1.《ネタバレ》 「そう、彼女の罪は男を見る目がなかったこと。彼女は決して殺人などという大それた罪は犯していません。当初は私も疑ってました。確かに報道の記事を読めば彼女はまさに不良少女ですが、それは警察と検察、それに真犯人が作り出した虚像に過ぎません。彼女が終身刑で投獄されたのは、警察と検察が証拠を隠蔽し重要な証言を捻じ曲げ、不当な裁判を仕組んだからなのです!彼女の悲劇は誰にでも起こりえます。私にも、そして皆さんにも」――。仕事の重圧から酒に溺れ、仕事も大事な家族をも失ってしまった、かつてのエリート弁護士ケイト。愛する娘と再会するため、彼女はなんとか立ち直ることに成功するのだった。さっそく復帰第一号の仕事として、ケイトは第一級殺人罪で終身刑となった少女レイシーの再審請求を引き受ける。当時の関係者から事情を聴き、証拠も一から調べなおしたケイトは、次第に彼女が無実であることを確信していく。酒に溺れるきっかけとなった、過去に無実の男を投獄してしまったというトラウマを克服するため、どんどんと裁判へとのめり込むケイト。だが、最愛の娘とのすれ違う日々が増え、彼女は再び酒に手を出してしまう……。嘘と真実が交錯する、一人の少女の冤罪事件を巡る裁判をケイト・ベッキンセール主演でスリリングに描いた法廷劇。まず最初に言っておきたいのは、これってレイプされそうになった不良少女が起こした殺人が、冤罪であったかもしれないという事案を巡る裁判なんでしょ。なのにどうして、その肝心の事件のいきさつを映像で見せなかったのでしょう?事件の真相なんていくらでもぼやかして、普通に映像として観客に見せることが出来たはずじゃないですか。それを冒頭、登場人物のセリフだけで早口で説明されてもさっぱり頭に入ってきませんって。物語の重要な核となる事件がそんな感じなので、肝心の法廷劇がいまいち盛り上がりに欠けるんですよね~、残念なことに。それに、主人公によって冤罪で投獄された男が忍び寄ってきたり、裁判長がケイトに色目を使い性的関係を迫ってくるだとか、ちょっとエピソードを盛り込みすぎで、僕はストーリーに散漫な印象も受けてしまいました。K・ベッキンセールの弁護士役がなかなかさまになっていただけに残念です。