12.《ネタバレ》 田西君は誕生日の夜にデリヘルのおでぶちゃんと抱き合ってました。自分は誕生日の夜に、この映画を見てしまいました。すごい偶然です・・・。嫌になるくらい。
この映画の田西君はほんとうにかっこ悪かったと思う。
最初のうちは上から目線でくすっとなるんだけど、段々と自分と目線がシンクロしてきて、痛すぎて途中で見るのが苦痛になった。
どうにかして彼女を取り戻そうとする田西君。色々な作戦に出ます。
結婚式のスピーチも自分に酔ってる節があったと思う。
殴りこみに行く事だって、彼女の為というよりも、情けなくて無様な自分の自尊心を傷つけられたことに怒ってた節があったんじゃないかなと思う。彼女は、それを無意識的に感じてたんだと思う。だから届かなかった。
最後、お漏らしまでして無様の底辺の状態になった田西君。
駅のホームで初めて、自分を捨てて彼女にぶつかっていきます。
最後の最後に、かっこつけや、ナルシシズムなんか捨て去った本音の言葉を吐くのです。
それが、彼女の胸を打ったんだと思う。
言ってることは、卑猥で下劣でどうしようもないけれど、今まで見た映画の、どんな「愛している」という言葉より、弾丸のように胸に届いてくる愛の告白だと思った。
かっこいい男とは、無様な自分をさらけ出して、それでも勇気をだして前に走っていく奴のことなんだな。
ラスト、街を疾走していく田西君は、ナルシシズムに溺れたままのタクシードライバーのトラヴィスなんかより、最高にかっこよく見えました。