69.中盤からずっと涙が止まらなかった。負傷したイラク人や道に転ぶ死体、泣き叫ぶ人々の映像はリアルで悲惨だ。単純に戦争は嫌だ、もう誰にも死んで欲しくないと思った。 映画としては評価が難しい。感想を述べるのも難しい。でも多くの人に見てもらいたいと思った。 【ぼんてん】さん 9点(2004-10-13 16:40:21) (良:1票) |
68.世界情勢を知りたければTVで簡単&無料で見られるわけで、この作品を見るために、わざわざ劇場に足を運んだのは、TVが必ずしも中立な報道を行うとは限らないことを知っているからです。1,500円を支払ってでも、別の立場から、別の視点から見た世界を知りたかったから。とはいえ、M.ムーアが語ることが、また真の真実ではないことも知っています。それを踏まえたうえでのレビューです。 本作品は、私にいくつかの衝撃的な事実を示してくれました。もはや、子供を抱いた母親が、進攻してくる戦車に向かって、「この子は無関係なの。助けて」と叫んだところで、兵士には届かない。精神を高揚させるロックを聴きながら、ひたすら前に進むだけだということ、また一方で、イラクに行きたくないと布団の中で泣いていた貧しい家の少年が国の命令で進軍する時に、泣き叫ぶ人々の声を、骨が砕け、命が散っていく音を聞け、というのもあまりに残酷としか言いようがないこと。 長くなってしまいましたが、本作の内容は、優れた問題提起を示してくれながら、見終わった後で自身の無力感ばかりを感じてしまったことから、8点としました。世の中を帰るために自分も何か出来るぞ!と思わせてくれたらドキュメンタリーとして満点だったのですが。しかし、多くの人に見てもらいたい作品であることは間違いありません。 【なつこ】さん 8点(2004-10-12 00:22:11) |
67.テレビで見たとすればよくできたドキュメンタリーだと思うが、映画館で見たいかというとそれはどうなんだろうと思う。でも今この時期に(大統領選挙前)見ておいて、見る目が少し変わってよかったような気もする。 【HK】さん 6点(2004-10-11 22:45:53) |
66.久々にレビュー投稿しないとね。と選んだのがこれ。 うーん、なかなかレビューしずらい。。 物凄いブッシュ批判映画かと思いきや、どっちかというと真っ当な反戦映画と受止めました。ただのブッシュ批判映画だともっと不快に思ったんですけどね。なんでか、それは特になく、戦争の悲惨さ、悲しさがより残りました。 色んな報道を巧みに編集された部分が必ずしも真実ではないという事を踏まえた上で、この映画によってムーアが訴えたいメッセージがブッシュがどーのこーのよりも、「戦争反対」という、その一点に集約されていると思います。 なので、前半のブッシュの映像よりも後半の壮絶な戦争による被害者の映像により感じるところがありました。この部分だけでも、正直見てよかったと思える部分です。 |
65.《ネタバレ》 正直「ボーリング・フォー・コロンバイン」ほどの衝撃と感動はなかった。恐らく事前情報が多すぎたせいだろう。ブッシュ家とラディン一族の関係やハリバートンなどは、TVなどですでに間接的に知っていたので驚かなかった。このテのドキュメンタリー作品は映像とかストーリーではなく、あくまで情報が肝なので、その点では個人的に致命的であった。とはいえ本作は「ボーリング」にみられた感傷やユーモアは影を潜め、視点と演出は限りなくシビアである。そういう意味で本作の方が評価は上だろう。そもそもハリウッド映画はほとんどプロパガンダに利用されているという事実と、アメリカのメディアではすでに報道の自由が著しく制限されているという状況を考えれば、決して偏向とはいえない。印象的な点をいくつか。まず大統領選のフロリダ。当時日本でニュースを見ている限りでは、結局何がなんだか不明だった。本作ではブッシュ側の不正によるものだとほぼ断定している。アフガンでの軍事作戦については、当時山岳地帯に大規模な正規軍を投入できないため特殊部隊を投入したという報道がされていて、信じてもいたが、本作の解釈ではブッシュがやる気がなかったということですね。なるほど。政治と企業の癒着という問題は決して他人事ではない。アメリカでは軍需産業だが日本では道路族と年金か。違いは直接的に人命が奪われるか、間接的に命をすり減らすかだけだ。一番印象的だったのはやはりフリントの惨状である。失業率50%!ありえない。貧困層の若者たちは生きるために入隊し、イラクで死んでいく。同じイラクでの兵士と企業派遣社員の給料格差。両方とも血税である。それにしても陰謀とか癒着は普遍的だが、ブッシュの何が問題かというと、そのあからさまなやり方とデリカシーのなさだと思う。彼に対する反感の理由は、彼らが大衆を舐めているとしか思えないことだろう。ここまでわかりやすいとどう考えても映画より有利だ。最早現実の方がフィクションより刺激的。そういう意味でも本作は映画史においてターニング・ポイントとなり得る。本作は情報量が多く、セリフ?が多いので他の映画のようには観れない。これから観る方は集中してのぞむべきでしょう。集中して観る甲斐はあります。上記のようにテーマのデカさの割に「ボーリング」よりは地味だ。しかし本作の方がデキは上です。必ずや心に残るものがあるでしょう。 【わいえす】さん 10点(2004-10-05 01:14:33) |
64.この映画のレビューは難しいなぁ‥。ドキュメンタリーというには、あまりにもムーア監督の意見の主張が前面に出ているので、これは「ムーアの目から見たUSA・ブッシュ映画」なのだと思う。そして、私はこの姿勢に賛成。自分の思考の出発点である出身などの位置を明らかにせず、これが正論なのだと自分の意見を振りかざす姿勢は信用できないから。中立を装って巧妙に自分の意見を織り込む人間も多いわけだし、その方が安全だったりするけれど、そういった姑息なマネをせずに正面きってブッシュ批判をしているのは立派。まぁだから、この映画はあくまで個人の意見なわけで、これをそのまんま飲み込むのはマズイとは思う。あくまでムーアに都合のいいエピソードを集めて繋げてあるわけだし。それでも、英語がわからず世情に疎いため集められる情報が少ない私のような日本人には、大変重要で有意義な情報が満載の映画でした。常々ブッシュ大統領の胡散臭さに嫌なものを感じていた私には、色々な意味で納得がいった感じ。まぁ映画としては、監督得意のシャレやユーモアが少なく、社会派ドキュメンタリーとしては面白くないわけでもないけど、まぁ人を選ぶよねって感じはするなぁ‥。あと、この時期だから問題作として大きくとりあげられたって時期的なものもあると思うし。 でもね、観るのは決してムダじゃないと思う。まぁ私のように、途中何度か眠りそうになった人間が言っても説得力はないと思いますが‥‥頭でなくて心で観ると大変ココロが痛む映画だと思う。痛むのも、時には大事だよね。(なんか"まぁ"がやたらと多いレビューになってしまった‥まぁ許してくれ。) 【りりらっち】さん 7点(2004-10-04 18:45:00) |
63.《ネタバレ》 民主党応援の選挙向けと言えば身も蓋もないけれど、ドキュメンタリーとは少し違うように思えます。一番興味深かったのはブッシュ大統領がフロリダの小学校で児童と絵本を見ている時間にちょうど事件が勃発したのだけれど、それが時間を合わせて映し出されていることで、まさに現代のどこにでもカメラのある時代を象徴しているのですが、これも含めて権利関係の面倒な現代に、よくこれだけをスクラップブック化した映画が作れるとも思いました。逆に言えばスクラップブック化への承認を得られた映像だけが集められていることで、これがこの種の映画のひとつの危うさも意味しています。しかし歴史の証人の一つとなる貴重な収集ではあります。 【たいほう】さん 6点(2004-10-03 20:11:35) |
62.真に受け取るのもよし、斜め横の角度から考えるのもよし。まずは無知からの脱却、議論はそれからです。個人的には、もう少し皮肉を入れてもよかったのではないかと。 【たまごくん】さん 5点(2004-10-02 02:54:27) |
61.ボーリング~の方がよかったと思う。内容は世間で言われている通りの大方そのままです。皆様の感想の文章量の多さに、この映画の反響の大きさがわかります。そういう意味では監督の意向は我々日本人にも伝わった、と思われる映画でした・・・かな?ちょっと私は評価不能ですね。映画というより、政的イデオロギーの入っているドキュメント作品ですよね。こういう時の私の評価法はいつもの如く、中間の「5点」といたします。 【はむじん】さん 5点(2004-09-30 22:54:20) |
60.《ネタバレ》 『華氏911』は虚構でなく演技でないリアルな現実の映像を繋ぎ合わせて、虚構ではなく終りも見えない現代社会のリアルを皮肉混じりに説明した映画です。そのリアルといえばひどいものでした。アメリカ人の黒焦げ死体を橋に吊って歓喜する人々は残念ながら芝居ではありませんでした。息子を戦地で失って、そして自分の国が犯した過ちに気付き、ホワイトハウスの前で嘆き悲しむ母も、残念ながら芝居ではありませんでした。なんだかとても辛いです。脱力しました。これを映画(虚構)として観てよいものか焦りました。 一方的なブッシュ批判映画だと言われてますが、それはお客を呼び込むための売り言葉であって、マイケルムーア(=現実)は冷静で本質的です。これはブッシュの再選を阻止する為の啓蒙には留まらず、むしろあんなおっさんはどうでもよく、平和と安心を貪欲に欲する現代人の飢え、不幸にも犠牲になった人たちへの謝罪。この映画を賞賛した人も批難した人もどちらにせよ、映画館を出た後は平和について本気出して考えたことと思います。それが大事。 (以下変更)やはり映画として楽しんでしまっていいのではないかという気になりました。「なんじゃこのダメーな世界は!?」って。点数も上げました。 |
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59.世界の危機に、この国々が立ち上がった!…コスターーリカァーー!のところと、ウェスタン映画に顔を当てはめてキャスト紹介してるところが馬鹿馬鹿しくて面白かった。内容については、こういうのもあってもいいんじゃねーのかな、と思った。ドキュメンタリー映画を、普通の映画と同じ土俵で採点つけるのは難しいです。 【コダマ】さん 6点(2004-09-29 05:18:30) |
58.内容は単なるドキュメンタリーだが、この映画の存在自体に意義があると思う。ただ肖像権云々で訴えられそうな気もする。たいがいどの国の政治家も外面はいいので、こういうオフ映像を撮れた事自体を賞賛したい。んで5点。ストーリーとしては何を一番訴えたかったのかがハッキリとしていないので不満。よし、日本でも小泉首相をテーマに映画を撮ってみようか。でも警備がいささか厳しそうなので、盗撮に優れた監督じゃないといかん。あ、そうだ、盗撮に長けた田代まさし氏がいるではないか。タイトルはズバリ「純ちゃんの応援歌」でいかがだろうか・・・たぶんNHKでは放送禁止になるだろう。一番の問題は、田代氏が復帰するであろう数年後に小泉首相が政権を握っているかどうかだ。 |
57.ブッシュ批判の部分で、大幅に評価が落ちた感じ。この作品で最も評価すべきはアフガニスタンやイラクの犠牲者の映像を躊躇いなく流し、観客に見せ付けた事だったと思う。ロックを聞きながら薄ら笑いを浮かべ、戦車に乗ってイラク人を射殺していく米兵の映像は、フィクションの作品の中の出来事であってほしかった。あの映像がドキュメンタリー映画が描き出した一人の「人間」の行為であった事に、平和ボケした私は非常に非常に大きなショックを受けた。 【wood】さん 6点(2004-09-25 10:17:23) |
56.映画を政治に利用するというのは嫌悪感を持ちますね。 【ポーラスター】さん 0点(2004-09-25 01:28:47) (良:1票) |
55.「目の前の悲惨な現実に対し、映画というメディアは何かできるか」「映画作家としてどこまでリアルタイムな映画が作りえるか」これこそマイケル=ムーア監督の挑みであり、映画作りの真の狙いなんだと思う。そして、その狙いどおりこのフィルムはまさに、この時代の中でリアルに呼吸している。また監督は、封切1年経たずに今作品をTV放映に漕ぎ着けるつもりらしい。公開1年未満でのTV放映はアカデミー賞選考対象外となるらしいが、それでも、このフォルムの“旬”を誰よりも分かっている監督だからこそ、賞よりTV放映を選んだのだろう。僕は、こんな監督の試みとガッツに惚れた。映画の新しい可能性を感じ取れる。このムーアという男の風貌や体格はいかにも白人アメリカ人だ。だけどその眼差しは、さらに弱者の側にある。やさしい視線と、批判の矛先へのシビアな追求。ここに監督なりの“自国の愛し方”が感じられるんです。このフィルムからは「ブッシュ大統領を中傷してやれ」とか、そんなマイナスなエネルギーはあまり感じられなかった。むしろ温かい前向きなエネルギーに溢れていると思う。それが監督の誠意と信念に立脚しているに他ならない。が、そんなマジなところを映画で見せるのは照れ臭いのだろう、ブラックユーモアいっぱいのマイケル節となる。この辺りもご愛嬌であり、ドキュメンタリーでありながら、マイケル=ムーア監督の作家性や、人となりがふっと垣間見れる。敵に回したらコワイが、結構イイ奴なのかもしれない。 【BUNYA】さん 10点(2004-09-21 01:37:09) (良:1票) |
54.こんなやり方はどうだろか。まぁ確かにこの作品によって現大統領の腹黒さやしたたかさを否応ナシに見せ付けられた訳だけど、それはそれで深く考えさせられる事は多くあったにしろあるにしろ、 …なんせフェアじゃない。あまりにも一方的すぎやしないか 映像の暴力だ。どこから仕入れてきたのかプライベートな部分の映像までをも引っ張り出して来てる挙げ句にそれをエンターテイメントに魅せようと、、ジョークを挟み音楽を挟みそれを繋ぎ合わせて何処の馬の骨かもわからないロックミュージシャンのロックに乗せて「さぁ見てくれ」て… それってちょっとあんまりじゃないのかな…。もっとさ、ほら、真面目な仕上げ具合には出来なかったのかい?真剣さだけでは勝負はできなかったのかい?見てる側からすれば例えつまらなくっても仕方がないやな っていう覚悟はちゃんと出来ていたんだよ。もっとストレートに行って欲しかったな。嫌気がさしてしまいましたよ。今回のマイ公にはさ。。 【3737】さん 5点(2004-09-20 22:25:07) |
★53.前半のブッシュ家とビンラディン家のつながりのあたりは面白かったのだが、肝心の9/11以降がどうもピンとこなかった。大騒ぎをしたり、パルムドールを受賞するほどの映画なのかなぁと思うのだが。 【スタン】さん 4点(2004-09-17 02:17:35) |
52.ブッシュをネタにしながらも、それはあくまでネタ(あるいは切り口)であって、僕自身は、9/11以降に加速度的に変化していくアメリカ社会(と、それとつながっている日本を含めた世界)の深層を描こうとした試みであったように感じた。特に、深刻な失業問題をかかえる地方都市から兵士が次々と送られていく姿が印象的。現代の世界には、「国」「国民」だけではくくれない見えない「境界線」が存在していることを見せてくれる。もちろん、イラクやアフガンでの「被害者」たちの姿が見えないという批判は成立するけど、そのすべてをこの映画に求めるのも酷なものだ。そうした一連の試みが成功しているかどうかという点では、まだまだ疑問は残るけど、ある程度の素材は提供されていたと思う。少なくとも、これを見て、アメリカ人ではない人々が、「ブッシュって悪い奴だ!アメリカっておかしな国だ!」っていうカタルシスを味わうだけで終わっちゃいけないというのだけは強く感じた。まあ、映画として採点するのは難しいなあ。とりあえず2時間の上映時間で喜怒哀楽を味わいながらも、考える機会を与えてくれたということで、7点ということにしておきます。 【ころりさん】さん 7点(2004-09-14 23:55:06) |
51.面白いか否か、というのは二の次でしょうな。この内容を映画として成立させたことと、誤解を恐れずに言えば“素晴らしいキャラ”であるブッシュに敬意を表して6点。いろいろな意味で意義はある映画だと思います。 【まつもとしんや】さん 6点(2004-09-14 23:24:20) |
50.無理矢理連れて行った小6の息子が観賞後「アメリカってそれほど自由の国ではないんだね」とポツリ。言葉をこねくり回す母よりよっぽどいいこと言う彼が少々誇らしくも感じられたが、途中かなり寝ていたよね~。 映画としては及第点。本来ドキュメンタリーとは私情を挟まないものだから、そういう意味では失格だが、誰もを引込む内容ということでは、やはり価値のある1本。パルムド-ル受賞に関してもそりゃないでしょうと思ったが、これもタランティーノら審査員及び世論の力。今見るべき作品であることだけは確か。政治や経済の本質を一般人が知る由もないなどという時代は、もはや終焉にしないといけないということなのかもしれない。これがアメリカの政治や世界情勢をもし変えることがあったとしたら、それはまぎれもなく天命だろうからブッシュは諦めるべし。しかしながらM・ムーアの相変わらずの突撃ぶりには、やはり「ボウリング.....」と同じく「女性的な論理展開」という感想を持った。『弾丸をたやすく入手できる環境が悪い、よって販売しているKマートへ販売中止を直談判に行く....』『祖国と世界平和のために戦争へ赴くのはいつも下層階級の人間、ならばそれを決定している議員達の子を戦争に行かせよう.....』普通の男が利害に縛られて言えないことを、ムーアは明快にやってのける。だからこそひどく単純に見えてしまうのは少々気の毒ではあるが、それが何かのきっかけになるのなら、それもいいのではないかな。とにかく私たちは考えることを始めよう。子供をなくしてからでは遅すぎる。無知は最大の敵、つくづくそう思った。 【showrio】さん 7点(2004-09-14 11:50:19) |