14.《ネタバレ》 後半の最大の見せ場(プライベートライアン顔負けの演出)
ここまで人間ドラマに力を入れ大和の全景をリアルに描写しておいて、
人が死んでゆく演出が軽すぎます。
最近のハリウッド映画に特に多いのですが、
名前を呼ばれないとわからないくらい死体の扱いが粗末。
カメラワークが早すぎるのです。
ハリウッド映画では最近の「アイランド」「キングダムオブヘブン」の戦闘シーンのような・・
人間ひとりが死ぬ場面を丁寧に撮れとは言わないけれど、
命の尊さが逆にあまり私には伝わってこなかった。
だから生き続ける人のほうが存在感があったことはまあいいことなんですが・・
この後半の最後の船出に向かう大和は圧巻で、
この映画の最大の見せ所だと私は思いました。
「鳥」のように囲まれサンドバックのように米軍戦闘機に攻撃を受ける大和。
これはすごくよくできているなぁと思いました。
それまでの人間ドラマからしてここから主役は大和から人間だ。
ひとりひとりきちんと最後まで描いてほしいと見ていました。
・・なぜ早回しをするんだろう。なぜ必要以上にカメラを揺らせるんだろう。
誰が誰やらわからないじゃあないか(爆)
大事なところで感情移入ができないのに、
なんと回りは泣いている・・??
そしてさらに感情移入ができなかった理由があります。
若い役者の顔が見分けがつきにくい(苦笑)
現在のシーンと回顧シーンとが重なっているのですが、
コレだけよく似た役者を揃えると誰を主体に見たらいいのかわからない。
パンフを購入しあとで見たらよくわかるんですがやっぱり似てた・・
仲代達矢の若い頃の神尾君役松山ケンイチ がピンとこなくて、
結局は神尾君と西君と内田守が必要な役であり、
その他の配役に時間をさけばこの3人の焦点がぼやけてしまう。
もちろん上司は必要不可欠ですが・・
反町はどうだったんだろうか・・
渡哲也が出てきたあたりから面白くなってきたんだけど、
それまでが誰を主体にしているのかついてゆけませんでした。
私の評価としては、
後半の大和の最後の戦闘シーン(人間の描き方は悪い)
歴史をきちんと描けている。
天皇制や戦争の意味など今の時代に描けたこと。
こういったことが評価の好対照です。