28.この戦争ドラマにプロパガンダなど存在しない。戦闘の恐怖や退役後の夢など、彼らは兵士以前に人間であることにスポットを当てている。兵士たちは自分の命を第一に守ることも当然ながら、共に戦う兄弟たちとの絆を、駐留生活でのひとつひとつのドラマを通して上手く映し出している。陽気なガルニエ、無能なダイクなど、市民生活では勝ち組でも戦場では…と、壮絶な戦闘シーンを通してその違いを突きつける。普通はダイクのように混乱してしまうのだろう。しかし恐怖を乗り越えないと戦場では生き残れない。一瞬の判断ミスが中隊を全滅させてしまう。兵士が敵兵を殺害するのは、国のためではなく、早く85点を貯めて故郷に帰りたい、という実に単純な理由です。しかし、その唯一の方法に全てを賭けている。あのソベル中尉とウインタース少佐の敬礼の命令のやりとり、上官・仕官の階級もありますが、ぬくぬくとしてきたソベルに対し、昇進していったウインタースの背中には犠牲となった多くの兵士たちがあり、その名誉の戦死への敬意も含まれているように思う。一番、感銘を受けたのは第6話の『衛生兵』です。この映画には絶対唯一の主人公というものは存在しない。一人一人がそれぞれにその瞬間のドラマがある。この戦争ドラマが、戦争を知らない、映像を通して戦争を知る我々にもたらした功績は大きい。 |
27.倫理的に問題があったとしても戦争映画の戦闘シーンは一級のエンターテイメントとして認められることは否定しようがない。地獄の黙示録とどっちが近代戦だという迫力。それも超有名作戦の実話に基づいた人間ドラマの上で展開され、単なる戦闘映画に終わらない10時間戦争について語るドラマに仕上げられたら。話個々に点数をつけ平均するならともかく、10話で1作として映画と同じ基準で採点したら当然のごとく満点になる。戦争に関しての話は何らかのバイアスがかかるのは避けられないとすれば、これは戦闘シーンまで再現してしまった戦争ドキュメンタリーである。金をかければこんなものが作れるんだから、地球の中心まで潜ったり世界が凍ったり火星人が攻めてきたりする話作ってる暇があったらこういうのをどんどん作ってほしいね。制作費より出演料のほうが高いんじゃないかというアイドル人気だけで数字取ろうとするただ長いだけの駄作を連発してる某局もまた然り 【Arufu】さん [インターネット(字幕)] 10点(2006-01-05 11:39:45) |
26.戦争物の中では一番好きです。文句無く10点。 【oO KIM Oo】さん [DVD(字幕)] 10点(2005-08-05 03:46:45) |
★25.これ、レビューに入っていたんですねえ。私はこれを見てから、某国営放送に言いたくなった。「毎年毎年、アイドル俳優を起用してネタ切れ寸前の時代劇を大河で撮り続けるなら、気合を入れた太平洋戦争物をつくってみい!」と。「150億円ぐらいかけて撮ってみろ!」と。重厚なクラシック演奏で始まるユダヤ人収容所のエピソード、衛生兵の淡い恋を描いたエピソード、好きな回が結構あって書ききれない。ドイツ軍兵士を単なる悪者に描いてない点もいい。とてもテレビ向けとは思えないクオリティにはただ脱帽。だけど…だけど、別の方が書いているように、現在のアメリカの国際社会での暴君ぶりを見ていると、「誰も疑うことなくアメリカが正義の味方であったよき時代」へのレクイエムのように見えてしまう面もあります。この作品でも描かれているユダヤ人たちはあれほど悲しい歴史を背負いながら、どうして丸腰のパレスティナ人を対戦車ミサイルでバラバラにしてしまうのか(直接関係ないけど)。鼻の奥がツーンとしそうになっても、それを考えるとすーっと感動がひいていく。しかし…だけど、こんな男たちの友情のドラマを見て胸を躍らせない人(特に男性)は少ないでしょう。特にウィンタースがいい。若いドイツ兵を射殺して苦しむ弱さがいい。不毛な偵察作戦の強要から部下を救うエピソードも良かった。どっちなんじゃい! と言われそうですが、作品の質が高いのは間違いないです。 【しまうま】さん 8点(2004-12-24 21:46:01) (良:1票) |
24.あの手この手を繰り出しながら、10時間を飽きさせることなく見せた、という点では評価できます。しかし、これを“リアル”と評するのは違う気がします。むしろ、ちょっとした違和感、もっといえば嫌悪感を禁じえなかったのは私だけでしょうか。この作品は、アメリカの数々の戦争の歴史の中で、Dデイ→強制収容所解放→ヒトラーの山荘制圧という、もっとも輝いていた時期とエピソードだけを切り取っています。タチの悪い「プロジェクトX米軍編」という感じです。結局、残る印象は「アメリカってすばらしい」「アメリカこそ正義だ」ということだけ。特に井の中の蛙である米国人の多くは、そう思うことでしょう。しかし、それがウソであることを、私たちは知っています。だから私は、“続編”に期待します。同じコンセプトの「広島・長崎に原爆を落とした部隊編」や「ベトナムに枯葉剤をバラ蒔いた部隊編」や「イラクのモスクを空爆した部隊編」を。もちろん被害者の様子も“リアル”に描いてネ。 【眉山】さん 5点(2004-12-24 14:37:11) (良:3票) |
23.長時間のドラマ形式なので、多面的な視点から深く掘り下げることができている。単純に反戦を叫ぶのでもなく、一方的にアメリカの正義を歌うのでもなく(ドイツ兵の描き方も冷静)、悲劇もあれば英雄的な出来事もある。そして命を奪われる痛みと命を奪う痛みがあり、戦争で失われるものの大きさと、けっして失われることのない人間の強さがある。たとえ戦争そのものの是非がどうであれ、自らが正しいと信じたもののために戦った一人一人の兵士たちが英雄だったことに違いはない。 【no one】さん [映画館(字幕)] 9点(2004-10-14 23:29:25) |
22.《ネタバレ》 どうせ「プライベート・ライアン」の二番煎じ..二匹目のどじょう..だろ~って思ってたら..とんでもない!!TV映画とは思えないほどのクオリティーの高さ!ハリウッド映画のような、無駄なアクションも、クサイ演出も、いっさい無し!実話を基にリアリティーを追求した “正統派映画” でした!..人は、戦争で何をし、どのように戦い..どのように死に、そして生き残ったのか..大戦体験のない世代に淡々と語りかけます..1~10話それぞれ良く出来ていて、観ている者を飽きさせない..特に、5話「岐路」と7話「雪原の死闘」は、お気に入りですね~ バカ上官に代わって部隊を立て直し、味方との連絡のために敵の真っ只中を縦断(往復)してしまうエピソード、まさかと思う行動に、シビレました~ 筋書きのないドラマ!(真実に勝るものなし!) 最終話(インタビュー)のラストの一言も感動的でした(涙)..さらに、本作を評価したいのは、9話と10話の存在です!終戦間際から欧州戦線の戦後処理にかけてのエピソードは、とても興味深く、TVや映画ではなかなか語られることはありません..普通の戦争映画なら劇的なクライマックスの後、ブチッと画面は変わり→終戦→ハッピーエンド..(めでたしめでたし..)でしょう..地味になってしまいがちな、この2話を作品の中に加えていることに、本作の非凡さを感じます.. 最後に作品の内容とは関係ない話しですが、2時間前後の劇場用映画と、本作のような10時間にも及ぶTV映画を、同じ土俵に上げ優劣を付けるのは如何なものか?疑問です、本作は長編だけに、実に面白い!物語の奥深さ、背景、登場人物のバックボーンなど、丁寧に描かれ、とても魅力的な作品となっています..それに比べ、どうしても劇場用映画の方が分が悪い..そこだけは “強く” 言っておきたい! よって、本作の評価は間違いなく “10点” です!..が、敢えて1話毎の“平均点”を本作の評価としました... 【コナンが一番】さん [DVD(字幕)] 9点(2004-10-06 14:40:09) |
21.僕の知らない役者さんが多かったせいか、トム・ハンクスのような大物が出演している『プライベート・ライアン』よりリアリティがあった。 |
20.戦争映画が大好きなことには僕なりにちゃんと理由があります。それは、戦争を通じて、戦争を描いているにではなく、人間を描いているからです。そこには、ほかのどんな状況よりも人間を表現しやすい要素が詰まっていると思うからです。そして、仲間というものを描いてくれるからです。この作品も僕のそういう思いを完全に受け答えてくれたって感じです。でもそれ以上にこの作品にはほかに戦争映画とは違うものがあると思います。 戦争を描いた映画や芝居などを公開、上演すると必ずといっていいほどその作品は批判を受けます。戦争を体験していない人の批判はあくまで口だけなのでいいとは思いますが、必ずといっていいほど戦争体験者の批判を受けます。その時代、その状況に少しでも反していれば、自分達を馬鹿にしていると批判をします。この作品に対しても中には批判をした人もいるかもしれませんが、それ以上に実際のE中隊だった人達はこの作品に協力的であるんです。いや、もう一緒につくっているといった感じでしょうか。 この作品に彼らが協力し、作品が出来上がった後も大きな批判がなかったことが、この作品の評価をもの語っているのではないでしょうか 【野次られLOW】さん 10点(2004-08-29 16:53:31) |
19.「プライベ-ト・ライアン」でしこりが残ったんで、このシリーズをDVDで買うときは勇気が必要だったんです。一歩踏み出して本当に良かった。WWⅡを背景にした映画における良作です。自分以外の人にも観てほしくて、自分が観終わったあとスグ貸してしまいました。そろそろもう一度観たいです・・・ 【hyam】さん 9点(2004-07-25 20:26:58) |
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18.こんなみっちり作られたら言い返す言葉なんてあらしません。これはヤバイ。 【モチキチ】さん 10点(2004-07-24 01:16:29) |
17.話は毎回よかったけど、やっぱ10話はしんどい。えらかったです。途中抜いた話もあるし、でも戦争ものとしてかなりの出来になっていました。でもプライベートライアンで十分かなと 【LYLY】さん 6点(2004-06-24 21:06:46) |
16.私事な話になりますが私の祖父は第二次世界大戦中海軍に従軍していたそうだ。真珠湾攻撃・ミッドウェー海戦等幼い頃よく戦争体験談を聞いたものだった。そういう話を目をきらきらと輝かせながら聞いているうちに祖父が「英雄」とさえ思ったことがあった。しかし時は経ち今では朝から晩まで焼酎漬けの慢性アル中患者(本人はアル中では無いと言い張っているが果たしてどうやら・・・)。喋ると戦時中砲弾を受けて鼓膜が破れているせいか音感が分からずとにかく声がでかいしうるさい。はっきり言ってボケてないのがまだ何よりのウザいジジイだ。こういう祖父だが毎年昔の戦友たちから年賀状が届いたりしている。たまに連絡もとっているみたいだ。そして、毎年8月になるとNHKの特番なんかで戦時中の記録フィルムを流したりしてると祖父が涙するという光景も見たりした。多分昔を思い出しノスタルジックな気分に浸っていたのだろうか。「戦友」という言葉は戦争を知らない私やその他の人もどういう感覚かは分からないと思う。戦争という狂気の中死というものを背にし極限の状態を生き抜いた”仲間達”。戦争という行為自体は良くないにしろかけがえの無い記憶に残る戦友たちをもつ祖父をうらやましく思えたりもする。そういう祖父の体験談を聞いて育った私はこの作品を通り一辺倒の戦争映画ではなくただそこに戦争という”時代”がありそれを乗り越えてきた人達一人一人の物語だととらえさせていただきました。また今はいくらウザいと思っても祖父が生き残った(2回程撃沈されたらしく海にプカプカと浮かんでいたところを運良く拾われたそうな)おかげで今の自分がいることを感謝せねばならない。戦争という非生産性ともいえる行為の愚かさや虚しさを知っている真の語り部達が毎年少しづつ亡くなっていることを残念に思うし私の祖父もいつかは天寿をまっとうするでしょう。その時までに「ありがとう」と心から感謝の言葉を述べるつもりです。2004/8/15 祖父へ 【tetsu78】さん 10点(2004-06-18 01:01:15) (良:3票) |
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14.長いだけにすっかり感情を入れてしまい、最終話を見終えたあと、まだ終わらないでほしいと思った(勿論あれ以上やる事はないだろうけど)。コレクションとしてDVDを手元に置いておきたい 【亜空間】さん 9点(2004-03-23 11:53:53) |
13.傑作。みなさんも書いてますが色々な視点(衛生兵)から描かれていることなど斬新でした。戦闘シーンもリアルでした。 【ゆきむら】さん 9点(2004-03-22 09:10:35) |
12.10時間のスケールで描かれた壮大な戦争ドラマ…映画でなくテレビシリーズなのだが、ケッコー凄い(>_<)!!戦闘シーンもさることながら、一人一人の個性がよくわかっておもしろい(^_^;)@*俺的にはリプトン軍曹が好きだった//10話構成なのだが、毎回テーマが違っていて十分たのしめた(^^)v&好きな話は、第2話と3・5・6・7・8・9話が良かった@@第9話の捕虜のシーンには言葉を失った…//10点や9点あげてもいい話もあるが、全体の仕上がりとして8点ぐらいかも(^_^;)出来は良い@@@ 【ジャンキー】さん 8点(2004-02-20 22:55:52) |
11.戦争のリアルさが伝わってくる素晴らしい作品でした。 【ソウ】さん 10点(2004-02-09 19:29:38) |
10.素晴らしい作品だった!かなりの長編だが飽きを全く感じさせない各話のつながりは圧巻。戦闘シーンは迫力、リアリティともに申し分無く、また戦闘以外のシーンもよく出来ている。とくに「衛生兵」「雪原の死闘」などが好き。E中隊の絆の強さを感じずにはいられない。戦争映画の最高傑作と断言できます。 【kazu】さん 10点(2004-02-03 02:14:50) |
9.↓同様、TVシリーズにレビューできることに嬉しく思います。TVシリーズでここまでできてしまうのは非常にうらやましいことだと思います。10時間超の大作を10回くらいは見ていますよ。(それでも、まだ顔と名前が一致しない人がいる(笑))原作も2回読みました。もう本当に最高です!!最高の作品です。 プライベートライアンのモデルとなった人物が原作に登場します。 |