18.《ネタバレ》 現実の男よりも、まぼろしの男を選んだ彼女に一言。これによって彼女は破産してしまうかもしれないし老後も不安だ。 普通は妥協するものだけど「愛」とはこのようなものなのかもしれない、、、 つまり、「愛」とは一歩間違えば、自分自身を滅ぼす諸刃の感情だということだ。 結婚式のときに、一生あなたは夫を愛しますか?というセリフがあるけど、いったいどれだけの人がこの言葉を真に受けて答えているのだろうか?本当の愛とは不変であり、相手がこの世からいなくなったら愛さなくなるのは、愛じゃないだろう。 人間は愛情を持つことで生きる実感を確認するが、自分を滅ぼす原動力もやはり愛情から発することがいかに多いことか・・・ この映画の彼女は愛する人のまぼろしを見ることで幸福を感じているように見えるが、私には1人の女性の転落のストーリーに見えてしまう。 親友や男の求めは、彼女にとって意味の無いことだったに違いない。彼女はこの世界でたった1人の愛する人間を失ったことで空想の世界に生きる道を自ら選択した。 【花守湖】さん 8点(2004-07-18 18:38:27) |
17.《ネタバレ》 「夫を亡くした妻が現実を受け入れる過程を描いた」という巷の認識とは逆に、私にはシャーロット・ランプリングが最後の最後まで過去に縛られ、現実を拒否していた様にしか見えません。終盤、ようやく夫の遺体を目の当たりにすることによって現実を直視しつつも、言葉では現実を拒絶してしまう。現実とまぼろしとの葛藤。砂浜で流す涙が彼女の未来を提示したのかと思った次の瞬間、彼女はまたまぼろしへと逃避してしまう。このラスト・シーンは、私には夫の後を追ってしまった様に思えます。また、劇中、明確には提示されていませんでしたが、彼女は夫に対し常に負い目を感じていたのではないでしょうか。彼女の精神状態は「愛」から来るものではなく、別の何かの様に感じました。そういうことで、5点献上。 【sayzin】さん 5点(2004-07-15 23:35:44) (良:1票) |
16.言いたいこと、やりたいことは強く切なく伝わるんだけど、あまりにも映像がつまらない気がした。最愛の人をなくした喪失感を描いた映画は数多くあるが、経験不足からかどれもピンと来ない。 頭では理解はしているものの、心のどこかで夫が生きているかもしれないと思うランプリングはとても良かった、特に警察署であそこまで客観的事実を告げられても、夫の死を否定する所とか。 旦那の母親とのやり取りも重みがある、母と妻どちらの愛が勝っているか競っている感じ。 ラストも凄くいいけど、やはり深くはまれずにただのまぼろしだろと思ってしまった。 |
15.《ネタバレ》 邦題、またもやサイテー。「あなた・・重みが・・」というシーンについて語るシャーロット・ランプリングのインタビューを先に読んで期待しすぎてしまったためか、実際に見たら、がっかり。『8人の女たち』は面白かったんだけどなあ・・。 【おばちゃん】さん [DVD(字幕)] 4点(2004-05-09 22:55:47) |
14.シャーロットランプリングが好きで見ました。うーん。もういちど見てみたいかも。 【ぷー太。】さん 5点(2004-05-09 22:21:52) |
13.個人的に見たタイミングが悪すぎて思うようにのめりこめなかったのでまた見ると思います。主人公は強い女のようにも見えるけど、とても脆くて弱い人だとも感じました。全体的にだるかったのもありますが、ちょっと生々しいラブシーンは余計だったと思います。そういうのが無くても主人公の心情は伝わってきそうだと思いました。 【無雲】さん 6点(2004-03-30 00:06:30) |
12.《ネタバレ》 大人のための映画です。冒頭からジャンが失踪するまでの何気ない夫婦のやり取りがとてもリアルで、この映画のクオリティの高さを感じさせました。ジャンの失踪後何年も連れ添った連れ合いの存在の大きさ、それを失った時の喪失感が描かれているのですが、実感として心に響いて来なくて自分はまだまだ子供だな~と感じてしまいました。これは僕の人生経験の乏しさというか、もっと歳を重ねた人でしか分からない感慨なのでしょうね。この映画の良さを実感するにはあとどれくらいかかるのだろ~か? |
★11.監督との相性が悪いのか、『8人の女達』も、キャストと最後のエンディング以外、あまり興味が持てなかった。 今回、夫の失踪(自殺?)による、愛する人を急に失った際の喪失感が、テーマだと思うが、ご主人のまほろし?が、リアル過ぎて、最初は過去の回想シーンかと思ってしまった。 他の方のコメントを見て、何となく考え直したが、やっぱり主人公にも共感できない。年を重ねた夫婦にしか分からないのだとしたら、ちょっと見るのが早すぎたのだろうか? にしても納得いきません;; |
10.何年か前に学生のころに観た。そしてまた今回観てみた。ラストの海岸での号泣は、きっと悔しさなのではないか。死んでいるとわかっていて、それを認めず、ずっと幻夫と対話していたということは、現実の夫(つまり死)に対しての無視。それをわかっててか見て見ぬふりかの後ろめたさ。で、夫の死体を見たとき、きっと普通にグロかったんだと思う。 ラスト、海辺のまぼろしに向かって走っていくが、少々追い抜いているようにも見える。深い意味があるかもしれないが、あれはただの、監督からいただいた彼女なりの救済だったと思う。 |
|
9.おすぎ大絶賛!につられて..観てしまった..が、良く言えば仏映画らしい映画..悪く言えば退屈な映画... 【コナンが一番】さん [映画館(字幕)] 5点(2004-01-13 19:30:40) |
8.途中だれた感はあったが、最後のシーンで今までの行動に得心がいって感動した。私は未だ独身で、配偶者や愛する人を亡くした経験はないが、その悲しみを淡々と演じるシャーロットランプリングに共感。姑が主人公を責める場面もすごかった。 【トマトマート】さん 7点(2004-01-05 14:34:24) |
7.この監督さん、若いのになんでこうも女をわかってるんでしょう!そうなんです、実際はこういう心理状態なんですよ。。 これは、夫とそこそこ平穏に長く連れ添った中年女性なら、ほんと「あるある、わかるわかる」シーンの連続であったかと思います。彼女が笑う幾つかのシーン、朝食の様子、嫁姑、などはその一例でしょう。前半は、枯れてもなお美しいランプリング、後半は、老けたランプリングの表現が素晴らしかった。目の演技って重要ですね。悲しくて、ではなく、そうよそうよ、で何度も泣いてしまった。お若い女性にはぜひぜひ十数年後に観てほしいです。 【かーすけ】さん 9点(2003-11-13 23:00:40) |
6.ちょっと途中だれました。けれど、私は後半でてっきり夫の死を認めたと思っていたので、ラストは結構衝撃を受けました。でも、もうちょっと二人の愛の強さみたいなのを見せてほしかったな、と思います。あの何とかいう男が出しゃばりすぎ!でもこういう雰囲気の映画って割と好きです。 【Ronny】さん 6点(2003-11-10 00:50:27) |
5.ストーリーは解るのよ。愛しすぎたがためのまぼろし、だって。でもなぜか、スクリーンから愛が伝わってこなかった。私が愛を知らないからかしら? 【桃子】さん 6点(2003-10-31 19:19:38) |
4.《ネタバレ》 夫が姿を消したときもそのあとも、特に泣き叫ぶこともなく淡々と描かれているのが、余計に主人公の深い喪失感・行き場のない心を表現しているような気がしました。夫と思われる水死体を確認する場面。死体がどんなにひどい状態であると言われても、私が主人公の立場なら私も彼女同様自分の目で確認したいと思うだろう。最後まで観終わったとき、ものすごく重~い気持ちになった。彼女がこれからもずっと夫のまぼろしを見続けるのかと思うと・・・ 【きょうか】さん 4点(2003-09-15 17:14:32) |
3.シャーロット・ランプリングの昔、フランソワ・オゾンとは何者かを知っている人ならばともかく、僕にとっては全く心を動かされない作品。その演技力は確かにすごいと思う。頭ではわかっているがつい亡き夫を求めてしまう演技には引き込まれる。だけど、それだけ。特に共感もせず、長い90分に感じた。 【とむ】さん 2点(2003-08-02 15:33:24) |
2.長いブランクがあっての久々のS・ランプリング作品。彼女の「愛の嵐」での鮮烈なイメージが残っているだけに、正直観たくはなかった作品でもあった。確かに老いは隠しようもないが、しかしそれでもなお妖しい美しさと魅力を感じさせる彼女の圧倒的な存在感。そのぎりぎりに均衡が保たれた彼女の姿を見せることこそがが本作の狙いであり、映画の中で演じる中年女性が実生活での彼女とオーバーラップして、実に興味深い。子供はいないが、それだけに深い愛情で結ばれている中年夫婦。その愛する夫が突然目の前から消えてしまったことから、妻としての戸惑いと夫に対する不信感を、ランプリングは巧みで老練な演技力で見せきる。そしてなお夫を想いつづける彼女の姿には胸が熱くなる。上手に歳を重ねてきたと言おうか、老いと若々しさとが共存しているという不思議な魅力を放ち、見事なカムバックを果たした本作は、彼女の新たな代表作となったと同時に、真の大人の映画として近年の収穫だと言える。 【ドラえもん】さん 9点(2003-01-31 16:06:51) |
1.夫への愛情があまりに強すぎた為、彼女は夫の失踪(死)を受け入れることが出来ず、あたかも実在するかのように彼のまぼろしを見るようになる。マリーが新しい恋人に対して「あなたは軽すぎるの!」このセリフの重みが如何に大切であるか。失踪した夫が巨漢であったことから当然物理的な重さもそうですが、あまりに彼女が夫の存在を消し去ることができない心理的重さが彼女にのしかかる。心理的なグロテスクを表現するフランソワ・オゾンの力量がここでも十分かいま見えます。夫の外見的な力強さとは裏腹に内面的なもろさ。妻の夫への執着と解脱。日常的な風景で様々な比喩を盛り込み、残酷なセリフにぶちのめされ、そして全てをも包み込む海の美しさに感動する。ラストでやっと夫の死を受け入れ始め泣き崩れる妻に再度夫の幻覚が見え、彼女はそこに向かって嬉しそうに疾走していく。一見、再度幻覚を見るという救いの無いエンディングですが、観ている側はその砂浜のシーンを次第に彼女が新たに生まれ変わったかのように昇華して見える。実に感動的で不思議なシーン。ホント、フランソワ・オゾンってすごい監督です。当然シャーロット・ランプリングの美しい狂気は彼女無くしては成り立たないでしょう。狂気とは書いてますが彼女が演じるとそれが恐ろしい狂気というモノではなく、幸せですら見えます。先程述べたラストシーンは良く見ると夫として写っていた男の影を追い越しているように見えました。(遠近感的に...)実は彼女はその男の向こうに夫の姿(画面上は写っていない)を見たのかも知れませんね。深読みしすぎ?? 【さかQ】さん 7点(2002-11-17 22:03:40) (良:2票) |