42.私の個人的な感覚でいえばロバート・ダウニー・Jrといえば性格俳優の趣きが強く、そういった意味でもチャップリン役は彼に最も適した役だったのではないかと思います。実際彼の役へのなり切り具合はとても素晴らしいものでしたがストーリーがそれに見合っておらず、どうにも軽い作品に成り下がっています。喜劇俳優を描いているにもかかわらず大して面白くもなく、また心に響くような深い映画にもなっていません。そもそも論ですが世界で最も有名な喜劇俳優かつ監督、いわゆる偉大な芸術家であったチャップリンの一生をたった2時間半で描こうとしたのがそもそもの間違いで、ガンジーのようにせめて3時間、いや3時間半でも良かったかもしれません。 幼少期も青春期も青年期も全てが早歩き過ぎて、見ている私たち観客の心には何も響きません。ロリコン気味の彼の女性遍歴も何となく早歩きで軽く紹介しただけで終わっています。更に成功期から晩秋期においてはアンソニー・ホプキンス(ジョージ・ヘイドン記者)が妙に幅を利かせてきて要らぬ存在感を放ちます。意味深なセリフも目立っていて妙に映画が散漫になっているのです。何か哲学めいた雰囲気からのあのイメージビデオのようなラスト。他の方もおっしゃっている通り、キャップリンの人となりを知りたかったら「街の灯」を一本見るだけで十分に彼のことが理解できるでしょう。 2時間半の伝記映画にするにはあまりにも偉大すぎたチャップリンの紹介映画は、それを作ってしまった時点で蛇足以外の何物でもなかったという感想です。ただし、早歩きでざっと彼の人生を見渡すにはよく出来た作品ではありました。 【アラジン2014】さん [インターネット(字幕)] 5点(2022-09-13 11:28:04) (良:1票) |
41.《ネタバレ》 ああ、なんというベタっとした映画なんだろう。まるで、Wikipediaの「チャールズ・チャップリン」の項目を読んでいるかのようだ。作中で架空の自伝編集者であるジョージ(アンソニー・ホプキンス)に「あなただって欠陥人間なんだ。それを書くべきだ」と言わせておいて、本作では、従来の文脈を逸脱したチャップリン像を見せることをしない。作中のチャップリンに「人は成し遂げたことで評価されるんだ」と言わせる。その通り。ワタシはチャップリンの自伝も、伝記映画も必要と思わない。ただ、チャップリンの作品を見ればいいんだ。最期のシークエンスは、チャップリン映画の名作群。「キッド」のあの一番泣かせるシーンを切り取って出すのか。あああ、なんだかなあ。ずっと意味ありげで、最後は名場面集で終わらせるのかよ。なんかズルくない? 【なたね】さん [DVD(字幕)] 2点(2021-03-14 21:52:57) |
40.《ネタバレ》 見事なまでにチャーリー・チャップリンを演じきっている。 【ゆっきー】さん [DVD(字幕)] 7点(2018-05-01 13:55:56) |
39.《ネタバレ》 伝記映画としては、チャップリンが自伝のために作家に人生を回想する、最後はオスカー受賞式のところで閉める、など非常にかっちりしたオーソドックスな撮り方がリチャード・アッテンボローらしいところです。正直なところ『ガンジー』の時の様な主人公に対する思い入れは感じられず、平凡な映画と言う印象は否めませんでした。でもこの映画の意義は、ロバート・ダウニー・Jrにチャールズ・チャップリンを演じる機会を与えてくれたことに尽きるんじゃないでしょうか。もう上手い、としか言いようがない素晴らしいパフォーマンスです、さすがに老年期のチャップリンについてはちょっと苦しいところがありましたが。 私生活の乱れで俳優キャリアの低迷時期が長かったのは残念ですが、この人は現在のハリウッドでも屈指の演技力を備えたアクターだと思うんですけど。まだまだ若いし、ダニエル・デイ=ルイスを超えられる可能性すら秘めた人だと思うんですけどね。 【S&S】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2013-12-26 22:16:30) |
38.伝記ものってのは、すでに巷間に流布しているイメージから、いかにナマなものを削り出してくるかってとこが勝負。といってただ裏返しただけの偶像破壊もつまらない。けっこう難しい。これだけ大きな人物を対象にすると、やはりビビってしまうのか、けっきょく当たりさわりのないものになってしまった。「愛されるチャーリー」「センチなチャーリー」はある一方、初期の作品に見られる「単なるからかいを越えた悪意を感じさせるチャーリー」「凶暴で殺伐としてさえ感じられるチャーリー」は割愛されてしまった。この両者の兼ね合いにチャップリンの魅力はあったのに。おもだった作品に触れていく中で『殺人狂時代』には言及しない。あれはチャップリンの女性遍歴(少女遍歴)のネガとして興味深い作品だろうになあ。はじめてセネットのとこを訪ねて、編集というものの面白さと怖さを知るエピソードはなかなかよかった。ヒットラーとの対比なんかもっと執着しても面白かったのでは。20世紀の二人の独裁者として。チャーリーの名場面集で幕にするってとこに、偶像に寄りかかってる情けなさが現われている。大部の「チャップリン自伝」を2時間半で読めたと思えばオトク。 【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 6点(2011-09-02 10:04:19) |
37.チャップリンならずとも、著名人の一生をざっと描けばこれと似たようなストーリーになる気がします。貧しい少年(少女)時代に始まり、ちょっとしたチャンスをモノにして頭角を表し、世間的な成功のウラで恋愛やら別れやら訴訟やら毀誉褒貶やらが絡んで苦悩する…。チャップリンの生涯がこれだけだったとは思いませんが、映画としてはよくあるパターンの連続でした。ただし、ラストでチャップリン映画の断片が流れたシーン、それと登場人物たちの生涯をコンパクトに紹介するシーンはちょっとグッときました。人それぞれ、重い運命を背負っているんだなぁ、だからこそ「笑い」が大事なんだなぁと。 【眉山】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2011-06-12 02:28:15) (良:1票) |
36.ダウニー・Jr.のチャプリン成り切り振りに感心しきりでした。あの独特の笑い方など、見事なものでした。しかし、何故邦題は「チャーリー」にしたんだろう? 【leo】さん [地上波(字幕)] 7点(2011-05-02 17:07:44) |
35.チャップリンの人生を描くということの興味、大のチャップリンファンである私にとってはどのようにチャップリンの人生、一般的にまだ知られていない別の顔などその他見たいけど見たくない。でも知りたいという何とも複雑な気持ちを感じつつ観ることにした。でもって、やはり偉大過ぎる人物像を2時間ちょっとの時間で全て見せる。描くことの難しさを覚えずにはいられない。今まで一度もチャップリン映画を観たことのない人にはなるほどね。これがチャップリンなのかとなるかもしれない。しかし、私のようにチャップリン映画は短篇も長編もほとんど観ている者からすると物足りない。伝記映画としては大変、良く出来た作品だとは思うし、監督のチャップリンに対する愛も十分に感じることが出来る。その他、出演者の演技、特に主人公チャーリーを演じたロバート・ダヴニー・Jrの演技は素晴らしいものを感じさせるし、本物のチャーリーになりきっているぐらいお見事である。それでも初めてチャップリンを観る人にはチャップリンの全て、魅力を全部伝えようとするならば伝記映画ではなく、本物のチャップリン自身が演じているチャップリン映画をどれでも良いから1本見せる方がチャップリンの素晴らしさを伝えることが出来るのではないだろうか?(個人的に1つだけ薦めるなら迷うことなく「街の灯」←この映画を貶す人とは友達にはなれない。)この伝記映画だけを見てチャップリン初体験の方が本当のチャップリンの偉大さをどれだけ解ることが出来るだろうか?という疑問が残る。最後にもう少しだけ言わせて貰うとこの作品を観て一人でも多くの方がチャップリン映画を観たいと思うようになってくれたら私はとても嬉しい。天国にいるチャップリンもきっと同じであろう! 【青観】さん [DVD(字幕)] 6点(2011-04-29 21:18:46) |
★34.《ネタバレ》 恵まれなかった少年時代、病んだ母親、移民としての立場、多くの女性たち、トーキー時代の到来、二つの大戦、赤狩りの波、そしてついに国外追放…。いろいろありすぎて深く掘り下げられなかった面はあると思うが、ロバート・ダウニー・Jrの好演もあり、存分に楽しんだ。チャップリンの映画は数本観てるけど、チャップリンの人生については知らない事だらけだったのが逆に良かったのかもしれない。国外追放から20年、第44回アカデミー賞授賞式、そこには83歳になったチャップリンの姿があった。「サーカス」などの名場面上映に昔と変わらない笑い声が響き、拍手が送られる。さらに「キッド」で感動に包まれる場内。これに壇上のチャップリンの涙… BGM… もう反則レベルだ、泣かされた。チャップリンが初めて映画に出演してから約100年、この間、どれだけの人々が笑いと感動をもらった事だろう。そして、これからの100年もきっと…。偉大な喜劇王に敬意を表して8点献上。 【リーム555】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2011-04-23 13:07:25) |
33.《ネタバレ》 ◆監督はチャップリン(C)の作品よりも、私生活、特に女性遍歴に興味を持っているようだ。女性の年齢を強調し、必要以上に裸を見せる。C本人が観たら激怒すること間違いない。 ◆Cが成熟した女よりも少女に興味を抱くのは、恐らく彼の完璧主義的性格が原因だろう。不幸な生い立ちのせいで、理想の高い家庭像を抱いているが、それにはCの言うことを何でも聞いてくれるタイプの妻が必要。1から全てを教えて理想通りの妻に育てたいのだ。だがそれはうまくゆかず、離婚再婚を繰り返す。 ◆映画ではCが恩人の元を去り、独立したのはお金のためだとしている。貧困育ちの彼が人一倍お金に執着するのは理解できる。しかし、それよりも彼の完璧主義的性格の方が主因だと思う。自分の思い通りにやらないと気が済まない性格なのだ。彼が監督、脚本、プロデューサー、主演、音楽を一人でこなしたのは偶然ではない。そうせざるを得なかったのだ。それだけの実力があったし、成功も収めてきた。だがそれ故に多忙となり、疲弊し、家族のことがおざなりになる。それが私生活の乱れにつながる。 ◆貧困時代が興味深い。兄や母との涙の別れ、孤児院の所員との追いかけっこ、ひょこひょこ歩きの集荷人、盲目の少女など、彼の後の映画のモチーフがさりげなく紹介されているのが心憎い。舞台時代のパフォーマンスが見れるのも嬉しい。初恋の女性ヘティに求婚したとき「愛の言葉もなくて?」と言われ、「言葉なんて必要かい?」と返すところは、彼の後のサイレントへの執着を暗示している。 ◆「浮浪者がしゃべったら魔法を失う」という彼の主張は的を得ていると思う。しかし同時に彼の限界でもある。初の完全トーキーは「独裁者」。最後の長い演説を聞かせる必要があったからだが、世界中に愛の言葉を伝えたいという情熱が、自分の壁を打ち破ることにつながったことは興味深い。監督はその演説シーンのスクリーンにペンキをかける。監督がCファンでないことは明らかだ。 ◆母親には限りない愛情を注ぐ一方で、父親に対してはひどく冷淡だ。終生嫌悪していた二番目の妻に対しても同様だが、一度嫌いになると許せないらしい。世界に愛を伝えたCが、自分の父を愛せないとは皮肉なことだ。伝記映画で父親が一度も登場しないのは不自然だし、残念だ。父不在が彼を幼少期から独立心を育ませた。彼が渇望していたものは常に愛であり、作品に強く反映されている。 【よしのぶ】さん [DVD(字幕)] 8点(2010-12-12 19:55:16) |
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32.”チャーリー・チャップリン”、この固有名詞はもはや全世界の映画史に残る一つのアイコンであろう。 「波瀾万丈」という言葉がふさわしい彼の喜劇人、そして映画人としての長い人生を、ひとつの「映画」として表現する試みは、「必然」であったと同時に、物凄く高いハードルだったと思う。 145分間のこの映画で、チャップリンという男の人生の本質をくまなく描き切れているとは思わないし、それは到底無理な話だ。 ただ、想像以上に「面白い」映画だった。深夜0時過ぎに鑑賞を始めたが、まったく眠気を覚えなかったほどに。 その“面白味”の大部分は、ロバート・ダウニー・Jr.のパフォーマンスに尽きる。 チャップリンの人生を映画化するハードルの高さは、即ちチャップリンを演じる俳優に与えられる試練の大きさだろう。まともな俳優であれば、その仕事の困難さに尻込みしてしまうはずだと思う。 が、ロバート・ダウニー・Jr.という俳優は、イロイロな意味で、まともではない。 舞台コメディアンとして仕事を始めた10代から、スイスで晩年を迎えた80代まで、チャーリー・チャップリンという男の人生の様を見事に“体現”していた。 冒頭、白塗りのメイクを落としていくチャップリン、その瞳には吸い込まれるような闇が垣間見える。 そこには、世界一有名な喜劇王が抱え続けた“孤独”と“虚無”が描きつけられている。 伝記映画としてその展開にはやや野暮ったい部分もある。アンソニー・ホプキンスが、珍しくあまり個性の無い編集者役で登場するチャップリンの晩年シーンなどは、何度も挟み込む必要は無かったように思う。 それでも、ダン・エイクロイド、ケヴィン・クライン、ダイアン・レインら実力俳優に加え、若く瑞々しいミラ・ジョヴォヴィッチも脇に配し、キャスティング的にも映画ファンとして非常に楽しめる。 チャーリー・チャップリンの人生を描くということは、即ち往年のハリウッドの舞台裏と、当時のアメリカ社会の“闇”描くということでもあった。そういう意味で、この映画はとても多面的な面白さを備えている。 そして何よりも、この映画を観ると、本物の“チャップリン”が観たくなる。 【鉄腕麗人】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2010-11-07 11:26:05) (良:1票) |
31.2時間では到底語れないのはわかりますが、ストーリーにはもっと深くえぐってほしいところも多々ありました。豪華なキャストや演技にはハッさせられました、ミラ・ジョヴォヴィッチも初々しくてみずみずしかったです。 【HRM36】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2010-09-05 11:13:16) |
30.《ネタバレ》 偉人を題材にした映画は観る側がその本人の風貌や顔と俳優を見比べてしまうのは仕方がないし、それがチャップリンのように世界中の誰でも顔を知っている人物なら尚更の事。これ程波瀾万丈の生涯を送った人物の話を2時間程度の映画という枠の中で描き切るのは大変な事だと思うし、彼の生涯の全てをしっかり描き切るのは不可能だとも思える。あまりにも駆け足でその生涯を振り返り、その中で次々登場する豪華キャストがあまり印象に残らないのが残念ですが仕方ないのでしょう。それでも本作のロバート・ダウニーJrは見事だった。称賛されるべき素晴らしい仕事をしたと思います。 【とらや】さん [DVD(字幕)] 6点(2009-09-27 19:44:34) (良:1票) |
29.マリサ・トメイとペネロープ・アン・ミラーとダイアン・レインが一つの作品で見られるなんて!!とわくわくしていたのですが、みんなちょこっとずつしか出てなくてがっかりでした。ほかの脇役も含めて、せっかく出すんだったら、その人たちそれぞれの主人公の人生における意味合いや位置づけをきちんと消化してから出すべきでしたね。これでは単に「その人がいたからその役を作った」というだけです。もっとも、こんな誰が見ても畏れ多い役に果敢に挑んだロバート・ダウニー・Jrの度胸と勇気には敬意を表したい。 【Olias】さん [DVD(字幕)] 6点(2009-09-14 23:04:39) |
28.《ネタバレ》 ○ファンであるチャップリンの伝記映画。監督もリチャード・アッテンボローということで期待したのだが、収穫はロバート・ダウニー・Jrぐらい。○そもそも映画化に無理があったとしかいえないような気がする。彼の波乱万丈の人生が2時間半で収まるわけもなく、中途半端な作品に出来上がった印象を受けた。伝記映画って難しいだろうな。 【TOSHI】さん [DVD(字幕)] 4点(2009-05-10 20:38:30) |
27.全然予備知識無く観たがチャップリンの伝記物?なのか? んー、チャップリンに思い入れがあるわけでもなく、詳しいわけでもないが、 これじゃちょっと薄っぺらくないかな? 転々とエピソードを重ねただけのようで映画というより文献という印象だった。 彼が思いいれ深いと思われる母親や友人が 彼にどういった影響を及ぼしたとかよくわからなかった。 あとサイレントにひたすら拘った訳も。 【ひで太郎】さん [DVD(字幕)] 5点(2008-10-21 12:28:55) |
26.観た後、う~んとうなりたくなってしまいました。チャップリンに失礼の無いよう一生懸命つくっているのは伝わるのですが・・・でもこの時間ならしょうがないでしょうね。ラストシーンはちょっと反則!! 【たけよし】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2008-01-09 20:45:24) |
25.《ネタバレ》 なんだろな~、この軽さ。中途半端に描きすぎてなんだか期待はずれ。著名な出演者もシーンが進むにつれあっさりフェードアウト。特にエドナ・パーヴィアンスなんて出てきたの1分ぐらいじゃね?脂ののってた頃のチャップリンを支えてた人物の一人なのになんか残念。とっても濃い彼の人生を2時間ちょっとって描く時点でもう無理っぽいね。3時間でもたんねぇや。ラストの一番の泣けるシーンを撮らずにチャップリン映画を拝借して泣かせたってところは有り得ませんな、全く。スピーチを期待してたのに。。。。チャップリンの伝記じゃなく、チャップリンの女たらしさを醜く表現した映画に僕は思えた。 |
24.チャップリンの伝記モノとしては表面をなぞっただけみたいな感じであることは否めない。でもやはりチャップリンを演じきったロバート・ダウニー・Jrは素晴らしいと思う。チャップリンは恋仲だった女優と別れたあとも仕事の有無に関わらず、一生その彼女に給料を支給し続けたと聞きます。そういったチャップリンの器の大きさ愛情深さなど人となりがもっと語られていたらなぁと。実際のアカデミー授賞式を見たけど、会場の全ての人たちがスタンディングオベーションでチャップリンを迎えてた。毎年授賞式は見てるけど今まで見た受賞シーンの中でいちばん感動した。 【envy】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2006-03-08 22:49:39) |
23.有名人の伝記映画って大変だよなーと思う。大体人の生涯を二時間にまとめるというのが無茶だし、ましてやそれがチャップリンみたいな、多くの人からそれぞれの深い思い入れを持たれている人であれば、結果的に多くの批判が生じるのも仕方ない。僕自身もこの作品を観て、後半の部分がチャップリンを「悲劇のヒーロー」のように描いているせいで、重くなり過ぎてるように思えた。やっぱチャップリンは人を笑わせるのが大好きな喜劇人だったんだから、もっと人々の笑顔を出して欲しかった。ただ、これは例によって深読みだけど、これはチャップリンに対する“潔い敗北宣言”で、そうすることでチャップリンの偉大さを讃えているのではないか、と思えなくもない。だって、確か台詞の中でも「私(=チャップリン)の事が知りたければ私の映画を観ろ」みたいな台詞があったけど、これってこの作品の存在意義を否定しかねないでしょ。最後に本物のチャップリン作品を流したのだって「私たち、一生懸命貴方を描こうとしましたが、やっぱり貴方には勝てません、素晴らしい!」って言ってるようにも思えるし。ま、何だかんだ言ってワタクシの場合、冒頭で幼少時のチャップリンが観客から罵声を浴びる母のためにステージに立つって所でもうウルウルしてしまったんだけど(笑)。うん、前半は良かったと思うよ、この映画。それに他の方々もおっしゃられているけれど、これ観たらチャップリンの作品、観たくなるしね。その一点だけでも意義のある作品だと思います。 【ぐるぐる】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-11-19 19:02:17) |