30.75年前の作品なのに、すごい迫力だ。これがあるなら別に『プライベート・ライアン』作んなくてもよかったんじゃないかというくらいリアルで、スケールが大きい。最近PTSD(心的外傷後ストレス障害)についての本を読んだばかりだったのだが、この作品なら兵士の神経がどのように削り取られ、精神が破壊されているのかを等身大の視点で理解できる。食料もなくひたすら塹壕にこもるという極限状況。虱を潰し、ねずみと戦い、砲弾の音で眠ることも出来ない苦しさ。突然叫びだして外に飛び出しては撃たれる兵士の姿が痛ましくてならない。兵士たちを英雄に仕立て上げる銃後と、汚らしい場所で惨めに死んでいく現実の兵士たちのギャップは激しい。戦場の汚さをこれでもかと見せつけられる。とくに戦場でガトリングガンの目線でなぎ倒されていく敵兵たちの様子をスクロールする場面は圧巻で、あらゆる戦争映画の中でも最も恐ろしいシーンの一つだ。 『火垂るの墓』などは嫌いだけど、これはなぜか素直に鑑賞することが出来た。映画の最初に宣言されている通り、この映画は思想を前面に押し出すよりもまず、兵士たちの姿を克明に描くのを目標としている。だから反戦というテーマを上手く消化できなかった作品、左翼の論文のようなごつごつした手触りの駄作にはなっていない。自らの思想を表現するための道具として戦死者を利用しているのではなく、何よりも先に犠牲者たちへの敬意と誠実さがあるのだ。 いかにもベタな悲劇のシーンですら、泣いてしまった。最後の十分間の切なさはとくに忘れがたく、いつまでも記憶に残ることだろう。 【no one】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-12-01 17:22:42) |
★29.戦闘シーンがリアルな迫力があった。戦争映画の「戦争」に対するメッセージは、今も75年前も変わっていない。「戦争の悲惨」をこの作品がもっとも骨組みで、基本的な部分を描いているように思う。 【Syuhei】さん [DVD(字幕)] 7点(2005-11-13 00:18:19) |
28.戦闘シーンのすさまじさを見せつける映画が多い中、この映画の、最前線での兵士たちの恐れは直球的で、賛辞に値する。この映画を観て、戦争を美化している映画(キムタクの『君を忘れない』とか)に嫌気を感じてしまいました。戦争の怖さ、空しさを知っているからこそ、郷里での恩師の扇動教育に激しい怒りを感じる主人公に、同感してしまいます。戦争って、首脳も悪いですが、疑問を持たずに助長する人間も同罪ですね。殺し合いよりも、食料の奪い合いのシーンが印象的でした。さすが、戦争を知ってる現役世代の人たちが撮った作品ではある。 |
27.戦争映画の傑作。戦間期に製作されたレマルク原作のこの映画には反戦のメッセージが強くこめられている。戦争という国家と国家の威信をかけた対立の前では一人の人間の命などは些細なものであり、それはもはや「異状なし」と表現されるのである。 【CPA】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2005-10-28 05:23:00) |
26.やっぱ戦争はイカンってことをしみじみ感じさせる作品です。主人公が手をかけた敵の兵士が微笑んだ表情で死んでいく場面は痛かったなぁ…(涙) 【イサオマン】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2005-09-19 21:31:19) |
25.これだけの映画を作っておいて2次大戦を起こした人間の愚かさに、観た後ヘコんだ。 【えいざっく】さん [DVD(字幕)] 5点(2005-07-07 14:24:53) |
【ゆきむら】さん [DVD(字幕)] 9点(2005-05-01 15:12:37) |
23.この映画には、今のハリウッドが作る戦争映画に、よく出てくる英雄なんか一人も出てきません。それでも痛いほど戦争の虚しさが伝わってきます。やたら戦意を煽る教師に純粋過ぎるためにその思いに応えてしまう生徒こうゆう図式は、ほんとに怖いです。 【一番星☆桃太郎】さん [DVD(字幕)] 8点(2004-06-30 23:39:02) |
【コジコジ3】さん 7点(2004-06-24 07:58:02) |
21.当時の人はどんな気持ちでこれを観たんだろう。1930年といえばその後にファシズムや軍国主義が蔓延してこういう作品は否定されたに違いない。その後の大戦で死に行く間際にこの作品のことが頭によぎった人がいたとすれば皮肉だ。 【膝小僧】さん 8点(2004-04-21 00:07:20) |
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20.70年のほうを見ようと思ったらついこっちを借りてしまいましたが、なかなか出来が良かった。ラストの物悲しさもいい。 【亜空間】さん 7点(2004-03-08 11:14:15) |
19.1930年製作..この時代に、このテーマでこの完成度.. スゴイ! の一言.. 戦争の愚かさを教えてくれる “秀作” です! 【コナンが一番】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2004-01-22 15:17:56) |
18.戦争体験のない教師に扇動され、期待に胸躍らせて軍隊に志願する青年たち。しかし、実際の戦場は、想像とは遥かに違うものだった。そこでは、栄光や名誉などは存在せず、ただ人と人との殺し合いがあるだけ。さっきまで元気だった友人も、死んでしまえばそれでお終い。後に残るのは、悲しみにも増して今自分がここにこうして生きているという実感。人間とは、死の淵に立たされて初めて生の輝きを放つもので、戦争とはこのようなもの。いかに尊い命が奪われたとしても、戦争という事柄に比べれば“異状なし”というたった一言で片付けられてしまう…映画を見終わった後、再び“西部戦線異状なし”という題名を読み返してみると、言葉ではなんとも言い表せない感情が生まれてきました。 【クリムゾン・キング】さん [DVD(字幕)] 9点(2003-12-11 00:28:08) (良:2票) |
17.世界映画史に記録されるべく戦争映画の古典にして傑作。戦争ものとしては分かりやすい展開と演出なので、マイルストン監督の痛烈な反戦メッセージがストレートに伝わってくる。しかも、悪名高いドイツ軍という設定も当時としては良く考えたもので、老練な教師が少年達を戦場に駆り立てる様は大変リアルである。愛国心高揚に踊らされた少年兵達が、予想だにしない最前線に送られた後では時既に遅く、バタバタと戦死するのを待つだけ。有名な、平和の象徴である蝶を手に取ろうとするラストは言うまでもなく、記憶に残る鮮烈なシーンも数多い。とくに、ポール(リュー・エアーズ)がナイフで刺した敵兵と一晩を明かせざるを得ず「もし銃と軍服さえなければ君と友人になれたのに」とつぶやき、苦悩するシーンは生涯忘れられそうにない。文句なしの10点満点。 【光りやまねこ】さん 10点(2003-10-21 11:28:34) (良:1票) |
16.古い映画を評価するのは本当に難しいです。初見時でもすでに昔の映画でした。むしろ今見た方がコンピューターのおかげで映像が新しいのかもしれないです。ラストシーンが印象的です。 【omut】さん 6点(2003-08-04 05:45:45) |
15.エセ戦争映画が多きなかで、本作と「ビッグパレード」の2本は、出色の作品でしょう。1930年といえば、もうヒトラーのSSは組織化されていました。WWⅠを描いたとはいえ、よくこんな時代にこんな作品が、と思える出来です。みんなネイティブな英語を喋るドイツ人てのもヘンな感じでしたが、考えれば「ラストエンペラー」もそうだったし、小さなことです。「何百万人の人の死はムダだ」というセリフに対し、17年後にチャップリンが殺人狂時代で「100万人殺せば英雄だ」という逆説的な肯定(皮肉)をしているのも、この作品を見ていたからかもしれません。あまりに有名なリュー・エアーズと蝶のラストシーンも魂を揺さぶられる名シーンでしたね。 【FOX】さん 8点(2003-06-23 23:31:49) |
14.蝶に手を伸ばした主人公の、憔悴した笑顔が頭から離れない。 【aksweet】さん 10点(2003-06-12 11:41:17) |
13.さすがは名作だと思う。とにかく作られた時代が時代なのでその点が本当に驚きに思います。ただ、純粋に作品としての私の正直な感想は、最後まで見るのに少々時間的にきつかった。 【はむじん】さん 6点(2003-06-05 05:07:46) |
12.トーキー初期にしてこの大作。今の時代では作れない史上最高の反戦映画。塹壕のグリフィスの演技に圧倒された。リュ・エアーズもこの映画では素晴らしかった。・・・でも正直に言って、本作は10点あげてしまう映画だけど、原作の方が良かった。原作は10点以上。 【けい】さん 10点(2003-05-22 11:18:05) |
11.うーん、映画版よりレマルクの原作の方がすごくいいです。 映画の方はシーンがとびとびでよくわからない。 原作では、なぜ闘うのか、戦友がどれほど大事か、というテーマなどを彼らの会話形式で語られていて、他のこむずかしい戦争ものの本よりとても読みやすかったです。 映画版ではそもそものテーマが省かれていて残念。 【オレゴニアン】さん 5点(2003-04-24 07:30:59) |