60.《ネタバレ》 嘘をつらぬくために演出された「東ドイツ」は、しかし統合で失われた心のなにものかだった。けれど、この「東ドイツ」は、本当は以前でも実在していなかったのだ......、というお話。オススメ。 【goro】さん 8点(2005-02-09 07:24:53) |
59.《ネタバレ》 良質な、いい作品を、久し振りに見ました。コメディ仕立てとはいうけど、傍から見れば滑稽と思えることを真摯にやっているからコメディに見えるだけで、物語自体はかなり重いファミリー・ドラマだと思う。それを軽やかに乗り切ったのは、やはり監督の手腕なのだろう。ソ連邦が崩壊し、ロシアになった数年後かに、「共産党時代は良かった。ノルマさえ果たしていれば給料が貰えたから」という市井の人々の声を伝えるコラムを読んだことがあったが、本作を見て、当時の東欧は皆、急激に入ってきた自由競争の厳しさに晒されて、同じジレンマに苦しんでいたんだろうなと、今更ながらに思った。同時に、うっかりすればしか爪らしいドキュメンタリーに転びそうなテーマを、主人公の若者らしい反骨心、それが原因で母が人事不省に陥り、やがて・・、と。自責と愛情の相克の中で、せめて母に残された時間を母が信じていた時代の中でと、急速に西欧化する世の中にあって、旧時代があたかも現存するように振る舞う息子の苦闘を通した逆転の視線が、無理なく時代を反映していて素晴らしかった。そして、どんな体制の下であっても、結局、生きているのは日々を幸福に、出来れば夢を実現したいなと望む人間なんだよということなんだな。共産主義も民主主義も、理念は立派なのだ。でも、結局、踏みにじるのはやっぱり、人間の欲なんだなと、最後のメッセージが逆に知らしめるようだな。ところで、瓦解した旧体制があるかのような映像を作っていた友人の子が着ていたTシャツがマトリックスTシャツというのが、笑えた。こういうマトリックス使いも、あるんだね。 【由布】さん 9点(2005-02-06 21:44:39) (良:2票) |
58.西ドイツと東ドイツって何?っていう歴史音痴の私でも、ちゃんと映画の中で歴史について解説してくれているので、抵抗なく観られました。たまには懐古趣味もいいですね。 【paraben】さん 6点(2005-01-30 18:09:37) |
57.なんかほのぼのしますね。息子の奮闘する姿はちょっと行き過ぎのような気もするけど、それも母親を思ってのこと。最後の嘘は自分の出張も混じってかなりの自己満になっちゃいました。全てを理解した母の表情も素晴らしかった。 【Andy17】さん 7点(2005-01-24 23:46:26) |
56.中々良い作品でした。しかし、どこか中途半端な感が拭えません。シリアスorコメディのどちらかに傾倒した作品に仕上げた方が良かったように思う。ラストの息子の誇らしげな顔、母の息子を見つめる暖かな眼差しが、この作品の全てを物語っているようで良かった。 【北狐】さん 6点(2005-01-23 23:53:35) |
55.良くできた作品だと思う。ここまでする息子はいないよォ・・と思いつつも少し感動した。 |
54.いい話でした!!あの息子偉いね!!ララ可愛いね!!やっパリ資本主義万歳!! 【はりマン】さん 7点(2005-01-12 11:49:09) |
【k】さん 8点(2005-01-09 10:36:18) |
52.当時の東西ドイツ情勢に興味があるなら、もう+1点ってところでしょうか。コメディとシリアスさの食い合わせがかなり悪く、中途半端な印象を受けます。 【K】さん [DVD(字幕)] 5点(2005-01-09 08:42:03) |
51.この世で最も、幸せで、愛のこもった嘘。こういう形の嘘なら、心から許せる。それに、涙が出るくらい、素敵だと思う。 【ボビー】さん 9点(2005-01-07 18:49:11) |
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50.なんか中途半端なつくりに感じた。もう少し笑える作品かと思ったけど、ちょっと単調すぎるかな。 【ぱぴんぐ】さん 4点(2004-12-26 22:59:58) |
49.《ネタバレ》 つき始めた嘘が、結果的に彼自身の理想の世界の話へと変わっていったアレックス。傍目から見れば「ゆっくりとでもいいから、真実を教えてあげたほうがいいのでは?」と彼に言ってやりたくもなりますが、それは病で倒れた母親にショックを与えないため、という理由以上の、彼なりの母親への愛情なのでしょう。そして、彼から語られる話やニュースが嘘であるということを薄々知りながらも、息子の気持ちを汲み取って「素晴らしいわ」とそれを受け入れながらこの世を去って行く母親にも彼への愛を感じ、胸を打たれました。 【ライヒマン】さん 7点(2004-12-19 21:41:20) |
48.《ネタバレ》 生真面目な、けれどすごく可愛らしいファミリードラマでした。きっと旧東ドイツで育った観客はうんうん、にやにやとしながら観たんでしょうねえ。小ネタのきいた微笑ましいエピソードを積み重ねていくうち(ピクルスの瓶探しがかわいいなあ、特に)、やがて息子が母親のため、っていう元々の行動原理を超えて、自分自身が不意に失ってしまった、安心して将来を委ねてきた社会主義の理想像を自分の手で語る事にのめり込んでいきます。最後にうそニュースでかれだけの輝ける東ドイツの指導者となる彼の元ヒーローの口を借りて語られる理想はけれど、社会主義も資本主義も超えて、若い優しい男のもっともっと素朴な理想像のキラキラ輝くスケッチです。それを優しく見守るすべてを理解した母親の優しい笑顔にはやはりほろりとさせられます。けど、何より素晴らしかったのはやっぱり、あのレーニン像のシーンです。取り払われた旧世界の理想のイコンが太陽に照らされて輝きながら優しく手を広げて新しい世界の訪れを告げる。滑稽なんだけどかなしい、厳しい世界をまざまざと見せながらも優しく受け入れる。何となくみんなのなかに印象的なニュース映像としてあったあの画をなんと鮮やかに甦らせたことか!あのシーンがラストシーンでもよかったのに、とさえ思っちゃいました。あれを思いついた瞬間がこの映画の創り手の勝利の瞬間でしょう。映画全体のなんとなくのぎくしゃく感を忘れる素晴らしいシーンだと思います。あ、あと。えー、ララちゃんかわいいっす。惚れたっす。 【am】さん 7点(2004-12-19 03:43:53) (良:2票) |
★47.《ネタバレ》 ラスト近く、皆で嘘ニュース番組を観てるシーン。満足げな主人公。笑いを隠せない恋人とお姉ちゃん。何とも優しく息子に視線を送るお母さん。それぞれの表情に泣いてしまった。母親の、全てを知った上での「素晴らしいわ」は本当に良い。登場人物が皆優しくて良いやつで、それもまた泣ける。観た後、色々勉強したくなった。 【みち】さん 8点(2004-12-11 00:39:30) (良:1票) |
46.すごくよかったです。ベルリンの壁崩壊の時はまた子どもだったので全然記憶にないけど、社会主義から資本主義に変わるってこういうことなんだな~と改めて思いました。息子が母のためを思って一所懸命つく嘘とその気持ちに応えようとする母に感動でした。 【ジョナサン★】さん 8点(2004-12-09 19:46:33) |
【ロイ・ニアリー】さん 8点(2004-12-02 17:32:21) |
44.ウソをつきとおす。面白かった。コメディということで笑いもあるんだけど、雰囲気を壊さない、良質な笑いであったと思う。ストーリーはどちらかというと単純だと思うけど、それでも感動するに値する作品であると思いましたっ。 【アンソニー】さん 7点(2004-11-30 23:25:50) |
43.《ネタバレ》 とにかく音楽が秀逸。音楽とラストのシーンが完璧に重なり合い「素晴らしい」と言わずにいられません。息子が必死こいて作った誕生日パーティの終わりに、コカコーラの垂れ幕が下がるシーンとか好きですね、爆笑。笑い、感動両方を持ったいい作品。ただ、中盤個人的になげぇなーと思ったので八点 【マキーナ】さん 8点(2004-11-28 14:32:58) |
42.《ネタバレ》 これは・・・良かった!あまり人間ドラマ(ファミリードラマ?)系は観ないワタクシですが、ベルリンの壁崩壊も遠い国の話ぐらいに思っていましたが、社会主義だの資本主義だの深く考えたことありませんでしたが、大変良かったです。レーニン像のシーン、やられました。主人公の母親とレーニン像の双方の気持ちを想像していたたまれなくなりました。・・・しかし、レーニン像がヘリで運ばれるのと、西側から難民が流入してきたことを、お母様はどう結びつけたのでしょう?もうこのシーンの頃からうすうす、ただならぬ事態に気づいたのかも知れませんね。(DVDのカットされたシーン集では「幻覚」扱いになってますね)にしても、ララ!いいねぇ・・・9点あげちゃう! 【ししゃも】さん 9点(2004-11-13 13:26:46) |
41.とんだ掘り出し物。レンタル店で本作を見かけ「母親の命を守るために息子が懸命に嘘をつく」という比較的シンプルなストーリーに惹かれて借りてみました。ます本当に良く出来た脚本に驚かされました。当時の激動のドイツの国内情勢と映画自体とのバランスが抜群に取れていました。あまり必要が無いと思われるキューブリックへのオマージュに思わず笑いがこみ上げ、母に東ドイツは健在であるかのように振舞う息子の一生懸命な姿にも笑いながらも家族とはどうあるべきかを改めて考えさせられた。音楽も強く印象に残り、より一層感動を引き立ててくれる。この母への嘘つきに全員が協力的ではなく、半ば投げやりな態度の姉がいたことにも非常にユーモアが感じられ良質なストーリーだけでなくこういったキャラクター像を提案したスタッフの実力に頭が下がります。そしてラストの花火。またもや素晴らしい音楽に乗せて流れるこのラストに感動せずにはいられなかった。近年の韓国映画と同様、ドイツの映画も徐々に本領発揮と言ったところでしょうか。ハリウッドに負けない良質な映画を作れる国が増えているのは紛れも無く事実。ハリウッドももう少しCGばっかの映画に頼らずにこういう金を掛けずに素晴らしい映画作ってみようよ。マジで。 |