9.《ネタバレ》 ノンストップ何でもありクリーチャー大暴れ風ホラー、とでも言いましょうか、既に皆さんの中にご意見もありますように前半は良くとも後半はまるで別世界の如き展開になり、これは評価が分かれても仕方ないですね。てか、後半で評価を落としても止むを得ずと言ったところです。
前半で怪しげな青年を登場させて好青年ぶりを大々的に披露し警戒心高めの彼女も心を許したあたりでは、「こいつヤバいだろ。絶対やらかすだろ。」みたいな鉄板的変態サスペンスホラーを予感させ、閉じ込められた彼女は謎の地下室を発見し、何とか逃げ出すも今度は彼が単独でそこに入って行った挙句彼女に助けを求めるなんてのは意外性も何もない定番的な展開ながらハラハラドキドキ。ところがサスペンスホラーかと思いきや謎の怪物風の女が登場し惨劇が…。そして画面暗転。次の瞬間には40年前の明るく美しい街の風景と育児用品を買い求める謎の男が登場、そして件の家。ここまでは丁寧な作りで良かったです。若干80年代にしてはクルマが古いですが。
後半、一気に雰囲気の変わるノー天気男の登場で作品テイストが別物に。ところが彼は件の家のオーナーで、突如それを売らざるを得ない境遇になっていくという予想もしなかった展開で強引に前半とリンクしていく訳ですね。そこから後は再び変態サイコサスペンス的なエッセンスも交えつつ謎の怪力母性愛女が暴れるという構造。確かに前半との落差ありです。が、強引ではあるものの辻褄は合わせてあり、変態男が生み出した悲劇の怪物の悲しい物語として幕を閉じる。うん、こう書いてみると悪くないかも。
正直なところ「んなワケねーだろ!」とか「行かないって!普通そこ入らないって!」などなどツッコミ入れながら結構楽しんで鑑賞しました。個人的満足感は高めの作品。作品の散らかり具合に合わせてレビューも散らかってしまいましたが、理詰めで鑑賞するには向かないものの、7点は献上したい作品でした。