46.きれいな映像はほとんど皆無、汚くってみっともなくて、泥臭さの漂ってくるような映画。嘔吐の場面が四回もある(笑)。でもたまにはこんなとことんかっこ悪い映画があっていいと思う。映画に限らず、多くのドラマというものは、苦悩や悲劇ですらかっこいい。主人公たちが辛い思いをしていても、それなりに格好がついている。だけど、現実にはそんなええかっこばかりでは生きていけないもの。辛いことがあれば酒飲んでゲロを吐くこともある。地面を這いずってでも生きていくことにしがみつく、なりふりかまわない強さ。主人公は劣等感の塊ではあっても、ネガティヴになってくよくよ悩むことはない。嫌なことがあれば大声で泣きわめき、とりあえず忘れて全力で逃げる。彼女の常に前に進む姿があるからこそ、この深刻な物語が暗いトーンに支配されることはない。彼女の身体の奧から湧いてくるようなエネルギーには爽快感すら覚えた。「どんなに滑稽でもいい。とにかく生きろ!」――監督の力強い応援の声が聞こえてくるかのようだ。快作。 【no one】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2006-01-12 14:53:01) |
45.これ、良いです。役者が何と言っても良いです。特に藤山直美、凄い。さすがは名優、藤山寛美の娘だけのことはあると思える。本当に素晴らしい演技しています。そんな藤山直美という女優の魅力を十分に引き出した阪本順治監督の手腕もお見事です。個人的には「どついたるねん」と同じぐらい好きな作品です。この年のキネマ旬報での日本映画部門第1位も納得の出来栄え、単なるサスペンスとしてでなく、社会派の映画としても見応え十分の力作だと思います。 【青観】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-08-03 22:32:14) (良:1票) |
44.どなたか書いてらしたけど、かなり悲惨な話なのに暗くない。「女は、いざとなったら男なんかよりずっと強いんやでえ!」というのを藤山直美がどごーんと体現してましたねえ。ラストシーンもちょっと笑えて、でも感動的で素敵。それにしても、大楠道代って女優さんは凄い。少し前に観た「赤目四十八瀧心中未遂」でも物凄い存在感あったけど。てか、抱かれたい(受身かよ)。こんな言い方はかえって失礼なのかもしれないけれど、「日本のスーザン・サランドン」って感じ(調べてみたら同い年だった)。あちらじゃ、スーザン・サランドンが主役張ってる作品一杯あるんだから、日本でも大楠さんを主役にしたオトナの作品が観たいなあ。そーゆーの、いつか撮ってよ、阪本監督。 【ぐるぐる】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2005-05-19 17:01:04) (良:1票) |
43.《ネタバレ》 生き方が、人生に対峙する姿勢が、「顔」を創るという例を示した映画かな。創られた「顔」が、今度はその人の人生を規定する。「吉村正子」は引きこもっていた自分の小さな殻(島)から、自転車でも、泳いででも抜け出すことはできなかった・・・。ま、とにかく役者藤山直美の絶妙な演技、女優大楠道代の洒脱な仕草に酔いしれることができました。ただ、贅沢なキャストたちの演技のデパートの中で、豊悦はあんなんでいいのだろうかと心配してしまいました。 【karik】さん 8点(2004-09-26 23:04:41) |
42.好きです。生きているねーみんな。生きるのは大変だという実感と、人との出会い、別れ。ほんとみんな一生懸命生きてる。生命力濃い 【ガム】さん 9点(2004-06-07 01:10:52) |
41.藤山直美は上手いと思います。トヨエツの役柄も好きですし、大楠さんもとても良かった。でも作品の持つ世界観があまりに暗すぎて観ていてちょっと辛くて痛かった、、、力のある作品だとは思うのですが。 【n@omi】さん 5点(2004-03-30 04:17:53) |
★40.《ネタバレ》 なんかグロイ演出が多くて好きになれない。 終わり方も…なんやそれ!としか言いようがないし。 世間では評価高いみたいやけど、僕にゃ合わなかったですわ。 【ふくちゃん】さん 3点(2004-03-02 18:10:32) |
39.俳優・演技10点、物語6点で平均でこの点にさせてもらいます。藤山直美の演技は本当にすごい。「自転車で転んで顔と一緒に体もうってこの体になった」「さらばじゃ」には笑った。 【孤島の鬼】さん 8点(2004-02-29 18:54:23) |
38.ヒキコモリ的後ろ向き逃避行と殺人による前向きな?逃避行、社会から逃げながらも人間性を取り戻してゆく。また名優・藤山直美は全てにおいて真面目に演じている、これが何とも可笑しくて堪らない最高のコメディ。 【亜流派 十五郎】さん 7点(2004-02-06 16:03:12) |
37.藤山直実は恐らく謎の媚薬を体内から作り出せる特異体質なんだと思う。ヒッキーでしかもブサイクな主人公が輝いていくのは良かったけど中盤少し退屈でした。 【わーる】さん 7点(2004-01-23 15:51:05) |
|
36.これ私好きです。気取りのないべったべたの邦画。ヒロイン役の藤山直美というど太い柱が、最後海を泳ぐシーンまで力を失わず出演者を引っ張り、私を魅了した。夢も何にもない結末だし、阪神大震災のシーンもあったり、暗い映画のはずなのに暗く感じない。この脚本完全に藤山直美を頭において書いたんだろうな。彼女以外に誰もできない。すんごい女優だ。脇では、牧瀬里穂がどのドラマや映画より一番良かった。清純で売ってたと思ったらこんなハスッパ姉ちゃんもできるのか。変わり映えしないトヨエツに勝っていた。 【のはら】さん 8点(2004-01-14 19:34:20) (良:1票) |
35.逃亡の旅で、様々な人と関わりの中で、成長していく主人公を藤山直美の名人級の演技が魅せる。 自然体かと思うほど、ブスを堂々と演じきったかと思うと、「ウチと一緒になって下さい」と告白し「さらばじゃ」と別れを告げる場面では、痛々しいほどに可憐だ。 豪華絢爛な脇役陣は、概ね良い配役だが、残念なことに、不要な場面も多いように感じる。 駅に降りた瞬間、映像がとんだようになる画も意図を掴みづらい。 秀逸との評判高いカメラワークも、執拗なほどに風景を切り取った、あるいは長回しの、ストーリーとの無関係な部分に少々食傷してしまった。 題材と役者がいいだけに、惜しい気もする。 【poppo】さん 6点(2003-12-20 11:41:10) |
34.社会に適応しきれずにいた女が、妹殺しの逃亡生活の中で社会生活に喜びと充実を感じていく。非常に皮肉なものだが、今の社会というものは、ただ素直に生きていても幸福感は得られない寂しい部分が確かにあるのだと思う。屈折しさらに屈折した生活の中で人間らしさを見出していく主人公を藤山直美が色濃く演じる。 【鉄腕麗人】さん 7点(2003-12-16 17:41:20) (良:2票) |
33.女優さんって美醜に捕らわれず演技力で光るという事を思い知らされました。なーんて言うと藤山直美に悪いが・・・・。 【あずき】さん 7点(2003-12-07 16:55:54) |
32.ストーリーにメリハリが無いが、そのせいでいっそうリアルで生々しい。それにしても藤山直美と牧瀬里穂が姉妹って... 【R&A】さん 6点(2003-11-12 17:19:13) |
31.ここまで美がない映画も珍しい。普通ぶすでもキュートな女優さんを使うのに。でも藤山直美には感服した。 |
30.チョイ役なのにトヨエツがやたらカッコ良く見えた。あと藤山直美も内部の変化を良く演じてたと思う。冴えない年増の姉が殺人の逃避行を続けるうちに明るくなっていくという皮肉な運命。そして最後はどうかうまく逃げて欲しいと思わせる演出。地味だけど秀作だと思います。実際、ああいう主人公みたいな地味で太目の女が好きな男もいるんだよね(謎の笑) 【ひろほりとも】さん 7点(2003-10-28 14:38:27) |
29.この「顔」という題をみて昔の福田和子(?)の事件の話だと思っていました。顔を整形して生きていくっていう話かと。話は違いましたがそれがよかったかもしれません。妙にドキドキして怖かった。あんな人生いやだけど、生きていくにはどんなことでもしないと。死ぬ気になったらなんでもできる。でも、やっぱり最低の女。そんな女像をみごとに演じた藤山直美に脱帽! 【ぼちぼちさん】さん 7点(2003-10-22 23:00:49) |
28.こ、怖いよう・・・。ガタガタ(((゜Д゜))) 【しぎこ】さん 4点(2003-09-01 19:29:42) |
27.面白かったです。藤山直美はやはりうまい。アメリカンニューシネマを思い出した。音楽は全編1曲のアレンジだけで、使い方が効果的。チョロッとだけ出ている勘九郎や、岸部、佐藤浩市、豊川悦司、スナックママの大楠道代・・・キャスティングもバッチリ! 【パキサン】さん 9点(2003-08-06 01:28:12) |