91.《ネタバレ》 笑わせどころがまったく自分のツボにマッチしなかった。 ハリ治療に行くと、鍼灸師によってツボがはずれたりはまったりするけれど、ウェス・アンダーソンの打ったハリはほとんどヒットしなかった。「そんなとこにハリを打たれても…」のオンパレードだった。 人物や状況を説明するために絵画や著作のカバーを大写しして説明に替える、というワザは、あまり何度も使われると芸が無い。笑わせたいために、登場人物に極力リアクションをとらせず無表情にさせて間をとる、というワザも、ロイヤルとリッチー以外のほとんどの登場人物がそうであるということから、効果が希釈されてしまっている。 人物が深刻に悩めば悩むほど観客にとってはおかしい、という状況を作り出すのに、完全に失敗している。…ボケには突っ込み、無表情にはリアクション、そうでもなければ乗り突っ込み。この監督さんは笑いが全然わかってない。 笑えないだけでなく私はストーリーもあんまり気に入らない。実子と養女の恋愛沙汰というそこだけ妙にシリアス調のエピソードもバカバカしいが、それよりもアメリカ人の専売特許ともいえる「ルール破り」を賛美するのが隠れた(というか隠れてないかもしれんが)テーマであるからだ。 彼らにとって、「ルール」はただ破ればよいというものではなく、破り方と事後のリアクションが「破り道」において重要なのである。破り方のスマートさにおいて感心されるなり、破り方にも愛嬌があるため憎まれない、なり。ロイヤルは後者である。 でも、私ははっきり言って悩まずルールを破るやつが嫌いなんだよう。ルール破りが映画に出てくるのは構わないが、それが賛美される結果になるのは私の許容範囲を超えているんだよう。 「ルール破り」の人生をまっとうしたロイヤルは死ぬ。人々の記憶に「愛嬌」を残して。個人的には全然ダメだ。 【パブロン中毒】さん [CS・衛星(字幕)] 4点(2008-07-06 14:24:52) (良:1票) |
90.まずキャスティングが豪華。よくもまあ、これだけすごい役者を集めたものだ。何よりもジーン・ハックマンの「クソじじい」っぷりが素晴らしい。孫たちに悪さを教える時の楽しそうなことったら!そして、ベン・スティラー親子のジャージ(葬式の時は黒!)。細部にまでこだわったインテリアとファッションに、監督のセンスが光る。 【フライボーイ】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-03-18 11:32:32) |
89.《ネタバレ》 ここまで情報過多な内容は奇をてらう以外に意味を成していないと思われるが、文芸をこんなふうに演出するのは新鮮。 「家族の気を引くために余命僅かであると偽る」なんて娯楽作品なシチュエーションなのに文芸で終わらせているのが個人的には勿体ないと思ってしまう。 【カラバ侯爵】さん [DVD(吹替)] 6点(2007-10-08 23:10:08) |
88.これを見るとバタースコッチサンデーが猛烈に食べたくなる。 【Vanilla】さん [DVD(字幕)] 7点(2006-11-25 16:14:46) |
87.素晴しい作品。キャラの濃い登場人物に妙な雰囲気が絶妙に合わさり、なんともいえない世界が繰り広げられていた。一向に変わらない服装、とことん入り組んだ家、そしてその中にきらりと光るリアルな心理描写。監督のセンスの良さにほれぼれします。この程度の脚本を他の監督がメガホンを取ったら、もしかしたらものすごい駄作になっていたかもしれない。そのくらい脚本じたいは中途半端に極端で、中途半端にシュールであった。しかし、この脚本を音楽、演出、小物使いで見事に傑作にしあげてくれた。個人的にはこの映画はコメディーだとは思えなかった。はっきりいってあまり笑えなかった。それでも妙な映画として十分映画になっていた。そして素晴しい作品になっていた。 【ジャザガダ~ン】さん [DVD(字幕)] 9点(2006-07-18 03:37:22) (良:1票) |
86.登場人物は個性的で魅力的だが、どっぷり感情移入できる人物は少なく、おまけに目まぐるしく展開するので物語が散漫。キャラは奇抜な割りに話は平坦で、大きなドラマはない。細部にこだわる前に、素直に楽しめる脚本を考えるべきだったのでは? 『ガープの世界』『ホテル・ニューハンプシャー』のようなアーヴィング作品を思い出したが、何か違う。最後に車が突っ込んできて犬が死ぬエピソードはいかにもアーヴィング的だが、アーヴィングは犬が死んだ直後に新しい犬を連れてくるなんていう無神経な話は絶対に書かない。たとえ寓話的な雰囲気でも、登場人物の心情をしっかりと描いて、血の通った存在にしなければ心を動かされることなどありえないだろう。自殺未遂のエピソードにすら痛々しさを滲ませることができないというのは致命的な欠点だ。この映画で人間として厚みを持って感じられたのはせいぜいロイヤル・テネンバウムス一人か。 長男親子の魅力に免じて、6点。 【no one】さん [DVD(字幕)] 6点(2005-10-29 11:51:05) |
85.過去の紹介シーンはかなり期待させるが…。中盤が余りにもだるすぎる。僅かな会話で場面切り替え&人物変更が多く、飛び飛び感があり飽きる。 【oO KIM Oo】さん [DVD(字幕)] 4点(2005-08-13 00:04:24) |
★84.多数のキャラクターが登場するが、各々のキャラクターに人間味や深みがある点が素晴らしいと感じる。 特に3人の息子と娘とイーライはそれぞれ悩みや弱さを抱えている。 チャスは、味方だと思っていた父親に子ども時代に撃たれたことを根に持ち、横領で父親を訴えたりと父親ロイヤルに対して相当怒りの感情を抱いている。 また、妻の死により、安全に対して敏感になっており、息子達を自由に育てることができていない。 マーゴは、養女ということを強調され続けられていることから、一人疎外感を抱いており、愛を知らない屈折した生き方をしている。 タバコを12歳のときから吸っているのも、誰かに構ってもらいたかった、誰かにとめて欲しかったことの現れのような気もする(禁煙を試みるも10年前のタバコをリッチーと吸うのはちょっと意味が分からないが)。 リッチーはマーゴのことを愛しているが感情を伝える術を知らずに苦悩している。マーゴの結婚を知ってテニスで大荒れの試合をしたり、マーゴの過去を知り自殺未遂をしたりと感情面の弱さを感じる。 イーライには両親がおらず、テネンバウムズ家族に常に憧れを抱いている。本は売れたが、続けては売れずに、結局はクスリに逃げて事故を起こす。 父親ロイヤルはどうしようもなく父親で、破産したあげく妻の再婚を食い止めるために一芝居打つ。ただ、その一芝居によって、家族と再び暮らすことが彼を変えていく。 大人になっても悩みや弱さを抱えるテネンバウムズの子ども達等だが、父親のロイヤルの変化によって、子ども達もそれぞれが微妙に少しづつ前向きに変わっていく姿が感動的だ。 しかし、孫達に無謀さを教えてやりたいと色々と連れまわすところはロイヤルという人間がよく分かるシーンだ。 また、妻のエセルと川沿いのようなところを二人で歩くシーンもロイヤルの人間像が分かり、結構良いシーンだと思う。 特にストーリーらしいストーリーはないけど、淡々とした流れの中に登場人物の様々な感情やその変化を感じることができる素晴らしい作品に仕上がっていると感じる。 【六本木ソルジャー】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-05-08 03:52:49) (良:1票) |
83.《ネタバレ》 こんな姉ちゃん欲しい。欲しい。欲しい。まぁそんなことより妹弟のかやの外で暴れまくるベンスティーラーが素敵。まぁそんなことよりほのぼのしたユーモアを楽しんでたのに犬を殺すな。 【ぷりんぐるしゅ】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2005-04-24 04:04:05) |
82.家族のドタバタも話題にしたわりには、こじんまりとまとめってしまっているのが残念。こんなけのキャストを揃えたんだから、もっとはじけても良かったのでは。 【tantan】さん 5点(2005-03-01 01:23:59) |
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81.《ネタバレ》 ポップで小洒落たおバカ映画かと思いきや、意外と「ええ話」で良い意味で予想を裏切られた。筋金入りのろくでなしジジイのロイヤルが、急に父親然としたキャラに変わるのはちょっと無理があったが、ストーリーのまとまりとしては悪くなかったと思う。激ダサスレスレのエキセントリックなキャラクター設定・細部の小物まで凝った映像・小ネタ満載の演出等、センスが良くて眺めているだけで楽しめた。BGMも憎らしいほどいいところついてる。9点あげたいぐらい気に入ったのだが、子ども達の愛犬が非業の死を遂げたのにあっさりその場で新しい犬が供されるのはかなり不快だったのでマイナス3点。 |
80.非常にこじんまりとした作品。 メンバーはゴージャスでその対比にびっくり。 シュールなコメディが多いので分かるやつだけ評価するといったような なんとも一般受けは非常に期待できない作品なんだろうな。 【ひで】さん 6点(2004-09-23 15:47:19) |
79.キャラはそれぞれ濃いんだけど、淡々とし過ぎている。魅力的な俳優ばかりなのに惜しい・・・でも大人になっても幼い頃とかわらない服装・髪型をしているところに味がある。徐々にそれらを脱ぎ捨てて、一歩ずつ踏み出していくぞーみたいな感じでわかりやすかった。葬式の黒いジャージは笑った。 【耳】さん 6点(2004-09-19 07:16:05) |
78.家族の絆を取り戻すのも良いですが、僕の時間も返してもらってヨカですか? 【小僧】さん 0点(2004-08-30 04:19:56) |
77.出ている男優たちの持ち味が活かされていない感じがした。ストーリーもたいしたことはなくて1週間後にはどんな映画だったかすっかり忘れてしまいそうだし、見せ方にも新しさを出そうとしたのはわかるが効果的とはいえない。 【HK】さん 4点(2004-08-29 08:49:15) |
76.人生とやらにそんなに深い意味はない、でも全然意味がなくもない。まさに可も不可も損も得もない映画。いい意味で。 あ、音楽がいいんで得した分プラス1点! 【馬飼庄蔵】さん 6点(2004-08-26 14:14:09) |
75.《ネタバレ》 深刻さとおかしさの入り交じった独特の雰囲気がすごくよかった。すごいメンツをこれでもか的に揃えて、しかも誰一人無意味に突出させることなく、全体に調和させた手腕は見事。話としては、崩壊した家族が一つにまとまって行く過程を描くと言う、ある意味定番ホームドラマの流れを汲んでいるんだけど、家族が全員天才という、規格外の設定のため、まとまろうとしてもどうしてもおかしな方向へ転がって行く。このくらいのメンツを揃えなければ成り立たなかっただろう。中でもよかったのはグウィネス・パルトロウ。この人が役と一体化したのを初めて見た気がする。美人系よりもこういうひねた役の方がずっとはまる。このオファーを受けたところに、今まで気づかなかった彼女のセンスの良さを見た。見直した。とにかく、見た後の後味が必ずしもよくないホームドラマなんて意外性のあるもんを、よく作り上げたものである。 【黒蜥蜴】さん 7点(2004-07-27 07:31:31) |
74.大家族という設定にした時点で、そこそこの出来は保証される。逆にそう考えるとちっと物足りない。 【ドレミダーン】さん 4点(2004-07-19 11:25:48) |
73.敢えてストーリーを飾らず、俳優の演技力と存在感で勝負しているところが成功の理由だと思います。ラスト、まるで最初からいなかったかのように消えていくジーン・ハックマンとその墓碑銘は、泣かせます。 【金子淳】さん 7点(2004-07-12 12:15:01) |
72.セリフも人物設定も背景も音楽もオシャレ。ジャージ親子がシュールで笑えるやら悲しいやら。 【モフラー】さん 8点(2004-07-03 22:13:31) |