143.《ネタバレ》 この映画は、孤独な男が娘を見守り続ける平穏から始まる。
誕生日、ビデオ、母と娘を映す誰かの視点・暗い部屋で見つめる写真。
プレゼント、パーティー、抱擁、繰り返される撮影、馬、プレゼントの差。
扉を開けたら押しかける仲間たちの慰め、護衛仲間とトランプ 電話。
激しい戦いが起こるだろうと期待を抱かせるのは、10分を過ぎた辺り。
優しき父親は危機を察知すると仕事人の顔つきになり、キャメラも微かに揺れ出し不安を煽るようになり、押し寄せるファン、影に潜む刺客を取り押さえ守り抜くボディーガードの身のこなし。
一息、カフェで家族団欒…できない渡される紙とペン。
地図、別れの撮影、「電話してね」とお父さんは心配なのです。
ナンパ、観客に予告してしまうもの、「裏窓」さながらに窓の向こうで目撃するもの、嘆きを聞いて即座に行動に移るプロフェッショナリズム、アドバイス、ベッドからの視点・叫びだけが伝えるもの。
繰り返し聞いて得ようとする手掛かり、募らせる憎悪。
手掛かりを得るためなら壁を這いガラスをブチ破る!
残されたもの、推理、想像、情報収集、“鏡”に映っていたもの。
初対面に鉄拳浴びせまくる捜索者、巻き込みまくる大迷惑、狩人は車の中でとっ捕まえて殴りながら尋問、車を盗みまくる追跡、犯人も橋から飛び降りてまで必死、空回り。
女に執拗に絡むのは獲物を吊り上げ“信号”をつけるため。
腕に刺されたもの、布に覆われたもの。巻き込まれた女、女、女たちの顔、顔、顔。
斜面を敵の車ごとブッ転がしながら駆け下りるチェイス、窓に落ちるもの、壁だろうが建物ごとブチ破る。中指を立てる報告。
配線イジッてまた盗車。
ハンガーを折り曲げて吊るす治療、電話の行方。
手に刻まれた印、取り引き、声の“一致”。
机をひっくり返し、敵の得物で大暴れっ!!容赦なく拷問、膝にブッ刺す電気椅子、唾には電流でお返事、放置プレイ。
洗面所に隠していたもの、手から顔面に浴びせるもの、容赦なく引き金を引く覚悟、平手打ち。
オークション、窓の向こうで見たもの。
買い物、お約束…あるいは娘を救いたいがために信じられないパワーを発揮したのか、蒸気。
橋の上から船に飛び乗り、武器を手に入れ、扉の窓、扉越し、閉鎖空間における一騎打ち。
敏を割りまくり、足を引きずってでも迎えに行く!
締められる扉とともに終わる物語。
制作はあのリュック・ベッソンだ。
「レオン」で「リバティ・バランスを射った男」のクイズをジャン・レノに出題させたあのベッソンである。
ベッソンと監督のピエール・モレルはジョン・フォードの傑作「捜索者」も見ているに違いない。