8.《ネタバレ》 子供の頃、確か水曜ロードショーで放送されてたっけか。水曜ロードショーって、なーんかコワそうなエゲツなさそうな映画ばっかり放送している印象があって(実際はそうでもなかったのかも知れないけれど)、あの穏やかなオープニングがいかにも、嵐の前の静けさを思わせたもんです。
で、なぜか家族そろってこういう作品を観てたのですが、まだ小さかった私は途中で寝て、後半の展開を翌日、親に教えてもらう、というのがいつものパターン。この映画も、火を発する昆虫が、車を燃やしたり、電話の受話器にへばりついてて髪の毛を燃やしたり、オソロシゲな場面の数々にたまりかねて(であったか、それとも単に眠かったからかは、もう忘れましたが)、布団に入り、翌日、その後どんな恐ろしい展開になったか、父親に聞いてみると、「男の人があの昆虫を飼いならして、言葉を言ったらその文字の形に昆虫が並ぶねん」「でも最後はその昆虫に殺されるねん」とのこと。子供心にも「なんのこっちゃ」と思いつつ、映画ってのはスゴイなあ、そんなアサッテの展開にまで広がっていくのか、と、何やら壮大な感じすら受けたもんでした。
・・・当時のオヤジの説明、実際の映画とはちょっと違ってましたね。それとも私が何か聞き違いでもしてたのか。別に、飼いならしたり、自由に言う事聞かせたりする訳じゃ、なかったんですね。
しかし、自然を愛するサワヤカ系の教師が、後半、だんだんマッドサイエンティストになっていくあたり、なかなかよく描けております。いやそんな描写はいいから、もっと昆虫の襲撃を描けよ、パニックを描けよ、と思わんでもないけれど、いやこれがオリジナリティというもの。いいじゃないですか。さらに最後は「?」な幻想風味のカタストロフィ。いや確かに、当時のウチの親も、私へのあらすじ説明に困ったであろうことは、想像に難くないですな。