★15.《ネタバレ》 ジョン・フォード監督の西部劇を見るのは初めてだったが、とにかくあらゆる意味で圧倒された。 50年前の映画ではあるが、映画の「質」に関しては、製作年度などは関係ないということがよく分かる。 美しい風景、荒々しい演技、壮大なストーリー、容赦のない描写、清涼的なユーモア、すべてが素晴らしい仕上がりとなっている。 インディアンに対する激しい憎悪が感じられるが、妥協を許さない姿勢の表れではないだろうか。 ただし、この妥協を許さない姿勢を貫くとすれば、意表を突いているがラストのひねりのないハッピーエンドは少々いかがなものかと思う。 この描き方では、中盤のイーサンとマーティンの対立に深い意義が生まれてこない。 お互いに銃を向け合い、「I hope you die」とマーティンがイーサンに対して罵るに至るまでを描くのならば、もっと悲惨なラストを迎えさせてもよかったのではないか。 そうでなければ、イーサンの心境の変化が表れるようなエピソードをいくつか加味すべきだったのではないか。 やはり、姪を助け出そうとするものの、姪が完全にインディアンに染まってしまい、逆にイーサン側に攻撃しかけようとする展開となり、やむを得ず姪を射殺してしまうとすると、悲劇性がより高まると思う。 ラストをハッピーエンドに描きたいのならば、二人の対立をソフトに描くべきではないか。 中盤でイーサンが姪に対して銃を向け、イーサンとマーティンが対立するようなことはむしろ描かず、単純に姪を救出しようとするところ、インディアンに阻止されて矢傷を負って失敗するという流れだけでもよかったような気がする。 それにしても、演出もなかなか工夫に満ちている。 手紙を利用したユーモア溢れる技巧的な展開も好印象だ。 単調になりがちな展開に味が出ただけでなく、あの家族と郵便配達人の存在が増す流れとなった。 また、冒頭に扉を開けて、イーサンを出迎えるシーンに始まり、ラストで同じようなカットでイーサンがひとり荒野へ戻っていくシーンで終わるというのも、ジョン・フォードのセンスの良さが感じられる演出だ。 【六本木ソルジャー】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-03-31 23:12:27) |
14.《ネタバレ》 ○久しぶりの鑑賞。○物語の中心にいたイーサンが実は家族もなく、最後にはドアが閉じられ締め出されるようにエンディングを迎える結末。○マーティンがコマンチ族の妻をもらうことになってしまう展開後にデビーがコマンチ族になっているという皮肉めいた展開も興味深い。 【TOSHI】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2008-02-26 13:06:31) |
13.《ネタバレ》 西部劇といえばジョン・ウェインと言った時代の正当な作品。インディアンに家族を殺され復讐に燃えて捜索するジョン・ウェイン演じるイーサン。きっと最後は勝つとわかっていてもワクワクするところはあります。ナタリー・ウッドは綺麗でした♪ 【うさぎ大福】さん [DVD(字幕)] 6点(2008-01-25 01:50:50) |
12.《ネタバレ》 モニュメント・バレーをしっかりと見せてくれる。ストーリー展開に多少不満を感じるものの、西部劇らしい西部劇であった。 【ジャッカルの目】さん [DVD(字幕)] 6点(2007-04-15 16:38:27) |
11.全編に漂う西部劇ならでは壮大で且つ美しい風景に眼を奪われること間違いないこの作品もいかにもジョン・フォード監督ならではの西部劇といった感じで楽しめます。ジョン・フォード監督の映画に共通して言えるのは人間の描き方が西部劇にしてもそうでないものにしてもどれもが本当に人間的で好感が持てます。この作品にしてもそんなジョン・フォード監督らしい映画だと思います。ドラマとしてだけでなく勿論、アクションにしても本物の力強さが伝わってきます。今の映画にはない映画としての力を十分見ることが出来ました。 【青観】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-09-24 17:29:09) |
10.映画では表現するのが難しい距離と時間を見事に体感できる映画です。「もういいよ。諦めようよ」と見ている方に思わせるこの説得力!西部の広大さを常に意識させる、人間なんてちっぽけであると思わせる素晴らしい構図。厳しさとその中でも決して失われる事のないユーモア。否応なく気持ちを高揚させる馬上でのスピードとアクション。そして皆々様が既にご指摘の通り、人々があるべき場所に収まっても、一人帰る所のないさすらい人、ジョン・ウェイン。いやもう最高です。私ごときが今更言うことではないかもしれないけど、ジョン・フォードは映画のなんたるかを熟知している人です。 【黒猫クロマティ】さん [CS・衛星(字幕)] 10点(2005-09-14 22:54:06) (良:1票) |
9.鱗歌さんもご指摘しておられるオープニングとエンディングが印象的。真っ暗な部屋の中から切り取ったようなドア枠から映し出される画はまるで映画の中の映画。美しい情景が映され、ジョン・ウェインが馬に乗り颯爽と登場。さぁ始まり始まり~。そしてエンディングもこの逆で、映画の終わりを告げてくれる。憎しみと殺戮の世界が虚構性を強調され、後味の悪い余韻を引きづらせない。映画が大衆娯楽であるための心遣いである。それでも、ハッピーエンディングの中で一人寂しいジョン・ウェインの後姿に、別の余韻を感じずにはいられない。 【R&A】さん [DVD(字幕)] 7点(2005-07-01 15:42:50) (良:1票) |
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8.けっこう残酷ですけど、ラストまで緊張感のあるストーリーですね。 【しまうまん】さん 8点(2004-06-12 12:06:41) |
7.なんなんだ、この西部劇。インディアンを復讐にかられて追う男の話で、めちゃくちゃ陰惨なもんかと思いきや、変なユリカゴ男が出てきたり、結婚式で女取り合いの喧嘩したりのドタバタコメディーっぽい演出がちらほら、そのくせ、インディアンに捕まった女が狂っていたり、女も容赦なく殺される等のエグイ展開もあり、いっしゅ異様な香りを漂わせてる西部劇やったで。でも、だからおもろいのかも。ちょこっと中だるみはあるものの、悪くはなかったよ。 【なにわ君】さん 7点(2004-05-14 20:59:06) |
6.観終わった瞬間の充実感、格別のものがあります。映画冒頭、暗い家の中から女性が扉を開けると、そこは広大なる荒野、観るものをいきなり別世界へといざないます。すると向こうから馬に乗ってやってくる人影、それこそが、久しぶりに現れたジョン・ウェインなのでありました。で、話は飛んで映画の最後、残念ながら冒頭シーンとは別の家なのですが、今度は人々が家の中に入って来て、カメラも屋内に下がり、ジョン・ウェインだけを外に残して扉が閉められ、THE END。↓おっさん様もご指摘の通り、誠にシビれる大団円であります。さてこの映画、先住民に身内を殺され、誘拐された男達の壮絶なる追跡劇でもあり復讐劇でもあるのですが、陰惨な雰囲気に堕していないのは、絶妙のユーモア感覚のお陰でしょう。今で言うところの、ロード・ムービーみたいな味わいすらあります。途中、エピソードと手紙朗読を交差させる等、演出の面白さにも事欠きません。そして戦闘シーンのダイナミックなこと!俯瞰の構図による立体感、カメラが全速力の馬に併走する躍動感。まさに満腹感を味わえる一本だと思います。 【鱗歌】さん 10点(2004-02-01 16:29:10) (良:4票) |
5.家族をインディアンに殺された事への怒りを爆発させ、120分のほとんどをインディアンを鬼のように追い求める執念の男。それがジョン・ウェイン扮する主人公。それまでのイメージとは打って変わった役どころである。圧巻はインディアンとの果てしなき大バトル。もの凄い迫力であった。カメラワークも素晴らしく、モニュメント・バレイをはじめ、とにかく風景が美しく撮られていた。フォード監督による異色西部劇。 【きのすけ】さん 8点(2003-10-24 00:03:22) |
4.《ネタバレ》 ストーリーはジョン・ウェイン扮するイーサンが兄一家が住む家に戻ってくるところからはじまる。甥や姪たちを抱き上げて「大きくなったなぁ~」などと和やかに久しぶりに対面……いやぁ~温かいなぁ~。ほのぼの……と思っていた矢先、拾いっ子の長男が帰ってくると、とたんに冷たくなるイーサンが。理由は自分とは血が繋がっていないからだそうだが、ああ、ジョン・ウェインが人に冷たくあたるなんて、なんか違う~っっ。もっとホットな、そう『リオ・ブラボー』のような、人間の温かい彼を見たいのよ。そんなにジョン・ウェインものを観ているわけではないけれども、でもニヒルな彼はイヤなんです。血のつながらない甥のマーティを囮にする場面は、「なんてヒドイ奴なんだ~」と声を出して罵ってしまった。ところでマーティ、恋人に対して「愛しているなんて言わなくてもわかっているだろ」はないでしょう。送った手紙が5年に1回だなんて……そんな人待てないよ。女って便りがないと待てないものなんです。忘れられていないってその都度確認したいものなんです。だから『シェルブールの雨傘』のジュヌビエーブも、一概には責められません。ってなんだか話が錯綜してしまった。 【元みかん】さん 7点(2003-10-22 18:22:56) |
3. フォードとウェインが共に新境地を開いた記念碑的な西部劇の異色作であり問題作。イーサン・エドワーズの復讐鬼ぶりはアラン・ルメイの原作に負う所大ではあるが、ウェインが大変な熱演。ただ、助演陣が些か弱体でウェインを支えきれず、チト中だるみするのが頂けない。あと、残酷描写も後のマカロニ等に間違ったインパクトを植え付けた感が深い。功罪相半ばする本作には1点マイナス。あ、それから↓ナタリー・ウッドは子役からやってるから、デビュー直後ってコトは無いと思うけど…1947年の「三十四丁目の奇蹟」(監督:ジョージ・シートン)とかで確かめてみては? 【へちょちょ】さん 9点(2003-01-30 16:05:35) |
2.へんなインディアン擁護映画こそ逆差別。白人世界対インディアン、人間と人間、文化と文化が対等にぶつかるからこそ闘争が生まれる。そこには偏見も差別もない。人間の生命の真剣な営みと、そこから生じる痛みがある。インディアンの食料になるからと、野牛を殺そうとするイーサン。すさまじい悲しみを秘めた名シーンだ。それをつつみこみ、さまざまな表情を見せる自然の美しさ。アメリカ映画の最高峰のひとつである。 【ちょうじ】さん 10点(2002-08-10 16:50:01) |
1.西部劇の最高傑作と名高い作品。確かに一部で言われている差別的感情が存在している作品だと捉えることはできるのですが、客観的に観れば凄い映画だと思います。技巧的には優れていて「これぞ男の西部劇だ!」と言わんばかりのシーンの連続に息を呑むこと間違いなし。デビュー直後のN・ウッドも印象的でノリにノッていると感じさせます。J・フォード流の乾いたユーモアもあり、それが上手に溶け込んでいることも演出の妙か。歴史に残る名作でしょう。 【チャーリー】さん 10点(2002-07-16 08:52:40) (良:1票) |