3.《ネタバレ》 まるでアウトドアやサバイバルが似合わない一人の女性とスーツ姿の男ゾンビのロードムービー。これは新しいですね。
頭空っぽ、やることなすこと見事なヘタレっぷり。そんなヒロインだから始めの30分ぐらいはイラつくことイラつくこと、まるっきり感情移入なんか出来ません。倒すチャンスは何度もあったのに、ゾンビを従え只管歩くモリー。
でも、時が経つにつれモリーの感情に変化が。砂漠の中、ゾンビと二人きりで歩く途方もない道のり。愛息チェイスとの想い出に浸りつつ、答えがないと解っていつつもゾンビのスモールに語りかけずにいられない。この辺りの彼女の感情の移ろいがしっかりと描かれてます。下品で如何にもお馬鹿なキャラでスタートしたモリーが、物語が進むにつれ時として美しく、時として可愛らしく見えて来ます。
命の恩人でもあるスモールとの悲しい別れを経てやっと辿り着いた空港なのに、結局はチェイスへの思いから独り残るという道を選んだ彼女。愛息の救出に向かうためクルマのキーを捜すべくゾンビが潜む部屋に入って行く時の力強さ。そして。チェイスを守り抜くという強い意志を抱きゾンビに立ち向かうラストシーンでは、逞しい闘う母親の姿へと変わっていきます。
ブリタニー・アレンさん、いいですね。ゾンビ・ホラーにヒューマンドラマを上手く組み込んだ佳作に7点献上します。
邦題の意味がイマイチ解らないのが残念です。