24.《ネタバレ》 (選ばれた人、君は特別)そのようなセリフ。
そして科学者が手がけてきたのは人間のコピー。
つまり自分は人間の雛形を作る神だと勘違いしているわけで、
主人公の名がリンカーン(アメリカの創世記ともいえて)というのもおもむろに変だけど、
自分の発注者を逆に殺すあたりはケインとアベルに見えたし。
リンカーンが連れだって逃避行した女性と初めてのキス、
これはアダムとイブだなぁと思いながらでは最後はモーゼだろうと読んでいたら、
やはりノアの箱舟を髣髴とさせる小型の船にはラテン語・・
基地から逃亡し帰ってきて仲間を救うモーゼになったリンカーン。
コピー人間たちはまだ与えられた記憶しかありませんが、
彼らの未来は明るくはないと思いました。
なぜなら発注者の潜在意識は消えることはないからです。
罪から生まれた無垢な魂はどれだけの可能性を秘めているのか・・
帰ってきた英雄リンカーンも自分の片割れを殺したのです。
人格も攻撃的に変わりその未来は指導者になるだろうと予測できます。
クローンが本当の人間界と合うはずがなく(同じ人間も多いので)
反体制を強いて滅びることは目に見えている哀しさ。
遅かれ少なかれそういうクローンが現れるのはわかりきっている。
それならばそういうモノを作らなければよかったとまた上のエゴのせいだけにしてよいものか。
このラストの爽やかさには逆に諦めと暗さが残りました。
壮大なSF大作に仕上げられたのに私は疲れただけになってしまったのは、
T3のカーアクションよりひつこい中半からの関係のないシーン。
カーチェイスを映すなら目標を定めてほしいです。
揺れの多いカメラワークと平面的な構図が多くこれは映画館では逆に酔うと思いました。
そこまで描けるのになぜアクションばかりを重視したのか?
もうその時点(あまりに長く力を入れていたので)娯楽SFと思ったほうが楽とガックリ。
その割りにメッセージ性が誰が見てもわかるくらいあるから私には長かった。
どちらかといえばこの映画の内容は万人受けではなくSFの古典のようなメッセージ作品でしょう?
旧約聖書のSF版みたいな重厚なストーリーがアクションSFになってしまい残念。