6.《ネタバレ》 両親の供養をするという旅の目的がいい。
永瀬の運転する車が危険地帯に入り込んでしまい、立ち往生してしまったところで不思議な力を持った少女が奇声を上げて車を直してしまったりするシーンを見るに、この映画は恐らくファンタジーなんだろうと思います。
ただ、ストーリーとしては非常に好感が持てるのだけど、画面作りやストーリー進行における演出が凄く下手。
ゴルフボールがリモコンに当たると両親のビデオレターがパッと流れるくだりなんか失笑モノだし、アイスランドの空港を出てスーツケースを他のツアー客と一緒に持って行かれたシーンなんかも、他のサスペンス映画などと比べてしまうと歴然とした差を感じてしまったりして、序盤では特にそういった不自然さのようなものが顕著に出ていたと思います。
中盤でも、アメリカ人カップルの男が売店の中で銃声を響かせた後でカウンターにいた女の子が外まで追いかけて来なかったりするのも見る側への配慮に欠ける感じがありますし(撃たれてしまったのかと気になってしまう)、その時に車内では女が永瀬の首元にナイフを突き付けていたのも当の本人は気が付いていない様子で、映画の至るところで不徹底さが垣間見れる作品という印象です。
また、1ショットの中で画面の色調が少しずつ変化していくのも、もし故意でやっているとすればセンスを疑うし、そうでなければ無頓着と言わざるを得ないでしょう。
ラストの川辺のシーンでも、遠くから永瀬の行動を見つめている人がいましたが(送ってくれたおじさん?追いかけてきた?何故?)、おじさんから永瀬を見ているカットが入っていないものだから二人の位置関係がわからず、最後まで素人が撮ったような映画を見せられていた感じでした。(て言うか、おじさんを登場させる意味ないし。)