18.《ネタバレ》 夫に先立たれた未亡人がかつて初めての舞踏会で踊った男性たちを思い出しながら訪ね歩いていくって、勝手に彼らの生活をかき乱しているようにも見えてしまう本作。 ですが初っ端から「息子を失って以来時が止まってしまった母親」というかなりハードな展開を見せつけてくれるのでこの先こんな感じで進んでいくかと思えば、途中に市長になった男性などはフランス特有のコメディ作品を見ているような展開だったり、山に恋した男性はこれまたおフランス産の恋愛ものを見ている感じで、エピソードそれぞれが違った毛色の演出ゆえかなかなか飽きずに観ることができました。 ラストの展開は唐突すぎて「俺、カット版でも観てしまったのか?」と思いましたがどうやらそうではないようで(笑) ただそれ以前のエピソードで「16歳の少女」を登場させたり、ラストの「初舞踏会」のくだりなどなかなか粋な展開があってよかったです。 【クリムゾン・キング】さん [DVD(字幕)] 8点(2021-10-11 20:07:40) |
17.《ネタバレ》 きれいごとにみえて、実はこれ、身勝手な未亡人だ、自分だけが結婚して不幸になったと思っているみたいですが、戦争前後であんな暮らしができてあんな舞踏会に行けたのは世間知らずであったこと。自分を探す旅だけどみんなの生活をかき乱したりしていただけでしょうか。 でもリメイクするならだれかな、と考えるのは楽しかった 【HRM36】さん [インターネット(字幕)] 6点(2021-08-20 13:54:01) |
16.夫を亡くして将来不安になる金持ち未亡人が「あいつ今何してる」的な旅をし、総じて落ちぶれた人生模様を目撃する事により自分の恵まれた境遇を再確認し、ある種の溜飲を下げるという悪趣味な作品だなあと思いながら見ていたのだが、ラストのオチはあまりにも唐突でちょっと現実離れしていたかな。 |
15.《ネタバレ》 同窓会になんか行きたくない人ってけっこういると思うんですよ。ところが同窓の方からいきなり来られる、という考え方によってははた迷惑なお話。ヒロインが皆のアイドルだったから許されたでしょうか? 「思い出は美化される」とは執事氏の言。まさにこの台詞が物語の全てで、どの再会もクリスティーヌの抱いていたノスタルジーの甘やかさとは程遠い。30過ぎて見る「舞踏会」の現実に幻滅するクリスティーヌとは対照的に16歳の女の子は目をキラキラさせて「舞踏会ってなんて素敵」とはしゃぐ。彼女はかつてのクリスティーヌ。きっと16の夜の思い出は彼女の心にもずっと美しいまま保存されるのでしょう。 美しい思い出は美しいままに留めておきましょう。過去を掘り返したとて、前に進む糧とはならないのです。・・というテーマの話だと思っていたのだけど。なんとクリスティーヌは過去の続きから生き甲斐をゲットするというオチでした。いや、なんかずいぶんヒロインに甘い戦前の映画だなあとびっくりです。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2020-04-05 17:17:04) (良:1票) |
14.過去の美しい記憶を辿って昔の人に会いに行く。そして現実と向かい合う。 面白い設定で、それぞれのエピソードもいい。 【simple】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2020-03-08 17:37:22) |
13.古い映画との相性は悪い方と自覚していますが、これはちゃんと最後まで見られました。 約80年前の作品を、それ程違和感なく見られるというのは、それだけで価値があると思えました。後続の映画にも色々いい影響を与えたんだろうなあと感じられる映画。 【くろゆり】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2020-03-04 22:04:36) |
12.作品コンセプトはものすごく魅力的で、手帖の男たちを巡っていく間に人生の悲哀と可笑しさが・・・なんて展開も期待させるのですが、一つ一つが何とも平坦で、似たような感じで。あと、そもそも人数も多すぎかと思います。骨格は面白いはずなので、これは現在のセンスで誰かリメイクしてほしいなあ、と考えていて思い出したのがジム・ジャームッシュの「ブロークン・フラワーズ」なのですが、あれの元ネタは実はこれ・・・ってことはないか。 【Olias】さん [CS・衛星(字幕)] 3点(2020-02-11 21:58:17) (良:1票) |
11.《ネタバレ》 夫を亡くしたマダムがふと見つけた手帖。そこにはかつての若き日の思い出、舞踏会で知り合った男性たちの名前が書かれている。 という訳で、マダムは思い出を探りに、これらの男性のもとを訪れる、というオムニバスっぽい構成。この過去に思いを馳せる冒頭部分は、合成映像があったり、壁に舞踏会で踊る人々の影が映し出されたり、ちょいと幻想的な演出があります。 でもまあ、自分のこういう「恋愛時代」をホジクリ返したって、大抵、ロクなことはないんですよね。だもんで、主人公が誰の元を訪れようと、ロクな話が聴ける訳もなく。一件目の訪問先からすでにして家庭崩壊状態、幸先悪いことこの上もない。二件目、三件目と訪問を重ねるにつれ、気のせいか、相手先がだんだんエキセントリックになってきて(それにつれて主人公のマダムの存在感も薄れてきて)、最後に訪れたアヤシイ医者の家に至っては、撮影するカメラまで傾いている(笑)。どうして手帖の人物はみんなこうもヘンになってしまったのやら。 と思ってたら、医者が最後ではなくって、この後もう一軒寄った先の男性は、平凡な散髪屋のオヤジになっておりました。平凡が一番よね、でも何となく寂しい。だから言わんこっちゃないのよ、そういう過去をホジクリ返しても、幻滅以外に何がある? と思ってたら、この平凡オヤジも最後ではなくって、これがホントのラスト一軒、というオマケ付き。あきらめが悪いというか何というか。映画的にはこれでオチがつくのですが、主人公は救われたのやら、もはや救いがたいのやら。 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2020-02-08 03:47:56) (良:1票) |
10.一つ一つのエピソードが変化に富んでいて味わい深く印象に残る映画だった。ジョルジュの母親を含め20年ぶりに再会した相手が個性的で名優の集まりにも思える。Valse Grise(灰色のワルツ)のメロディーがいつまでもこころに残る。 【ESPERANZA】さん [DVD(字幕)] 8点(2015-06-02 20:57:47) |
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9.あの頃出会ったあの人はどんな人生を送ったのだろうか、という思いが時々頭をよぎる。若いころに舞踏会で踊った相手の消息を訪ね歩くヒロインも、歳を重ね未亡人ということもあり、そんな感傷を抱いたのか?相手もひとつひとつの人生を送っている。中には犯罪者もおり、十人十色、栄枯盛衰、人生いろいろ、山あり谷あり・・・さまざまな言葉が思い浮かぶ。人生の意味を深く問いかけるような映画だった。だいぶ前にテレビで一度見たきりなので、また観たい映画の代表格。この映画の監督J・デュヴィヴィエ、F・キャプラ、木下恵介は何か相通じるものを感じる。3人とも巨匠として評価されているけど、私としてはトップクラスで名前を挙げたい監督だね。 【風小僧】さん [地上波(字幕)] 10点(2013-06-23 21:55:15) |
8.丁寧に描かれる各人の20年間の生き様。クリスティーヌ16歳の初舞踏会から20年で36歳。まだまだ長い人生をどう過ごすのだろうか、再び20年先に彼らと顔を合わせたらどんな話をするのだろうか。歳を重ねるということに考えが及ぶ作品でした。 |
7.各エピソードがバラエティに富んでおり飽きが来ない。エンディングの展開は予想していなかっただけに非常に味わい深いものだった。マッタリとした気分で臨む映画である。 【円軌道の幅】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2010-02-13 20:05:22) |
6.《ネタバレ》 初舞踏会という、一生忘れないであろう晴れ舞台。 一生に一度の思い出の場所。 煌めく青春の思い出。 それはとても遠い日の記憶で、なおのこと美化されている。 そして、「あの頃は良かった」という、ある種の呪縛にかかっているのだ。 つまり過去にとらわれている。 そんな状態を打破する為にも、主人公の女性が取った、思い出の人達を訪ねて回るという行動は、意味があったのではないだろうか。 しかし一方で、せっかくの若き日の思い出を、歳月が過ぎてから暴いてしまうことで、本作のような幻滅を味わってしまいかねない。 だけど、やっぱり私なら、ふとした時に過去の素晴らしき思い出の人と会いたいと思うだろう。 別にそれは過去の縛りから脱却したいとか、もう一度ロマンスを味わいたいとか、そんな大げさな理由からではなく、単なる好奇心を満たす為ではあるが。 実際それに似たことを実生活でも実行したことがあるが、別に感慨めいたものはなく、むしろ相手方が自分が思っていた以上には自分のことを憶えていてくれなくて、ガッカリしたという経験がある。 青春の淡い思い出の蓋をもう一度開けてみたい、だけど、幻滅するかもしれない。 開けてみた方がいいのか、それとも、そのまま閉じておいた方がいいのか。 このテーマを様々なエピソードを交えて表現した本作は、なかなか見応えがあった。 ただテンポが悪く、尺の長さも気になった。 思い出の地や思い出の人を久しぶりに訪れたい。 このノスタルジアに溢れたテーマ。 実に興味ひかれるテーマである。 それにしても、最後の終わらせ方が印象的だ。 これから初舞踏会を迎える男に、自分の人生をダブらせて、肩をそっと押してあげる主人公の女性。 結局、この女性にとって、若かりし頃の初舞踏会の思い出は、やはり美しく輝きを持ったまま、この女性の心の中に残っている。 そんな女性の胸中を、やんわりと観る者に伝える、味のあるラストであった。 【にじばぶ】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2009-05-04 01:46:59) |
5.もう会わなければよかった、っていうのはちょっと考えてみれば誰にだって分かることなんですが、でも相も変わらず人間は同じ間違いを延々と繰り返し続けています。もっともその落胆を通して人間は(ようやく)新しい人生へと脱皮できるというのもまた真実です。まあ、すべての人がそうできるわけではないんですが・・・ 【きのう来た人】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-02-16 05:51:16) |
4.《ネタバレ》 2005年、最後の最後に素晴らしいものを観させて頂きました。これはもう兎に角美しいとしか言いようがない…。他の作品のレビューでも「美しい」を連発しているけど、この作品に限ってはそれ以外言葉が見つからない。優雅なオープニングから舞踏会での乱舞、灰色のワルツの曲、そして極め付けは主演のマリー・ベルの容姿。てっきりもっと頻繁に舞踏会が出てくる映画かと思いきや、実際は過去に舞踏会で踊った相手の亡霊を探しに行くという(中には本当に亡霊になっている人もいたりして)なかなか倒錯したストーリーではありますが、過去に思いを馳せる登場人物たちの心情が丁寧に描かれていて良かったです。また中盤の『第三の男』を彷彿とさせるような印象的なカメラワークも、その場の不穏な空気を駆り立てていて効果的でした。ラストは一瞬何が起きたのか分からなかったけど、巨匠デュヴィヴィエの卓越した演出センスを感じさせます。9点に近い8点。 【かんたーた】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2005-12-29 14:26:15) |
3.いやいや、深い映画ですコレ!面白かった~!!現実って残酷ですね。これって結構男性の方はドキッとするんじゃないでしょうか(現にウチの父がそうだったみたいなので)でも私は学生なので、もしかしたらこの映画の本当の良さをこれっぽっちも理解出来ていないのかもしれません。また年を取ったら観てみたいと思います☆ 【Ronny】さん 8点(2004-05-19 23:37:15) |
★2.この時代の映画に詳しくなんかないですが、カッコつけてレビューします。オムニバス形式の最高傑作とかいう宣伝文句と名作の先入観から免れないのですが、ペシミスティックだけど温かみと甘美な余韻がある傑作でしょう。やっぱり。これを観たとき、第一話はそんなに面白く感じられず、2話になってからはまった記憶があります。ルイ・ジューヴェいいですね。相乗効果っていうんでしょうか。各話が連なっていくごとに、味わい深くなっていきます。でも、一話ごと短い時間であっという間に観る者を引き込む演出はすごいと思いますね。主人公ちょっと遊びすぎだよ、とも思いましたが、人間ある程度年をとると、あんな旅行は誰でも怖いけど夢見るもんじゃないでしょうか?いや、あんなにモテモテの人間そうはいないでしょうけど、あの人は自分に気があったと勝手に思い込んでる思い出の人っているでしょ?。現実にあんな旅行やったら失望するのがオチでしょうけど。本作は一種の願望の映画化だと思います。技術的な話や監督や俳優のことについては、私にはあまりできませんので他の方の素晴らしいレビューを見てください。きっと技術的にも凄いのでしょう。 【しったか偽善者】さん 9点(2004-02-24 22:04:26) (良:1票) |
1.どなたもコメントが無いんですね。「めぐり逢う朝」とか「砂のミラージュ」とか、名作(是非観ていただきたいです)だと思うんですが・・・。これもなかなか良かったです。昔のダンスパーティで出逢った男性達を主人公が訪ね歩くのですが、そこには厳しい現実が待っていたというお話です。やや懐古的ですが、充分いま観ても面白いし、人生を知る意味でも佳品だと思います。ラストは結構、過去を懐かしむ年令になった人にはガツンと来るかもしれませんが。 【大木眠魚】さん 7点(2003-12-10 20:52:38) (良:1票) |