1.《ネタバレ》 新進気鋭の大学生監督が手がけたというSFサスペンスホラー。紹介記事によると「オーヴァージャンル・ムービー」だとか。確かに色々な要素がごった煮で、若い人が必ずやってしまうであろう過剰な表現に満ち満ちている。はっきり言えば「世にも奇妙な物語」かな(笑)。
まあ、これが試写か何かでタダで見れるものだったら何も文句は無いけど、「金を取る商品」として見た場合、残念ながら評価は出来ない。
世界観にしても、キャラ設定にしても、ストーリー展開にしても、過去にある様々な既存の作品の「部分的模倣」と「ツギハギ」がほとんどで、オリジナリティは皆無。基本的に監督さんが今まで見た漫画やアニメ、映画などから得た知識と刺激のみで作ったという印象。
近未来の管理社会と奇妙な世紀末的世界観、必然性皆無の女子高生の主人公、危険な死刑囚と怪しげな住人、エレベーターでの密室劇、心を読む超能力者、バイオテロetc.etc...。
サスペンスやホラー、SFによく見られるギミックを足して鍋に放り込んでごった煮にしたような内容は底が浅く、各要素も繋がりに欠けているし、監督が何にインスパイアされたかという出典の見当もすぐについてしまう。結局「オーバージャンル」などと評されてしまっている地点で、作品としての方向性や世界観が定まっていない事の証拠。
要するに既存の作品の設定をあちこちから持ってきているだけのシロモノ。作品としてパロディ以上のものを構築しようと言う意欲や独創性が感じられないのが最大の欠点。