★6.意外と楽しませてもらいました。室田日出男の悪どさとか、加藤嘉のひからびた感じとか、小池朝雄の緊張感からの妙なオチとか、木の実ナナのせつなさとか。しかし肝心の菅原文太は期待はずれ。もう少し重要な役かと思ったのに、別にいてもいなくてもいい感じでした。高倉健はまあこんなもんでしょう。 で、全編を通じで気になったのは貧しさ。刑務所はもちろん、民家も、安宿も、食事も、マンションも、汽車も、何から何まで貧乏くさい感じ。70年代の日本はこんなに貧しかったのかと痛々しく思えるほど。こんな時代には帰りたくないなと。 ただ、おそらく日本の豊かさは今ぐらいがピークで、これから先は貧しくなる一方でしょう。70年代と比べてどうなるのか見ものです。 【眉山】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2022-03-16 01:10:52) |
5.作品の前提となっている「高倉健さんはカッコいい人」というのを知らない外国の人が、英訳されたタイトルが「Great Escape」だったりした本作を見たとしたら、「What is this?」ってなもんだったんじゃないでしょうか?なんちゅう言いがかりとも思いましたが、日本のオッサンのワタシが見ても、「なんだコレ」って思ったもんで。2点は田中邦衛さんの役作りに。 【なたね】さん [DVD(邦画)] 2点(2021-05-17 16:28:03) |
4.《ネタバレ》 序盤の脱獄から、雪山を渡り、民宿に身を潜めるまでは緊張感があって、先を期待させる面白さがあったのだが。中盤から後半は過去の免罪に対する復讐の鬼と化する。最後は単調で、何のシナリオもなくて、全然期待外れでしたね。 【SUPISUTA】さん [DVD(邦画)] 5点(2017-01-23 22:32:53) |
3.《ネタバレ》 高倉健の映画を沢山、見ているとどの高倉健もこの人でしか味わえない健さん的な男の魅力に画面に釘付けになります。そんな男が惚れる。憧れる映画スター健さん、作品の内容はどれもこれも似た様な話なのに監督が違うだけで雰囲気がまるで違って見える。マキノ映画や山下耕作監督、加藤泰監督作品とは明らかに別な作品になっている。義理とか人情とは違う健さん、監督が石井輝男監督だからか?網走番外地の様な世界、田中邦衛に騙され、殺人罪の罪となって復讐の為に脱獄して、最後は復讐を成功させるとお決まりの展開の先の見える中で出会う男達の顔ぶれがこの映画の凄いところで、菅原文太との共演、二人の熱い演技、喧嘩のシーンの迫力、迫力と言えば雪の中での列車のシーンは石井輝男監督がアクションの監督としての拘りを感じる事が出来る。この作品を見て改めて高倉健と雪、北海道、列車が本当によく似合う事が分かりました。豪華な顔ぶれの中で小池朝雄の良い人というのも珍しく印象的な人物として忘れる事ができません。荒削りな作品ではあるものの、見所のある作品としてこれもまた健さん映画の代表作の1つだと思うと同時に高倉健と菅原文太の東映映画を代表する共演をもっと観たいと思う気持ちが今まで以上に強まりました。それも今はもう叶いません。惜しい二人を失ってしまった今の日本映画界、こうしてDVDで見る事が出来る事は嬉しく思う。 【青観】さん [DVD(邦画)] 7点(2017-01-12 19:21:47) |
2.《ネタバレ》 昨年立て続けに亡くなった東映を代表する二人のスター俳優 高倉健と菅原文太が本格的に共演を果たした石井輝男監督によるアクション映画。高倉健はこの後間もなくして東映を退社してフリーに転身する時期なのでこのタイミングでのこの二人の共演はけっこう貴重かもしれない。(ちなみに未見だがこの年はもう一本、「神戸国際ギャング」でも二人は共演している。)タイトルのごとく囚人たちの脱獄作戦をメインに据えたストーリー・・・ではなく、嵌められて無実の罪で死刑判決を受けた健さん扮する主人公が脱獄し、復讐を開始するという「網走番外地」シリーズにもありそうな展開。菅原文太は主人公と共に脱獄し、いつまでも主人公に付きまとう男の役で、存在感もあり文太らしい味も出ているのだが、両者並び立つというよりは健さんの引き立て役に終わってしまっているような気もする。それでもこの二人が機関車の中で復讐を遂げるために戦うクライマックスは見ごたえじゅうぶんで、このコンビも新鮮に感じる。主人公を嵌める男を演じるのが「網走番外地」シリーズなどでは健さんの仲間を演じることの多い田中邦衛(見る前は本作でも脱獄仲間の一人を演じていると思い込んでた。)というのが意外に感じる。それにしても、下の方も書かれているが、高倉健という俳優は雪景色を前にすると本当に絵になる俳優だとあらためて思う。なお、本作が石井監督と健さんの最後のコンビ作とのこと。 【イニシャルK】さん [DVD(邦画)] 7点(2015-02-20 21:01:18) |
1.先日亡くなった二人の大俳優、高倉健と菅原文太の共演作。東映作品史の分水嶺、という訳でもないかも知れませんが、任侠映画で東映を支えた高倉健が、ヤクザ映画から身を引き東映からも退社する直前、そして菅原文太が新たなヤクザ映画スターとして確固たる地位を築いた頃の作品ですね。で、監督が石井輝男。本作はヤクザ映画じゃなくって、網走番外地第一作にまで回帰した、吹雪の中の脱獄映画。ただし、すでに石井輝男がだいぶおかしな事になっちゃってる(笑)ので、殺人シーンにおける残酷描写が、これまたエライことになっちゃってます。心臓の弱い方と笑い上戸の方は、それなりにご注意を(あと、一瞬挿入される機関車の脱線シーンの意味がようわからん)。実際には犯していない殺人の罪から死刑判決を受けながらも、他の死刑囚たちの脱獄騒ぎに乗じて逃亡、雪原を乗り越え、ストリップ嬢との出会いと別れを経て、時には自暴自棄のように暴力的になりながら、自分を嵌めた連中への復讐を目指す。そして、一緒に脱獄し、健さんになぜか付きまとうのが菅原文太。何を考えているのかわからぬ不敵な笑みを浮かべ、それなりにいい味出してます……が、出番は必ずしも多く無いんですね。むしろ、もっとチョイ役ですが、小池朝雄のやたら“いい声”の方が、妙に印象に残ったり。それにしても、健さんにはやっぱり雪が似合いますね。 【鱗歌】さん [DVD(邦画)] 8点(2014-12-07 16:18:39) (良:1票) |