141.《ネタバレ》 ジャック・マイヨールは実在の人物なので、本作は海とイルカを愛した彼の人生へのオマージュですね。そのエッセンスを叙情的に切り取った秀作という印象です。言葉少ない彼の海への憧憬が綴られてゆく内に、彼の本当の願いが見えてくる。それは海と同化すること。彼は海に魅入られたというより、海に還って行く人でした。ベッドルームの天井から海水が溢れ海中を漂う幻想を見るシーンが象徴的。そんな浮世離れした願望を、あたかも自然なことのように捉えているジャック。その危い存在感に畏れを覚える。でも、実名を使った映画ということは、ジャック・マイヨール本人も同様に海を捉えていたのでしょう。本作におけるダイビングの深度とは海とジャックの同化を演出する記号でしかなく、ノーマル人間のエンゾに勝機は無かった。でも、映画としてはエンゾの存在は欠かせなかったです。幼なじみの友人であり、気丈にジャックをライバル視しつつも、海とジャックの関わりを最も理解していたのはエンゾだったと思います。無名に近かったジャン・レノの存在感は主人公より記憶に残りました。余談ですが、福岡の空港でマイヨール本人を見たことがある。彼が亡くなる直前のことでした。年齢的にはヨボヨボに近い老人なんだけど、背筋がピンと伸びてがっしりした体格も目を引いたが、なにより纏っている雰囲気が只者じゃなかった。あのオーラは形容できません。一緒にいた友人がジャック・マイヨールだと教えてくれて、この映画を観た後だったこともあり納得しました。その姿は今も記憶に焼きついています。 【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2011-02-03 22:44:35) |
【doctor T】さん [ブルーレイ(字幕)] 3点(2010-11-20 00:12:33) |
139.《ネタバレ》 素潜りが危険を伴う行為である事が理解できる我々としては、映画の中でジャックとエンゾが素潜りで競い合うストーリーはハラハラしながらの鑑賞になってしまうのですが、映画の冒頭でジャックの父が海で亡くなるシーンを見せられるお陰で、それ以降の素潜りのシーンでは余計にハラハラ感が増すこととなってしまいます。 最初にこんなシーンを見せられるものだから、当然二人のうちのどちらかが危ない目に遭いそう予感がしていたのですが、これがまたアホかと言うほど拍子抜けさせられるシーンばかり。 血圧が高かったり、不調だと言ったり、船上の係員がペンのキャップみたいなものを落としたり、ドクターがエンゾの表彰式の時にこれ以上潜るのは危険だと説いていたりと、その後に特に事故が起こるわけでもないのに無駄に不安を煽るシーンが多く、何事もなく水上に上がってくる度に期待を裏切られてしまうという事が何回もあったわけですが、最後の方になって、競技を中断させられ強引に潜っていったところまでくると、もう今度こそ流石に上がって来なくていいだろとまで思ってしまったほどです。 映画の中の出来事とはいえ、劇中の人物が苦しい思いをするのは自分にとっても本当はイヤなものですが、映画のストーリー構成の観点で見ると、この度重なる肩透かしの方がよっぽど苦痛であると言わざるを得ません。 また、素潜りのスタートを切る紐の(映画としての)使い方が下手くそで、最後の方でジョアンナが紐を引くシーンがこの映画の肝心要のシーンであるにもかかわらず、その紐に着目させるようなシーンが一切出てこなかったのが決定的に駄目。 例えば、「この紐には俺の人生が・・・」のような会話が出てくるとか、カメラワークでも紐に着目する映像が少しでもあれば最後のシーンで感情移入も出来たのかもしれないですが、潜るシーンが何度も出てきたにもかかわらず、とことん紐の存在を軽視しながら潜水が行われてしまっていたのが、このリュック・ベッソンという人の演出における引き出しの少なさなんだろうなと思う。 必要以上にセックスシーンを見せるのも無駄だし、BGMも古臭さがあるだけでなく、劇中の人間がBGMに合わせてリズムをとっていたりする所なんかも意味が無いように思えます。 素潜りや人間ドラマが7割、残りの3割がイルカと戯れるシーンだと思われますが、後者の3割で何とか凌げているような感じの映画でした。 【もっつぁれら】さん [映画館(字幕)] 5点(2010-10-04 02:12:50) |
138.2010年になって公開されたデジタル・レストア版を映画館で観ました。 もっと退屈な映画かと思っていましたが、クスクス笑えるシーンも多く飽きさせません。まあいくらなんでも2時間48分は長すぎですが・・短いバージョンの「グレート・ブルー」のほうが評価が高いのがわかる気がします。 好きでしょうがないのがジャン・レノ演じるエンゾのキャラクター。主人公が変人すぎるので彼が画面で出るたびにほっとします。「がっはっはあ"」という笑い方が超キュート。プールの底でワインを飲み交わすシーンも素敵です。 ラストシーンは賛否両論でしょうが、かなりのインパクト。最後の彼女の言葉は耳に残ります。これ以上の究極の選択はなかなかない。 美しい「青」の景観と音楽のリズムで魅せてくれる本作、この映画を好きな人は岩井俊二監督作も気に入るかもと思いました。 ps:日本チームのシーンは完全にバカにしているよね。テンション下がるコメディシーンもほどほどにしてほしいよね。 【ヒナタカ】さん [映画館(字幕)] 7点(2010-09-21 19:16:08) |
137.《ネタバレ》 「go, and see my love」の台詞があるのは知ってたけど、今まで見た映画の中で一番印象的な言葉でした。 【ネフェルタリ】さん [DVD(字幕)] 10点(2010-09-16 23:45:51) |
136.《ネタバレ》 幼少期に鑑賞して以来、細かな演出は記憶に残っていながらストーリーは憶えておらず鑑賞。 ジャックとエンゾが絶妙。 両者のキャラクターの素晴しさが堪能できました。 深海も怖いが、その深海に魅せられた二人の憧憬も若干怖かった。 笑えるシーンも多く、終わりも綺麗に感じられるので良作であると思う。 【タックスマン4】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-09-16 22:57:33) |
135.《ネタバレ》 ええ~。最後あれだけ普通に話ができてる状態からジャン・レノ死ぬの? 海上へ上がってきた時にあれだけ意識がはっきりしてるなら すぐに治療すれば死なずにすむと思うんだが潜って失敗して死ぬ時ってあんなんなの? 普段からも海というものに対して全く魅力を感じない (潮風ベタベタしてうっとうしいぐらいに思ってる)のでこの映画も特に。 ヒロイン何歳なのか知らないけれど外国の女性って老けて見えるなぁ。 日本人の40歳ぐらいに見えた。あと、160分は長すぎます。 【虎王】さん [DVD(字幕)] 4点(2010-09-10 15:53:22) |
134.《ネタバレ》 深き海の青また青。 斬新な映像と美しい音楽で描く海洋ロマン。 ジャック・マイヨールの人生をこんなドラマ仕立てにしちゃっていいの?と思わないでもないし、好きなキャラクターはいないのであまり自分向きではないですがロマンチスト向き。 ジャックの水の子意識、エンゾのいかにもな最期、ジャックを海に還すジョアンナの言葉、どれも実にナルシスティックでちょっと苦笑。 リュック・ベッソンの黄金期は「グラン・ブルー」「二キータ」「レオン」あたりとされていると思いますが、クールな小品「サブウェイ」が好み。 【レイン】さん [映画館(字幕)] 7点(2010-08-11 00:00:00) |
133.この頃のベッソンは本当に神懸っていた。モノクロの流れる海とエリック・セラの旋律。冒頭のシーンから鳥肌が立ちっぱなしで、それが2時間半も続く(笑)ちなみに私の街には「エンゾ」という名のパスタ屋さんがある。美味しいです。 【フライボーイ】さん [DVD(字幕)] 10点(2010-06-09 19:30:35) |
132.《ネタバレ》 映画の雰囲気全てが好きです。 登場人物、風景、描写、ストーリー。 いままでで何回も見た心に残る映画。 最後はハッピーエンドで終わってほしかった。 【mitsuo@】さん [DVD(字幕)] 10点(2009-12-21 00:35:29) |
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★131.映画とイメージ映像の中間のような作品。映像はひとこまひとこまどこを切り取っても非常に美しい。その中に、孤独や不幸の香りがそこはかとなく漂っている。ストーリーに無関係な映像も多くやや冗長でもある。 【エンボ】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-10-25 01:53:29) |
130.この作品で初めてジャン・レノという俳優を知った。強烈に印象に残って、すごい俳優だと思った。 独特の世界観で誰にでも勧められる映画ではないかもしれませんが、たまにはある意味孤独な世界に浸ってみるのもいいかも。映像も綺麗ですし。 スザンナ・アークェットがキュートで良かったな~ 【鉄仮面】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2009-01-28 00:25:15) |
129.話が進むにつれ退屈から苦痛へ。長すぎ。良かったのはジャン・レノの笑い方。 【すたーちゃいるど】さん [DVD(字幕)] 2点(2008-02-03 18:18:40) |
128.映像が美しい!それだけで私には充分です。 見た目にはひどく不味そうなパスタが「美味しそう」 【ボロミ】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-02-01 15:46:42) |
127.《ネタバレ》 男性がつくった、という感じの映画ですね。女は男を待つ港、という考えは日本だけではないんだなー、って感じました。主人公ジャックは自分の世界に航海し、戻っては来ない船でしょうけど。子供を宿したのに、「go,go and see my love」と言いながら愛する男性を送り出すなんて、そんな女性はなかなかいないんじゃないでしょうか。20代でこんな映画をつくり上げたリュック・ベッソンって、若い頃から男のロマン炸裂のオレ様男だったんですね・・・。最近じゃそのロマンも捨て去ったかんじですが・・。 【どっひゃー】さん [DVD(字幕)] 7点(2007-08-30 01:34:19) |
【くまさん】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-05-17 03:47:21) (笑:1票) |
125.観る人を極端に選ぶ映画。テーマがすごく精神の内面に向いたものであり、観る人の性格や人生経験、観るときの精神状態、周囲の状況等が感じ方にかなり影響するはずで、とてもセンシティブな映画ではないかと思います。一見するとイタリア映画特有の荒削りな展開のようでいて、しかし、ラストシーンに向かってストーリーの全てが凝縮していき、最後の瞬間、とてもとても深い虚空に不意に放り出されたような感覚に陥り、それまでのストーリーがすべて夢を見ていたかのように突然意味をなくしてしまう。この作品は、映画というメディアで文学的な表現がどこまで可能かという大きなテーマに正面から答えた傑作の一つだと思います。こんなの計算して作れる作品ではないので、映画製作という共同作業によって生まれたというのはちょっと奇跡に近いかも。 【あおやん】さん [DVD(字幕)] 10点(2007-02-12 06:15:09) (良:2票) |
124.《ネタバレ》 ○「Back to the Theater」にて鑑賞。予てより映画館で観たいと思っていた作品だったのでこの企画に感謝。○欲を言えばもっと大きなスクリーンで見たかったが、あの映像と音楽の奏でる素晴らしい雰囲気は映画館でこそ味わいたいものだった。○イルカや海をイメージしたサウンドトラックは秀逸。サウンドトラックを聞くだけでこの映画の世界に入ることができる。○この素晴らしさがあれば、俳優の大根演技や稚拙なメロドラマも輝ける。むしろそうだったからこそ輝いたのかもしれない。○自身の生まれ年にして、最高の映画が誕生したのだと思うと感慨深い。 【TOSHI】さん [映画館(字幕)] 10点(2006-08-30 13:09:34) |
123.《ネタバレ》 自分の世界でしか生きれない「男」の不器用さとそんな男を愛してしまった「女」の哀しさが見事に描かれた作品。 確かに、男という生き物は同時に二つのモノを手に入れることはできない不器用な生き物なのではないかと改めて思う。 そして、この映画ではきちんと一方のかけがえのない存在である「愛」を捨ててまでも得たいと思う世界が美しすぎるぐらいに描かれていた。なぜ海に潜るのか、特に説明もないし、そんな理屈などいらない。「そこに山があれば登るように」男たちは海に潜り続ける。そんな理屈では言い表せられない姿が非常に美しかった。また、同じ世界に生き、そして同じ世界を見ることが許された二人のライバルの「友情」も美しかった。 マイヨールがエンゾを海へ葬るシーンとマイヨールがイルカと共に海へ消えていくラストも脳裏から離れることができないほど美しすぎた。 さらに個人的に大好きなシーンは、女の一大事である妊娠をマイヨールに告げようとする際に、ちゃんと聞いてもらおうと思いあえてマイヨールのフィールドである海をその舞台に選んだにもかかわらず、しゃべる前にマイヨールがどこかに泳いでいってしまう姿が非常に興味深かった。二人の生き様の違いが見事に表現されていたシーンであり、あの場面でこの映画は傑作だと思った。 また、最後の深夜の海で発射するロープのようなものをジョアンナに渡し、ジョアンナが「私の愛をみてきて」と言うやり取りをみると、マイヨールも不器用ながらジョアンナを愛していたし、海へと送り出したジョアンナの愛の強さもうかがいしれた。 【六本木ソルジャー】さん [DVD(字幕)] 8点(2006-05-06 03:33:19) (良:2票) |
122.おふくろのパスタに10点!!美しいですね。青く神秘的な海。主人公とジャンレノの友情。 【ホットチョコレート】さん [ビデオ(字幕)] 10点(2006-04-23 02:24:55) |