10.《ネタバレ》 色彩の無い世界に真実を捻じ曲げて伝える全体主義国家の陰鬱さが映える。 よくもこんな事考え付いたと言えるネズミ籠を使った拷問シーンは鑑賞歴中最悪のもので、痛めつけられるジョン・ハートの渾身の演技以上に痛めつけるリチャード・バートンの淡々とした面持ちに息を呑む。 2+2=5 思想統制の恐ろしさが骨身に沁みるこの先忘れる事のないであろう物凄い対決シーンであり、ジョン・ハートは本作でこそ意志を曲げず壮絶な最期を遂げて欲しかったのに屈服して抜け殻になった姿が悔しくてたまらなかった。 |
9.《ネタバレ》 1984年以降は、あまり振り向かれない映画だろうけど、これはSF社会派には、見逃せない古典ですよね。 タイトルに年数がつけられると、損しますね。 「2001年宇宙の旅」だって、あれだけの作品なのに、あまり観られなくなるんじゃないかな。 勿体ないね。 全体主義の恐ろしさ。 この映画の後の91年にソ連がなくなっちゃうんだよね。 何かそこら辺をついた、「1984」論を読んでみたい。 徹底した全体主義のなかでのラブストーリー。 結局、愛は負けたかのような描かれ方ですが、その愛の格闘を描いたのが「ブラジル」でしょうか? もう一度、「ブラジル」を観なおせねばと思うに至りました。 【トント】さん [DVD(字幕)] 7点(2018-02-03 17:23:44) |
★8.大好きな映画の『リベリオン』の監督の音声解説でこの映画が挙げられていて、機会があったら見たいなと思っていた。今回、ブルーレイの発売でやっと見ることができた。毎日繰り返されるモノクロの社会生活と現実逃避した色彩に満ちた世界の対比という様式美が好き。劇中に出てくる設定やシーンの数々を見るにつけ、『未来世紀ブラジル』も『リベリオン』もこの映画(と原作小説)を翻案したものだったんだと、影響の大きさにビックリ。指が何本に見えるか?のシーンは『スター・トレック TNGシリーズ』にそっくりなエピソードがあった。(好きなエピソードではないけど) ジョン・ハートの演技が強烈で、後半は見ているのが辛かった。2+2=4と言える社会で生活できていることに感謝する映画です。 【リン】さん [ブルーレイ(字幕)] 5点(2018-01-17 23:47:38) |
7.古典となる原作は、傑作。映画化となる本作は凡作。原作に引っ張られすぎていて、映画的な魅力を語ることに失敗している。とはいえ、この原作を映画化するのは難しすぎる。舞台を旧ソ連寄りにしたのは安易すぎるのではないか。タルコフスキーが撮るならば、どのような映像表現ができただろうか。と思いつつ、エンディングで撮影はロジャー・ディーキンスだと気づく。なるほど、暗く陰影のある映像は雰囲気がよい。 【カワウソの聞耳】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2017-11-15 21:37:39) |
6.こんなに有名な原作なのに、いままで映画化されたのは50年代のハリウッド映画と本作だけというのは意外です。でも影響を受けた映画となるともう数知れずで、『未来世紀ブラジル』なんてもう完璧な『1984年』のパロディですからね。 さて『1984年』の唯一の完全映像化作品となる本作ですが、名優リチャード・バートンの遺作でありまたわが国で初めてヘアー解禁された劇場公開映画として知られています。ジョン・ハートにリチャード・バートン、陰鬱なストーリーには持って来いの二人ですからこの映画のキャスティングとしてはハマりすぎです。ヒロインはほとんど無名の地味な女優だし、これじゃ気分が上がる要素は皆無ですね(笑)。また全体主義体制の社会がマジで「こんな世界に生まれていなくてほんとに良かった」と安堵させられる代物で、昔のソ連や東欧諸国ではこんな映画を上映したら処刑か収容所送りは間違いなしでしょう。“ビッグ・ブラザー”はスターリンのカリカチュアとして有名ですけど、物語の中では実在するのか不明な存在として描かれているところはなかなか深いものがある思いました。 でもね、この映画を観て愉しめるかというと、それは全くの別問題。いろいろ考えさせられることも多かったですが、気分が落ち込んでいるときに観てはいけませんよ。 【S&S】さん [ビデオ(字幕)] 5点(2016-11-12 22:18:59) (良:1票) |
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5.《ネタバレ》 1956年版との大きな違いは、カラーになったこと、全体主義国家の描写が増えたことです。旧ソ連の町の様子はこんな風だったんだろうと思わせます。…なのですが、観終わった後の絶望感は1956年版の方が若干上と感じました。なぜかな?ジュリアも裏切ったことの描写が弱いからかな? 【次郎丸三郎】さん [DVD(字幕)] 6点(2010-02-19 13:58:51) |
4.あえて内容には触れません(一言で言えば「退屈だが素晴らしい」)。公開時、賛否両論で日本中を騒がせた問題作なんだけど、誰も覚えてないよなあ(苦笑)。日本国内で初めて…というか東京国際映画祭の招待作であるため、特例的に…ヘア解禁された作品。その後の日本の映像表現の展開を考えるに、この映画がかなり重要な転機だったのは間違いない。もはやその内容とは何の関係もなく、日本の映像文化を決定的に変えた歴史的作品という事になる。成人男性諸氏はこの映画に感謝しなければならないだろう。そしてその事に感謝しつつ、コンビニで配給されてるジンでも飲みながらイラク戦争のニュースを見るのもまた乙な味わいが…あるわけねーよな。いつの時代になっても何かしらの意味を持って、観る者に語りかけてくる「権力の業」の哀しい物語。 【エスねこ】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2004-12-25 17:01:59) |
3.《ネタバレ》 自分の行動が全体の中では塵芥に過ぎない事までをも受け入れてレジスタンスに身を投じたのに、釣る為の罠だったとは… この僅かの隙すら許されない絶望感が、映画ではさらっと流されていて残念でした。近い時期に上映された「ブラジル」に良い所を持っていかれた感じ。それにしても1984年を20年も過ぎた現在、これに似た国がお隣にあるのは怖ろしかばい。 【番茶】さん 6点(2004-03-19 21:51:14) |
2.《ネタバレ》 実はこれ結構自分の趣味な映画です^^; 暗い管理統制社会の恐怖と緊迫感が上手く描かれていて一服の清涼剤の様な恋愛との対比が見事でした。 ただ顔をねずみに齧らせる拷問とかは見る人によって不快感を催すと思いますが。。。前衛的な面は少ないですがやはり未来世紀ブラジルに強く影響を受けた作品です。 【一般人】さん 8点(2004-02-01 02:05:01) |
1.うーん、、、あんま面白くなかったけど、いやーな世界だねぇ。ちょっと関係ないけど、有名なアップル社の1984年の初めてのCMって、確実にこれをもとにしてるよね。そんで女の人がハンマーみたいなの投げて画面にぶつけてね。 【あろえりーな】さん 5点(2003-12-27 16:59:48) |