過去の仕掛けによってアシがついてしまうという設定が皮肉。冒頭が祭りの風景で、そこで少年の杉の市が小さな罪を犯すところから始まって、ラストも、祭りを蹴散らしてゆく検校の駕籠が捕縛されるという対比。世間からのつぶてが飛んでくる。まったくひどいヤツだが、ずっとこの映画を見ていた一観客としては、このつぶての一団に加わるほどの真っ白な正義感も湧いてこない。そこにこの映画の価値がある。 【なんのかんの】さん [映画館(邦画)] 7点(2008-12-23 12:11:24) (良:1票) |
4.《ネタバレ》 エンタテイメント性のあるピカレスク物って、主役がちょこっとイイ奴だったりするので茶番だなぁ、と、いつも感じてた。しかし、これは、いいね。滅茶苦茶な悪人なのに、痛快です。そして、人間臭い。勝新太郎(不知火・市)が、最後に呟く「大馬鹿野郎が…」は、なんとも素晴らしき捨て台詞。 【aksweet】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-12-19 00:03:21) |
3.「座頭市物語」の後に見たけど、同じ盲目を演じながら印象が全く違う。勝新はダーティなイメージしかないのでこういう役がぴったり。「悪の限界に挑戦」って煽り通りの内容で悪行の限りを尽くす。眠狂四郎よりも強姦しまくってる。手討(かな?)にまでされちゃう玉緒ちゃんめちゃめちゃかわいいです。こんな映画なのになぜか爽快感がある。 【バカ王子】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-10-15 16:10:26) |
2.勝新太郎の映画はほとんど観たことが無かったのだけれど、これが座頭市の原点なのですかね。しかし盲人の動きとして少し不自然さ(と言うより誇張)が目立ちすぎのようにも思えます。後に勝夫人になる玉緒はさすがに奇麗ですね。悪役ぶりの筋書きは見事で、ここまでワルだと憎めない。しかし本業(?)の琵琶の演奏場面がほとんどないのは残念です。最後の立ち回りのBGMとして取り入れる工夫はなかったのでしょうか? 【たいほう】さん [DVD(字幕)] 7点(2005-09-26 00:29:36) |
1.全国九千万人の悪役ファンの皆様こんばんは、この作品は悪役ファンには、たまらない映画だと思いますよ。めくらながら頭がキレにキレまくる主人公杉の市が悪行の限りを尽くしながら頂点の検校(字が見つかりませんでした)を目指す話なんですけど、この映画の主人公は、ほんと悪い奴なんです。激痛に苦しむ病人を殺して金は奪うし、金に苦しむ女性(中村玉緒)を何度も犯す、あんな可憐な女性に何をするんだ~!(怒)ほかにもキリが、ないほど悪行を行いますので、こらから見る予定のある勝新ファンの皆様、悪役ファンの皆様、勝新の悪っぷり好御期待ですよ。どこまでも続く退廃的な話を見続ける事ができるのは、勝新太郎という稀有な役者の不思議な魅力と言ったら褒め過ぎですかねぇ? 【一番星☆桃太郎】さん [DVD(字幕)] 8点(2004-12-06 00:40:24) |