142.戦争は愚かで滑稽なものと、とても見事に描いている。セルビア側とボスニア側は元より、国連軍の頼りなさやマスコミの功罪もとても巧く織り込んでいる。ドイツ人とフランス人の描写を含め、随所にユーモアも混ぜ込み全く飽きさせないものの、終始随分とシニカルなテイスト。内戦て戦争てどういう意味があるのよ?と思うと同時に、だから内戦て戦争てこういうことなのよ、とラストシーンが象徴しているのだと感じました。傑作です。 【泳ぐたい焼き】さん [DVD(字幕)] 9点(2009-03-08 20:18:48) |
141.《ネタバレ》 シリアスな内容で、誰もふざけていなくて真剣なのに、なぜか滑稽で面白い戦争映画でした。戦争という、人間にとって永遠の課題であるテーマに、映画の醍醐味であるエンターテイメント性も加え、まるでドキュメンタリーのような、かたや舞台劇のよう感じました。反戦への思い、国連の低能さ、マスコミの非常識さが、分かりやすくストレートに伝わってきます。BGMが一切無く、緊張感漂う空気が最初から最後まで続いています。 【VNTS】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-03-03 19:37:07) |
140.《ネタバレ》 こういう戦争映画は今までなかった。徹底して(直接描写せずとも)残酷な戦闘シーンを描くか、あるいは徹底してコメディ化して皮肉るか、が戦争映画のセオリーだった。 だがこれは違う。ある意味で戦場の凡庸な日常と凡庸な生が描かれている。戦闘シーンと言えそうなのはオープニングだけ。あとは3人の兵士を取り囲んで時が過ぎていく。だがそこで描かれたものは重い。敵対しあう必要のない者同士で敵対しあい、最後には死んでいく。そして結局無力な国連軍と、結局金のためにひっかきまわすマスコミと。最後に一人地雷を背に残された男はいったい何を思っているのだろうか。あまりにも不条理にすべてから見捨てられた男、だがこれこそが戦争なのだろう。 【θ】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-01-03 23:44:00) (良:1票) |
139.《ネタバレ》 登場人物はわずか数人。小規模でシンプルに描かれる、戦争の始まり方と終わり方。 演出のキレの悪さは否めませんが、実際ボスニア戦争に従軍していた監督の手による脚本は、デビュー作と思えない完成度の高さです。 2人の敵対する兵士は同じ大地で生まれ、同じように自分の大地を愛している。お互いそのことに気がついて友情らしきものが芽生えるのだけれども、今日の今日までいがみ合っていただけに、そう簡単に相手を信用することなど出来ない。相手のささいな行動に過剰反応しては発砲。やられた方もやりかえせ!とばかりに発砲。そして結局…。 まるで子どもの喧嘩のようなこのやり取りが、戦争の現実なんでしょうか?なんて空虚なんだろうと思うと同時に、自分も同じようなことをしているのに気がついてゾッとする。「あらゆる暴力に対して異議を唱える」という監督の言葉が突き刺さりました。 また、戦争報道の受け止め方についても考えさせられる。 彼らが戦地で取材するから私たちは戦争の存在を知るのだけれども、彼らのカメラに写らなかった人々にこそ、本当の悲劇が降りかかっているんじゃないだろうか。 国連からも報道からも見捨てられた地雷男は、荒廃した地に取り残され困惑する民間人のカリカチュア。彼らを傍観することが罪なら、知らない事だって罪のはず。これだけ情報化された社会で、それでも一番大切なことは想像力を働かさないと知ることができないのかも。 【kika】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-10-05 22:00:23) (良:1票) |
138.《ネタバレ》 一兵卒の絶望的な状況で、周りにどんどん関わる人が増えてきて、国際的な事情も巻き込んで、ととても大きい展開と、ちんまりした場面。 これに重いテーマがドーンと乗っかるあたり、この手の映画の醍醐味です。 戦争を欲のために世界大戦をすることのように直感的に勘違いしている日本を含めた東アジアの人間には衝撃的。 人間、欲程度の事ではそうそう戦争は起こしません。じゃぁなんでこんなことになるの、と考えさせられる貴重な一本。 コメディではないような気が・・・。 【黒猫クック】さん [映画館(字幕)] 7点(2008-08-24 13:21:51) |
137.《ネタバレ》 戦争がテーマですが、重くも軽くもなくほどよい空気とテンポで三人の人間を描いてるんですが、なんか物足りない。テーマがテーマなだけに話をキレイにまとめないところはすきですが後味悪すぎ。しかも、いきなり終わるので見た!って感じがしないです。 【すべから】さん [DVD(字幕)] 5点(2008-07-07 14:51:41) |
136.現代を一つの設定としてうまく言い当てるのも映画の仕事。美しい田園が広がる中、背中に地雷を感じて微動もできず、便意をこらえつつ横たわり続けるという状況に、“現代”が、単にボスニア・ヘルツェゴヴィナという地域を越えて、言い当てられている。この切迫感と、それをうんざりしている気持ちとがまぜこぜになった心理状態。セルビア兵とボスニア兵が、互いに銃で脅して「戦争は俺たちが仕掛けた」と言わせ合うあたりの笑いも苦い。国連もマスコミも最後の裁き手としては登場しない。ただ遠雷が聞こえてくるだけ。 【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 7点(2008-06-12 12:10:00) |
135.敵と1対1という極限の状態の中に笑いのエッセンスを少し加え、国連の平和維持軍の在り方について問いただし、戦争の無情さを描いた、見る者を引きつける映画でした。たいていは戦争を茶化すか、または非情な場面のみを映すかだけなんですが、この映画のバランスは絶妙です。 【shoukan】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-02-17 17:57:38) |
134.《ネタバレ》 戦争という状況が生み出した悲劇をものの見事に表現した見応えある作品。一番凄いのは、監督がボスニア人で実戦経験のある人であることだ。そんな人間がこれほどまでに中立に描けるのは凄い。そして惜しいことに、日本の配給会社はこの映画をコメディとして売ろうとしていた。確かにブラックコメディだが、そこをあえて押すべきではない。どんな映画でも興収を上げるためなら何でもする日本の配給会社は、チキから見たマスコミそのものだ。でも、幸い変な邦題を付けていないだけマシかもしれない。 【TOSHI】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-01-15 23:09:37) |
133.《ネタバレ》 メインの2人はあの現場でこそ敵対していましたが,もし戦地でないところで出逢っていたらどうなっていたのか…なんて考えると,きっと映画中の会話で出てきた共通の知り合いの話やなんやで気心の知れた2人になっていたような気がします。特に恨みつらみはないけれど相手が自分を殺そうとするから相手を殺そうとする,相手に取っても同様であり,戦争の虚しさの縮図がこの2人の関係性に集約されているように思いました。平和のために活動しているはずの国連はただのマスコミの取材の標的という存在に成り下がっているし,マスコミは平和をただ口で訴えるだけで何の役にも立っていない。特に憎いわけでもないのに殺し合おうとする2国の兵士,意味のない国連や地雷撤去部隊,何も面白そうなネタがなければそそくさと帰るマスコミ,そして極めつけは全世界に取り残され動けなくなった兵士。全てがこれ以上ない強烈な風刺であり,戦争映画としてはかなりの傑作だと思います。派手なドンパチはありませんが,戦争の無価値さを訴えるのにそんなものは必要ないことを証明してくれました。 【Thankyou】さん [DVD(字幕)] 9点(2007-11-25 04:06:57) |
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132.こんなに戦争を愚かに感じた映画はありませんでした。 戦争をさせられている人がそうなのではなく。 戦争自体が、あまりにも、くだらない愚かなものだなぁ、と思います。 コメディだったのか。。。 【猿の腰掛け】さん [DVD(字幕)] 7点(2007-08-06 17:54:11) |
【ちゃじじ】さん [DVD(字幕)] 7点(2007-06-14 15:57:25) (良:1票) |
130.戦争を思いっきり皮肉ってますね。国連も名前だけでな~んもできない。ニューシネマを思い出すような救いのないラスト、このモヤモヤ感がたまりません(笑)結局戦争っていうのは子供のけんかといっしょでふとしたことで起こってしまいしょーもないことで人を殺してしまうんですよね。終わり方も戦争ではよくあることで仕方のないことだと思えば、、、監督の撮り方は上手いなぁ。。 |
129.国連が無力だということがよくわかった。 日本がここに関わってなくて良かったと思う。 できればこういった憎しみの連鎖には加担したくないものです。 物語としては、後味の悪いものですけど、メッセージとしては強く印象に残った。 【もとや】さん [地上波(吹替)] 8点(2007-05-15 18:59:30) |
128.《ネタバレ》 何と、あれだけの空間設定と時間設定(わずか1日の話)の中に、これだけ多くの要素を凝縮してみせた手腕にびっくり。最初はひたすら塹壕とその近辺を舞台とする心理ドラマかと思っていて、国連やらマスコミやらが出てきたときは、話拡げすぎでは?と思いましたが、終わってみれば、見る者を突き放すラストとして結実しています。舞台劇でもできそうですね。 【Olias】さん [DVD(字幕)] 6点(2007-05-14 02:09:07) |
127.見る方向が面白い戦争映画だと思います。ひとつの場所だけ(たまに飛びますが)でこれだけ楽しませてくれるところが良いですね。そして、やるせないあの終わり方・・・戦争のむなしさを物語っています。 【SAKURA】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-02-19 22:25:00) |
★126.それはすべて一日の出来事だった。 戦争はただの殺し合い。 この映画を見て思ったこと。救いの無い物語…、それが戦争。 【アンナ】さん [DVD(字幕)] 6点(2006-12-09 12:36:24) |
125.《ネタバレ》 国連が悪者あつかいされて皮肉られていたがそれはちがうと思う。「殺し合いが行われているのに、なにもしないことは戦争に加担しているのと同じことだ」と自分の組織を痛烈に批判した軍曹だけが善人のようにみえるが、よく考えてみるとアメリカの今やっていることと軍曹の行動は似ている。本人は良かれと思って積極的に行動しているが混乱は増すばかり。最後はごらんとおりの結末で3人を助けようとした軍曹の理想はあっけなく崩壊することになる。それではどうすれば良いのか?と言われそうなものだけど解決策があったら戦争などとっくの昔になくなっていたでしょう。戦争は理不尽だ。戦争を目の前にして行動しなければ批判され、行動を起せば軍事介入と色眼鏡で見られることになる。 ひじょうに印象にのこったのはラストシーン。2人が一瞬のうちに殺されたとき、それを目の前にした報道陣が「今の瞬間をカメラに撮ったか?」と嬉しそうに話していたこと。 それをみると「戦争映画」すらも反戦のメッセージを伝える意義と同時に、金儲けや出世のための手段であるという事実を思い知らされる。さいごは音楽を流さず無音のままエンドロールを迎えたらもっと良かった。 【花守湖】さん [DVD(字幕)] 6点(2006-04-29 11:33:32) |
124.これは良かった。 世界の縮図をわかりやすく見せられたような映画だった。 【STEVE-O】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2006-04-17 09:24:07) |
123.《ネタバレ》 非常に辛辣な作品です。かつて同じ国の中で共存していた民族同士が殺しあうことがいかに愚かで馬鹿馬鹿しい事であるかを描いています。また、ボスニア紛争に欧米諸国がいかに身勝手かつ無責任に関与していたか、そしてマスコミもいかにこの殺し合いを、一つのソフトとして無責任かつ興味本位で取り扱っていたかを皮肉っています。 見終わった後非常に苦々しい感情が残る作品です。ただ、ストーリーは非常に面白いですし、いろいろな事を考えさせてくれる良い映画だと思いました。 【TM】さん [DVD(字幕)] 8点(2006-04-16 21:50:45) |