1.《ネタバレ》 チョン・ジヒョンのデビュー作が、遂に日本上陸である。
『イルマーレ』のスタイリッシュな美しさ、『猟奇的な彼女』のパワフルな美しさ、『4人の食卓』のダークな美しさ。
そんな彼女の原点となる『ホワイト・バレンタイン』は、韓国映画お得意のピュアな純愛物語である。
オレンジ色の紐をつけたハトが、少し懐かしい街並の空を羽ばたいていく。
それを追いかけるチョン・ジヒョン。オレンジの紐が彼女を導いていく先は、秘められた初恋の想い出である。
このシーンを撮る為にこの映画が造られたのか、と思うほど素晴らしいシーンだ。
映画が終わり、場内が明るくなると、後ろに座っていた客が言っていた。「90分が3時間半に感じた」と。
そりゃ良いことじゃないか!
17歳のチョン・ジヒョンを3時間半も見れた気になったのなら。
冒頭、中学生時代の彼女。こんな娘がクラスにいたら毎日楽しいだろうな。
長くてダルくて退屈な物語ではあるが、この緩やかさがチョン・ジヒョンの初々しい魅力を感じるのに丁度いいのである。